あまりにも大胆なリミックスです。
1980年代の女性ロック歌手による作品群にインスパイアされて生まれたマイリー・サイラス「Midnight Sky」。とりわけスティーヴィー・ニックス「Edge Of Seventeen」(→YouTube 1981)を強く意識している様子が伺えていたこの曲が、リミックスではさらに(というかかなり)寄せてきているのです。しかもスティーヴィー・ニックス自身を迎えているというのですから興味深いですね。
Duet with @MileyCyrus ...Magical! Loved singing with her! Available everywhere. pic.twitter.com/3OSSS1xdDg
— Stevie Nicks (@StevieNicks) 2020年11月6日
リリースは11月6日。同日(および一部は前日)にリリースされた作品群を先週のブログエントリーで紹介していたのですが、リミックスがオリジナルといい意味で最も乖離している作品といえば間違いなくこの「Edge Of Midnight (Midnight Sky Remix)」ですね。
近年のリミックスの中では「Edge Of Midnight (Midnight Sky Remix)」の大胆さがとりわけ光る印象がありましたが、いやその曲以上に大胆すぎるリミックスが存在していたことを思い出した次第。それらはリミックスという名目で、実際は過去の名曲をカバーしているというものなのです。
・ブラックストリート feat. ドクター・ドレー & クイーン・ペン「No Diggity」(1996)
リミックスのひとつに、マイケル・ジャクソン「Billie Jean」(→YouTube 1983)のカバーが。それも「No Diggity」のオケを用いています。マイケルのアルバムのプロデュースを務めたテディ・ライリーがブラックストリートの一員だからこそなせる業かもしれません。
・マライア・キャリー feat. ジョー & ナインティエイト・ディグリーズ「Thank God I Found You」(2000)
リミックスはジョーそしてナズを招いた”Make It Last Remix”。その名の通り、キース・スウェットがジャッキー・マッギーを迎えたR&Bクラシック、「Make It Last Forever」(→YouTube 1988)の完全なるカバーなのです。
・マドンナ「Hollywood」(2003)
GAPのCMとして流れたのがこの曲のリミックス、「Into The Hollywood Groove」。自身のヒット曲、「Into The Groove」(→YouTube 1985)を用いて…というか、「Hollywood」のリミックスというよりはほぼ「Into The Groove」になっているのが面白いですね。
ここ最近のリミックスといえば、オリジナルバージョンのメロディは基本的に変えず、客演を増やす等がメインだったと思われます。それも楽しいですが、リミックスだからこそいい意味で大胆な飛び道具があってよいと思うのです。マイリー・サイラス「Midnight Sky」のリミックスを聴いて、いずれ今回紹介したようなリミックス名目でのカバー曲が登場してほしいと願う自分がいます。