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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【海外ビルボード】アルバム初登場に伴いマイリー・サイラス「Flowers」が米およびグローバルを制覇

現地時間の3月20日月曜に発表される予定だったものの処理の遅延に伴い翌21日に公開された、最新3月25日付米ビルボードソングチャート(集計期間:3月10~16日)。マイリー・サイラス「Flowers」が返り咲き。通算7週目の首位を獲得しました。

マイリー・サイラス「Flowers」はストリーミングが前週比12%アップの2820万(同指標2位)、ダウンロードが同15%アップの15,000(同指標2位)、ラジオが同1%アップの1億670万(同指標5週目の首位)を記録。ストリーミング指標においてはトップストリーミングゲイナーを獲得しています。これは今週の米ビルボードアルバムチャートにて『Endless Summer Vacation』が3位に初登場を果たしたことが影響しており、このアルバムからは「Flowers」を含む5曲がソングチャート100位以内に登場しています。

マイリー・サイラス「Flowers」はラジオにおいて、ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」が2020年5月23日付で1億1460万を達成して以来の高水準となっています。また女性歌手で複数週のラジオ1億回以上を達成したのは2020年以降では「Flowers」が初となり、リゾ「Truth Hurts」が2019年9月から11月にかけて9週記録して以来となります。

また今回の「Flowers」の総合首位獲得により、マイリー・サイラスの首位獲得在籍週数は10週となりました。もうひとつの首位獲得曲である「Wrecking Ball」は2013年に3週首位を獲得しています。

 

前週首位のモーガン・ウォレン「Last Night」は2位に後退。ストリーミングは前週比18%ダウンの3990万(同指標2週目の首位)、ダウンロードは同37%ダウンの12,000(同指標順位未掲載)、ラジオは同34%アップの1450万(同指標順位未掲載)を記録しています。

モーガン・ウォレンはアルバム『One Thing At A Time』が最新の米ビルボードアルバムチャートで2連覇を達成しており、前週は収録された36曲すべてがソングチャート100位以内にエントリーを果たしたことで100位以内同時ランクインの最多記録を打ち立てましたが、今週もトップ10の3曲を含む28曲がランクイン。これは歴代2位の記録となります。

 

レマ & セレーナ・ゴメス「Calm Down」が19→8位となり、同曲初のトップ10入り。ストリーミングは前週比4%アップの1490万、ダウンロードは同8%アップの5,000、ラジオは同13%アップの4420万を記録し、ラジオ指標ではトップエアプレイゲイナーを獲得しています。

ナイジェリア出身のレマによるオリジナルバージョンはファーストアルバム『Rave & Roses』からのシングルとして昨年2月にリリースされ、セレーナ・ゴメスを迎えたリミックス版が半年後の8月26日に登場。その後9月7日にセレーナを迎えたバージョンでのミュージックビデオが公開されたことでグローバルチャートでは一足早くトップ10入りを果たし、Global 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.では今年1月に通算2週首位を獲得しています。

レマにとってはキャリア初となる米ビルボードソングチャート100位以内エントリー曲にして初のトップ10入り、そしてセレーナ・ゴメスにとっては通算9曲目のエントリーに。「Come & Get It」(2013年5月 6位)、「The Heart Wants What It Wants」(2014年12月 6位)、「Good For You (feat. エイサップ・ロッキー)」(2015年10月 5位)、「Same Old Love」(2016年1月 5位)、「Hands To Myself」(2016年2月 7位)、チャーリー・プースに客演参加した「We Don't Talk Anymore」(2016年10月 9位)、カイゴとの「It Ain't Me」(2017年5月 10位)、「Lose You To Love Me」(2019年11月 1週首位)に続くヒットとなっています。

Calm Down」は米ビルボードによるU.S.アフロビートソングチャートで通算29週目となる首位に。ほぼ1年前に設立されたこのチャートにおいて、最長首位獲得曲となっています。

セレーナ・ゴメスは『ウェイバリー通りのウィザードたち』、マイリー・サイラス『シークレット・アイドル ハンナ・モンタナ』という、共にディズニー・チャンネル発のドラマに出演してブレイクを果たしています。なおこの両者が同時に米ビルボードソングチャートトップ10内に登場するのは2013年7月20日付けにおいてマイリーが「We Can't Stop」で3位、セレーナが「Come & Get It」で9位に入った時以来となります。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (2位) マイリー・サイラス「Flowers」

2位 (1位) モーガン・ウォレン「Last Night」

3位 (3位) シザ「Kill Bill

4位 (4位) ザ・ウィークエンド & アリアナ・グランデ「Die For You」

5位 (6位) メトロ・ブーミン、ザ・ウィークエンド & 21サヴェージ「Creepin'」

6位 (5位) ピンクパンサレス & アイス・スパイス「Boy's A Liar Pt.2」

7位 (12位) テイラー・スウィフトAnti-Hero

8位 (19位) レマ & セレーナ・ゴメス「Calm Down」

9位 (7位) モーガン・ウォレン「Thought You Should Know」

10位 (8位) モーガン・ウォレン「You Proof」

テイラー・スウィフトAnti-Hero」は今回がトップ10内在籍通算20週目となり、「Shake It Off」の24週に続く記録となりました。

また米ビルボードソングチャート速報記事には言及がありませんでしたが別途記事にて、ダウンロード指標首位がドナルド・トランプ & J6プリズン・クワイア「Justice For All」であることが紹介されています。同曲は33,000を売り上げています。

 

 

ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート、3月25日付ではGlobal 200、Global Excl. U.S.共にマイリー・サイラス「Flowers」が2週連続、通算8週目となる首位を獲得しました。

マイリー・サイラス「Flowers」はGlobal 200においてストリーミングが前週比7%アップの1億460万、ダウンロードが同10%アップの32,000を、Global 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.ではストリーミングが前週比5%アップの7990万、ダウンロードが同1%アップの16,000を、それぞれ記録しています。

Global 200における「Flowers」のストリーミング1億回超えは通算8週目となり、ザ・キッド・ラロイ & ジャスティン・ビーバー「Stay」が2021年8月から10月にかけて記録した9週という最長記録まであと1週に迫っています。