最新5月18日付ビルボードジャパンソングスチャートではサブスクの再生回数に基づくストリーミング指標で瑛人「香水」が、12週首位をキープしていたOfficial髭男「I LOVE…」からその座を奪ったことを先週お伝えしました(→こちら)。今週水曜に発表される5月25日付ソングスチャートではストリーミング2連覇が確実とみられ、総合でも首位に輝く可能性があります。
#瑛人「#香水」は『今週もその勢いは衰えず、週初3日間の再生回数としては前週比134%となる数字を記録し、連続首位記録2週目に突入』#YOASOBI「#夜に駆ける」は『今週2,039,927回再生を記録して3位 (中略) 週初3日間の再生回数としては「香水」とほぼ同率となる前週比134%』。「#ハルジオン」も15位 https://t.co/sBWPmmoNt3
— Kei / ブレストコナカ (@Kei_radio) 2020年5月15日
瑛人さんのみならずYOASOBI等新鋭歌手がストリーミング指標で上昇しているのですが、しかしサブスクのサービスによって順位に大きなバラツキがあるのです。昨年5月にICT総研が発表した"2019年 定額制音楽配信サービス利用動向に関する調査"(→こちら)でアンケートに答えた方のうち利用者が多いサービスの中で、ビルボードジャパンソングスチャートのストリーミング指標にデータを提供し且つサービス内のチャートが明示されているところにおける、最新チャートの動向をチェックしてみましょう。
(※参考データはApple Musicがこちら、LINE MUSICがこちら、Spotifyがこちら。Apple Musicには日付もしくは日時が未記載であり確認日時を記載しています。)
作成してみて、結構な違いがあることに驚かされます。
なにより、先述した瑛人「香水」がSpotifyでは3位だという事実。5月4~10日を集計期間とする最新5月18日付ビルボードジャパンソングスチャートのストリーミング指標で首位となっているこの曲がSpotifyでは最高3位、それもこの順位にはじめて達したのが5月14日付なのです。SpotifyではYOASOBI「夜に駆ける」が5月15日付ではじめて4位となったこともあり、話題曲のランクアップが最も鈍いという印象を抱かされます。Spotifyでは他にも、バンドの神はサイコロを振らないによる「夜永唄」が81位、歌い手のyamaさんによる「春を告げる」が84位と、他サービスとの乖離が目立つのです。
一方でLINE MUSICは、他サービスと比べて独自性が強いと言えるかもしれません。先程の表において、40位以内の曲で他サービスには入っていない曲を黄色で表示すると。
Apple Musicの3曲、Spotifyの8曲に比べてLINE MUSICは22曲と、LINE MUSICでは上位40曲のうち半分以上が他のサービスでトップ40内に入っていない曲となっています。その大半は5月15日金曜に全曲サブスク解禁に至ったRADWIMPSで占められているのですが、彼らの曲で最上位につけたのが「そっけない」(5位)というのが面白いところ。未シングルCD化曲ではありますが、ミュージックビデオはYouTubeにアップされている公式ミュージックビデオにおいて再生回数がトップ10内に入っており、その人気が反映されたと言えるでしょう。
YouTubeアカウントで発信される一発録り動画"THE FIRST TAKE"シリーズの音源化作品であるDISH//「猫 ~THE FIRST TAKE ver.~」や、同じくアコースティックを基調とする優里「かくれんぼ」もランクインしているLINE MUSIC。その中で個人的に注目したのはAAAのメンバー、Shuta Sueyoshiさんのソロ「HACK」が27位に入っていること。5月4日からの1週間を集計期間とするビルボードジャパンのTikTokソングスチャートで、この「HACK」が6位に入っているのです。TikTokの人気はまずサブスクや動画再生に波及するという特徴がありますが、サブスクのうちそれが最も反映されやすいのがLINE MUSICなのかもしれません。
【TikTok週間楽曲ランキング】Dance Hits 2015「Gentleman」が4週ぶり首位 瑛人「香水」とShuta Sueyoshi「HACK」急上昇 https://t.co/96qhJFJlnx pic.twitter.com/aZqOV67eq0
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2020年5月15日
LINE MUSICがTikTokの流行等をとりわけ敏感に取り込み、他方Spotifyは菅田将暉「さよならエレジー」やback number「高嶺の花子さん」、スキマスイッチ「奏(かなで)」といった定番曲が多く入り、そしてApple Musicはその中間…そんな印象を受けたのですが如何でしょうか(他方、LINE MUSICではトップ40に洋楽が一切入っていないのが気になるところではありますが)。一昨日公開された下記記事ではLINE MUSICの特徴や新たなサービスが記載され、ユニークユーザーが順調に増えていることが判明。同サービスの影響力はさらに高まりそうな気がします。
1月にはじめた独自のフリーミアムモデル、Spotifyの無料プランとの違いが分かりやすく記載。ユニークユーザーは3陰連続で増加とのこと。
— Kei / ブレストコナカ (@Kei_radio) 2020年5月16日
LINE MUSIC、「全曲無料でフル再生」の爆発力 大物アーティスト参戦で巣ごもりにもはまる | ゲーム・エンタメ - 東洋経済オンライン https://t.co/wtRMxzLtOO
LINE MUSICの影響力拡大で瑛人「香水」等が若年層を中心にさらなる広がりをみせる可能性は高く、ブレイクのチャンスはどんどん広がっているのではないかと思うのです。チャートをチェックする身としては少なくとも今回取り上げた3つのサブスクサービスとTikTokとをチェックし、次なるヒットの芽を見つけないといけないとも実感しています。