アニタ・ベイカーの名曲をカバーした、レイラ・ハサウェイによる「Angel」に新たなバージョンが登場しました。BJ・ザ・シカゴ・キッドをパートナーに迎えたデュエット。これもまた麗しいのです。
米ビルボード、アダルトR&Bソングスチャートを制したソロバージョンについては以前取り上げています。
この美しさがアニタに届き、彼女が踏みとどまるきっかけになれば幸い…と思い今日のエントリーを書いた次第。というのも、アニタ・ベイカーは先月半ばに"引退を示唆"するツイートを行っていました。音楽評論家、吉岡正晴さんのツイートを引用させていただきます。
アニタ・ベイカーが引退を示唆。2017年1月12日等のツイートで、新作、ツアーの予定なし、引退も多くの夢の一つ、とつぶやいている。https://t.co/9uSPXbCUZj 新作とされる『21st Century Love 』が2012年秋発売とされたが未発のまま。はたして。 https://t.co/V6EVt5db3U
— 吉岡正晴 (@soulsearcher216) 2017年1月15日
予定されていたアルバムからの先行曲で、俳優としても活躍するタイリースのカバー、「Lately」はリリースされていたのですが…そんなことを実は以前弊ブログで記載していました。
2004年の『My Everything』(傑作!)から7年ぶりにニューアルバム『Only Forever』をリリースする予定だったアニタ・ベイカー。しかしながら新譜は延期に延期を重ね来年に(元来、『21th Century Love』という名前で2010年のリリース予定だったわけですが)。
・アニタからのクリスマス&新譜はいつ?(2012年12月25日付)より
(彼女の米版Wikipedia内ディスコグラフィーによれば、リリース予定とされていたアルバム名は『Only Forever』となっています。)
アルバムからは「Sweetest Dreams」という、いかにもアニタらしいサビが展開される曲も先行で公開されていたのですが。
結局『Only Forever』ごと、これらシングル曲もお蔵入りになってしまうのでしょうか、日本のiTunes StoreやAmazonでは(当時購入出来たかもしれませんが現在は)先行曲を購入出来ず。アメリカのAmazonでは「Lately」が売られているのみ。なんだか寂しすぎます。
アニタの引退を調べていくうちに、実はR&Bシンガーで90年代に多くのヒットを放ったトニ・ブラクストンの引退を思いとどまらせた"貢献者"のひとりがアニタだということを知りました。
この記事は3年半ほど前のもの。後にトニは、恩師であるベイビーフェイスとのデュエット作『Love, Marriage & Divorce』(2014)をリリースし、翌2015年のグラミー賞、ベストR&Bアルバム部門を受賞。見事な復活を果たしたのです。
もしかしたらアニタの引退示唆を受けて、今度はトニが思いとどまらせるよう立ち上がっているかもしれません。それだけアニタの歌声は唯一無二、且つ時代を超えて愛される…まさに"Only Forever"そのものといえるだけに、活動再開およびアルバムの無事リリースを願わずにはいられません。冒頭で触れた「Angel」の美しさ共々、アニタに届いてほしいものです。