視聴率的にも、そして内容自体の質も高かった(と捉えています)、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』が本日最終回を迎えました。このドラマの主題歌、AKB48による「365日の紙飛行機」(シングル「唇にBe My Baby」のカップリング)についてはその発売直後に触れています。
上記エントリーで参照したビルボード・ジャパンのHot100における、「365日の紙飛行機」のその後のチャート推移を見てみました。
12/14付100位→6(「唇にBe My Baby」CD発売週)→20
→ 1/ 4付 33位→14(「唇にBe My Baby」を逆転)→8→14
→ 2/ 1付 23位→11→15→13→11
→ 3/ 7付 17位→16→24(「君はメロディー」CD発売週)→21
→ 4/ 4付 13位(現時点での最新チャート。「唇にBe My Baby」100位圏外へ)
トップ10内のランクインは2回のみですが、CDリリース以降は常に40位以内をキープするどころか20位圏外はわずか3回にとどまり、ドラマ最終回を経て再びトップ10入りする可能性も出てきています。シングルのセールスポイントが加算されない曲でこれほどまでのロングヒットとなっているのは稀で、認知度の面においてAKB48を代表する一曲になったといっても過言ではないでしょう。
個人的にはこの曲の成功は、一部分を”端折った”ことにあると考えています。以前『SONGS』(NHK総合)での岩崎宏美さん出演回において、観客のリクエストに応えてピアノの伴奏のみで様々なヒット曲を披露するというコーナーがあったのですが、『あさが来た』ファンなのでこの曲は大丈夫と前置きして披露した「365日の紙飛行機」のサビの箇所がグダグダになってしまったのです。岩崎さんが歌おうとしたのは同曲のサビを端折っていないフルバージョン。『あさが来た』で用いられているバージョンでは、サビ前半最後の”ただ進むだけ”から”それが一番大切なんだ”までが省略されています。
・365日の紙飛行機 歌詞【AKB48】 | 歌詞検索UtaTen(うたてん)
『あさが来た』でしかこの曲に触れていなかった人にとっては、サビの展開を意外に思うでしょうね。端折ったドラマバージョンに耳が慣れてしまい馴染めないということもあるでしょうが、あくまで個人的にと前置きして書くならば、サビ後半の”どこを飛んだのか”の”だのか”におけるメロディの上がり方がそこだけいかにも現代的で、『あさが来た』の舞台(時代)背景に相応しくないように思うのです。またこの曲でのAKB48のメンバーは比較的素直に歌っていると思うのですが、アイドル的歌い方によく見られる必要以上の”しゃくり感”がアガるメロディに少なからず反映されている気がして、朴訥な曲調の中に強い違和感が生まれているように思うのです。しゃくりについては下記ブログにわかりやすく記載されていますので是非ご参照ください(勝手ながら掲載させていただきます。問題があればご連絡いただければ幸いです)。
・簡単歌唱テクニック~「しゃくり」の極意~ - カラオケ上達実践バイブル
「365日の紙飛行機」は『あさが来た』起用時に、現代的なメロディとその部分におけるしゃくり感を端折られたことでより素直な曲になり、それがドラマの世界観に合致したのかもしれません。”どこを飛んだのか”の部分は作詞作曲者のこだわりかもしれませんが、ドラマスタッフサイドの判断は素晴らしいのではないでしょうか。