自分が音楽チャートでビルボードジャパンを支持し(とはいえ違和感や問題等があれば提言する姿勢は忘れず)、紹介する理由。それは、音楽チャートの中で未だに最も認知度が高いであろうオリコンランキングに比べて、社会の流行の鑑になっていると考えるゆえ。以前から幾度となく記載していることですが、今回上半期チャートが出揃ったので比べてみるとよく解ると思うのです。
オリコンでは今年度より、デジタルダウンロードおよびストリーミングを合算した合算ランキングを新たに立ち上げ、水曜朝に発表しています。
(リンクでの掲載が禁止であれば削除いたします。)
その合算ランキングが昨日発表されました。
オリコン上半期ランキング 2019<合算ランキング編>、合算シングルはAKB48最新シングル「ジワるDAYS」が1位に https://t.co/cTPGlZWdgj pic.twitter.com/z23XVdUc8c
— ミュージックマンネット (@musicman_net) June 18, 2019
オリコンは無断転載禁止を強く押し出しているゆえ引用は控えますが、そのオリコンではAKB48「ジワるDAYS」が2位に大差をつけてトップを獲得。坂道グループが3作、AKBグループが3作、ジャニーズ事務所所属歌手が2作となっており、デジタルダウンロードが強い米津玄師「Lemon」は5位、ストリーミングが強いあいみょん「マリーゴールド」は8位という結果に。
一方、オリコンとは1ヶ月のズレがありますが、元来複合指標を合算したチャートであるビルボードジャパンの今年上半期のソングスチャートはこちら。
【ビルボード 2019年上半期HOT 100】
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) June 6, 2019
1位 米津玄師
2位 あいみょん
3位 DA PUMP
4位 あいみょん
5位 米津玄師
6位 欅坂46
7位 back number
8位 日向坂46
9位 乃木坂46
10位 あいみょんhttps://t.co/EAA1Tg4aZ4 pic.twitter.com/7IDT4r40dP
先述した「Lemon」が制覇し「Flamingo」も5位、ストリーミングが強いあいみょんが「マリーゴールド」の2位を皮切りに3作をランクインさせた他、シングルCDセールスが強いながらも他指標も弱くない坂道グループが3作入っています。AKBグループはシングルCDセールスに長けながら他指標が弱く、デジタル未解禁のジャニーズ事務所所属歌手共々トップ10以内にはランクインしていません。これはビルボードジャパンが合計8つの指標で構成されていること、またシングルCDの複数買い(売上枚数に対する実際の購入者(ユニークユーザー)との差等)を考慮して独自の係数を用いたことも影響しているといえます。
このふたつのチャート、どちらが社会の流行を示す鑑になっているかを音楽好きな方ひとりひとりが考えてほしいと思います。サビだけでも歌える曲がいくつあるかを数えるのもいいですし、極端に順位が異なる「ジワるDAYS」(ビルボードジャパンでは上半期12位)を知っているか、他者にそして自己に問いかけてもいいでしょう。
またオリコン上半期合算シングルランキングの20位以内にはダブルAサイドシングルの曲の双方がクレジットされているものがあります。仮にその歌手がデジタル解禁した場合、2曲ともほぼ同数のデジタルでの売上が見込まれるためより上位に来やすい傾向があると考えられるのですが…となるとオリコンの合算シングルランキングは楽曲単位ではなくあくまでCD単位のものであり、もっといえば社会の流行を示すためではなくレコード会社等のためではないかと思ってしまうのです。その点で、以前自分が示した疑問点は拭えないままです。