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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ジェイソン・デルーロ & ジョーシュ・シックスエイトファイヴ「Savage Love (Laxed - Siren Beat)」はTikTokを使った新しいヒットの形となるか

先週木曜、リアルサウンドへ記事を寄稿しました。

アップされた翌日には、「Girlfriend」のミュージックビデオが公開されています。

TikTokではチャーリー・プースが、赤ちゃんに変身できるフィルターを使い、”ベイビー・チャーリー”として「Girlfriend」を披露。そのかわいらしさもあってか、TikTokでの人気が上昇しています。

@charlieputh

would you ever want to be my girlfriend?

♬ Girlfriend - Charlie Puth

日本のTikTokにおける人気曲を示すチャートでは先週金曜更新分で「Girlfriend」がトップ10入り。アメリカより一足早く日本でヒットする可能性が高いかもしれません。

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(上記キャプチャは最新チャートのもの。TikTok JP HITS 30はこちらから確認できます。)

 

TikTokでバズが生まれ、動画再生やサブスクを経て総合的なヒットにつながるという傾向はここ最近定番化したヒットの形となりましたが、実は新しいと言えるかもしれないヒットの形も生まれつつあります。それが、TikTokで既に人気となっている曲をカバーやサンプリングするというパターン。それに着手したのがジェイソン・デルーロなのです。

@sanyuan_japan

7人集合囉!✨ ##居家打卡活動 ##居家扭扭舞 ##三原japan ##サンエン台湾 ##123japan ##おすすめにのりたい ##fyp ##foryoupage ##stayathome ##扭扭扭

♬ Laxed (Siren Beat) - Jawsh 685

台湾旅行を機に、台湾発のYouTubeチャンネルである三原JAPAN(日本向けにサンエン台湾というチャンネルもあります)を知ったのですが、彼らがTikTokに投稿した上記動画で使われているのがニュージーランドの高校生、ジョーシュ・シックスエイトファイヴ(Jawsh 685)による「Laxed (Siren Beat)」。昨年以降TikTokで人気になったインストゥルメンタルのこの曲を、ジェイソン・デルーロがカバーしています。ジョーシュが今月、地元ニュージーランドのテレビ番組に出演した様子はこちらで。

そしてジェイソン・デルーロ & ジョーシュ・シックスエイトファイヴによる「Savage Love (Laxed - Siren Beat)」ミュージックビデオはこちら。

当初はジェイソン・デルーロがサンプリング許可を得ずに「Savage Love」の一部を公開したことで、ジョーシュ・シックスエイトファイヴのファン等から批判されていました。問題をクリアし、最終的には両名併記となった「Savage Love (Laxed - Siren Beat)」は6月11日に正式リリース。当初の公開の段階で、ジョーシュはコロンビアと契約段階だった模様ゆえ、ジェイソンによるカバーバージョンは彼が所属するワーナーではなくコロンビア・レコードより発表されています。

「Savage Love (Laxed - Siren Beat)」はジョーシュ・シックスエイトファイヴの地元ニュージーランドやオーストラリア、イギリス等でチャートを制し、アメリカでは7月4日付ビルボードソングスチャートで81位に初登場を果たすと、最新7月11日付では31位に躍進。特にTikTokと相性の良いサブスクにおいて、Spotifyの動向をみるとデイリーチャートではニュージーランドで1位、グローバル(世界全体)で2位を記録。アメリカでも7位まで上昇しているのです。これはオリジナルバージョンに比べて明らかな好成績であり、ジェイソン・デルーロの嗅覚の凄さや知名度の高さを感じずにはいられません。

そのジェイソン・デルーロTikTokに公式アカウントを開設しており、「Savage Love (Laxed - Siren Beat)」関連動画も複数投稿しています。

@jasonderulo

Congrats @dixiedamelio on releasing her first song ##HAPPY

♬ Savage Love (Laxed - Siren Beat) - Jawsh 685 & Jason Derulo

ミュージックビデオの2分28秒あたりでも同種のダンスを見ることができるのですが、キレの良さは桁違い。ミュージックビデオからはジェイソン・デルーロのプロ意識が感じられるかのようです。

 

ジェイソン・デルーロは『Everything Is 4』(2015)以降、5年以上アルバムをリリースしていません。同アルバム後は「If It Ain't Love」(2016 米67位)、ニッキー・ミナージュとタイ・ダラー・サインをフィーチャーした「Swalla」(2017 米29位)、フロー・ライダーに客演参加した「Hello Friday」(2016 米79位)以外は米ビルボードソングスチャートで100位以内にランクインしておらず、ゆえに「Savage Love (Laxed - Siren Beat)」は起死回生の一発と言えるかもしれません。ジェイソンはこれまでにも、ハリー・ベラフォンテ「Day-O (The Banana Boat Song)」の一節を用いた「Don't Wanna Go Home」(2011 米14位)やToto「Africa」を使った「Fight For You」(2011 米83位)など、ある種大胆な作品を用意しており、「Savage Love (Laxed - Siren Beat)」もこの流れの一環と言えそうです。

 

そのジェイソン・デルーロは今月新たにシングルをリリースしています。

この「Coño」もまた、TikTokで人気となった曲をジェイソン・デルーロがカバーしたという、まさに「Savage Love (Laxed - Siren Beat)」路線の曲なのです。

リリックビデオはダンスレクチャーも兼ねており、その戦略の巧さを実感します。勿論ジェイソン・デルーロは「Coño」を用いてTikTokに投稿を実施。

@jasonderulo

Try this with your squad @brentrivera @benazelart @lexibrookerivera @mason_fulp @jeremyhutchins @pierson

♬ CONO . Jason Derulo x Purj x Jhorrmountain - jasonderulo

この曲もヒットに至れば、もしかしたらジェイソン・デルーロの次のアルバムはTikTok人気曲のカバー集になるのではないかと思うのですが、考えすぎでしょうか。

 

ちなみに、先述したワーナーミュージックの記事ではジェイソン・デルーロを『「キング・オブ・TikTok」の異名を誇る』と紹介。ジェイソンは新たな称号を得た模様です。

いろんなミームにトライしながら新しい音と出会っているように思いますし、発信を続けることでアルバムがリリースされていなくともジェイソンの名を常に轟かせることができるわけで、ジェイソン・デルーロ恐るべし、と感じています。

 

ただ今は世界情勢にTikTokが巻き込まれている状況であり、米でも規制される可能性があるのが気掛かりです。

TikTokが不自由になることでミームも、それに伴うヒット曲も生まれなくなるのは機会損失甚だしいと思うのです。またジェイソン・デルーロが取り上げたジョーシュ・シックスエイトファイヴ「Laxed (Siren Beat)」は、ジョーシュがサモアクック諸島に先祖代々伝わっていた音を敷いたものであり、それが世界的な流行となることでサモア等への意識を高める方は増えるはず(故に、ジェイソンの最初の音源公開時に批判が高まったわけですが)。TikTokを政治的理由で封じることは、緩やかにでも着実に世界を知る機会を排するわけで、厳しい物言いを敢えて用いるならばインドや米等の方針は政治的な愚策とすら言えるのではないか、という私見を最後に添えておきます。

米津玄師「感電」ミュージックビデオ解禁日の嬉しい誤算…次週のビルボードジャパンソングスチャートが楽しみ

嬉しい誤算です。

ドラマ『MIU404』(TBS 金曜22時)の主題歌、米津玄師「感電」のミュージックビデオは7月20日もしくは27日の月曜に解禁されるものとばかり思っていました。ダウンロードが月曜解禁と知り、上記noteで解禁スケジュールを予想していたのですが、しかし実際は。

昨日夕方のツイートに貼付された映像に出てくる2種類の羊がモールス信号を示し、この日23時にミュージックビデオを公開することをアナウンス。この段階でTwitterでトレンド入りを果たしました。しかもこのタイミングで、すべての動画のサムネイルをこの予告動画と同じ映像にしており、予告動画を知らずに米津玄師さんの曲にたどり着いた方は何かあると察したはずです。

そしてミュージックビデオは予告通りに解禁。後に予告以外の動画のサムネイルは元に戻りましたが、これも「感電」への視聴の流れを生んだと言えるでしょう。

 

というわけで、ミュージックビデオ公開日は外れてしまいましたが、むしろこの解禁日設定のほうが圧倒的なビルボードジャパンソングスチャート対策ではないかと思った次第です。

「感電」はアルバム『STRAY SHEEP』の先行曲でありシングルCDではリリースされません。そのため、シングルCDセールスやそのルックアップは加算対象外となるわけで、ダウンロードと動画再生のタイミングがチャートにおける大きな山に。ならばその2つを同週に解禁することが最も効率的と言えます。『MIU404』放送直後の公開により、次週のチャートにおいては動画再生指標の加算期間がわずか2日と1時間ながら、驚異的な再生回数を叩き出すかもしれません。

 

『アンナチュラル』主題歌の「Lemon」も、『ノーサイド・ゲーム』主題歌の「馬と鹿」もまずはダウンロードを解禁し、その圧倒的なセールスでどちらも2位に初登場。そして「Lemon」はダウンロードの2週後、「馬と鹿」は3週後にミュージックビデオを解禁し、動画再生指標初加算週には数千ものポイントが上乗せされました。今回の「感電」は動画再生指標上乗せ分がそこまで大きくはなかったとしても、大きな効果をもたらすはずです。

 

ちなみに米津玄師「馬と鹿」は初加算週の速報段階で12.3万だったのに対し、「感電」は速報段階で3万以上少なくなっています。

「Lemon」に関しては速報および最終結果におけるダウンロード数が未記載でしたが、「馬と鹿」を上回っていただろうことは以前記載しています。

「感電」は動画再生指標も加算されることで、「馬と鹿」と同じくらいかそれを上回るポイントで次週のチャートに登場する可能性があります。ミュージックビデオ解禁直前に放送された『MIU404』第3回の衝撃が、再生回数増加にどう影響するのか注目です。そしてミュージックビデオ解禁後もTwitterでトレンド入りを果たしていることや、ラジオでの頻繁なOAにより、「感電」はダウンロード、動画再生、ラジオエアプレイそしてTwitterの4指標でトップ争いに食い込む可能性も秘めています。

 

「感電」はアルバムリリース時もピークが生まれるでしょうが、もう一段階高みに到達するとすればそれはサブスク解禁時ではないかと思うのですが、果たして解禁はあるのでしょうか。

嵐「カイト」はジャニーズ事務所初となるCD・デジタル全項目解禁曲となるか? デジタル本格進出後の状況をまとめてみる

最新7月13日付のビルボードジャパン各種チャートをビルボードジャパンスタッフが紹介するポッドキャストについて、興味深い話が。

Twitterで"#ビルボードポッドキャスト"とつけてつぶやかれた質問をスタッフが回答しているのですが、その中に【ジャニーズ事務所所属歌手がデジタル解禁したらソングスチャートにどのような影響が出ると思うか?】というものがありました。スタッフの方は未知数と前置きした上で、現在彼らの得点源のひとつであるルックアップが高いほどデジタルに好影響が及ぶのでは?などと回答しています。

パソコンにCDを取り込んだ際にインターネットデータベースにアクセスされる数を指すのがルックアップですが、この高さが好影響を及ぼすだろうことについては、昨日のビルボードジャパンソングスチャート振り返りの際に自分も記載したことです。記載後、また自分のポッドキャストをアップした後にビルボードジャパンのポッドキャストを聴いて、そのシンクロに驚きました。

3週前首位のKing & Prince「Mazy Night」も今週は36位。「Mazy Night」はシングルCDセールス8位に対しルックアップが3位と高く、レンタルCDの多さが予想されることから、所有指標に特化させるよりもサブスクや動画再生といった接触指標群を充実させたほうが勢いをキープできたのではないかと、ルックアップという接触も示した指標から感じるのです。

そして同時に思ったのは、実はこれまでのジャニーズ事務所所属歌手のシングル曲で、CDもデジタルも完璧に揃った作品は皆無ではなかったか?ということでした。

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主な作品の解禁/未解禁を一覧化してみました(ブランクは現段階で動向が不明なことを示します)。ENDRECHERIも先月以降順次解禁していますが、シングルCDと同時に、もしくはダウンロードやサブスクが先行でリリースされたものに絞っています。山下智久「CHANGE」をはじめ、ジャニーズ事務所が運営するレコード会社ではなく外部からリリースされるジャニーズ事務所所属歌手のシングル曲はレコチョク等一部サービスのみながらダウンロードは解禁されているため、ダウンロードが好調なチャートアクションにつながった「CHANGE」も含めています。

 サブスクのみ、もしくはCDに先駆けてサブスクが解禁されたのは「Turning Up」以降の嵐の作品群、およびTwenty★Twenty「smile」のみ。ミュージックビデオは後者未解禁、そしてCDは前者未発売となっており、つまりはCD・ダウンロード・サブスクおよびミュージックビデオフルバージョン公開の全てを満たす曲が未だ登場していないのです。

 

そこで気になるのが、「BRAVE」以来およそ11ヶ月ぶりにリリースされる嵐のシングルCD「カイト」。

昨年の『NHK紅白歌合戦』で披露され、その映像がNHKの公式YouTubeチャンネルで確認できるのですが、上記動画は同じくNHKアカウント発のFoorin「パプリカ」同様、ビルボードジャパンソングスチャートの動画再生指標において加算対象となる国際標準レコーディングコード(ISRC)がおそらく未付帯だと考えられます。ゆえに嵐側は、ISRCを付帯したミュージックビデオを自身の公式YouTubeチャンネルに用意する必要があるでしょう。

そしてあらためて、気になるのがミュージックビデオを含むデジタル解禁のタイミング。おそらくはデジタルをリリースするものと信じたいのですが、「カイト」がCDの販売を優先としてデジタルを遅らせるという可能性が全くないとは言い切れない気がします。この曲がデジタルをCDと同時もしくは先行解禁してはじめて、ジャニーズ事務所所属歌手史上初となるCD・ダウンロード・サブスクおよびミュージックビデオフルバージョン公開の全てを満たす曲となるわけで、その推移を見守っていきたいと思います。

 

先述したポッドキャストでは、ジャニーズ事務所所属歌手のデジタル解禁後の影響について、CDの売上枚数は変わらず、それでいてライト層を掘り起こせるのではとも述べられていました。アイドル等はデジタル解禁しても極度にシングルCDの売上は落ちないと思うゆえ、自分も同じ考えです。

 

そして今年のビルボードジャパンソングスチャートの上位曲の動向をみると、シングルCDセールスに長けた曲のほとんどが、CDセールス加算2週目にポイントを大きく落としています。トップ3入りした曲のリストを昨日のnoteにまとめています。

短期的なヒットからロングヒットに変えるには接触指標群の充実が必要だということは、嵐「Turning Up」が証明しているように思います。

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嵐「カイト」は米津玄師さん提供曲という高い話題性を持ち合わせ、紅白で既に披露されていることから待望のリリースとなるわけです。4項目を全て満たし、デジタルとCD、接触と所有の両指標群でヒットすれば、「カイト」は今年を代表する曲になるでしょう。

NiziU、プレデビュー作で接触・所有双方の新記録を樹立…7月13日付ビルボードジャパンソングスチャートをチェック

毎週木曜は、前日発表されたビルボードジャパン各種チャートの注目点を紹介します。

6月29日~7月5日を集計期間とする7月13日付ビルボードジャパンソングスチャートはジャニーズWEST「証拠」に入れ替わり、Hey! Say! JUMP「Last Mermaid...」が高いシングルCDセールスを武器に総合チャートを制しました。

ジャニーズ事務所所属歌手の首位獲得は4週連続となりますが、前週首位のジャニーズWEST「証拠」は27位へ、2週前首位のKinKi Kids「KANZAI BOYA」は57位を経て100位圏外(300位以内)へ急落しています。3週前首位のKing & Prince「Mazy Night」も今週は36位。「Mazy Night」はシングルCDセールス8位に対しルックアップが3位と高く、レンタルCDの多さが予想されることから、所有指標に特化させるよりもサブスクや動画再生といった接触指標群を充実させたほうが勢いをキープできたのではないかと、ルックアップという接触も示した指標から感じるのです。あくまで私見ですが、今週首位の「Last Mermaid...」においては公式ミュージックビデオがティーザーの形でも存在していないためにブログにて紹介できないことを、強く残念に思います。

 

さて今週はHey! Say! JUMP「Last Mermaid...」に迫る存在が。オーディションから飛び出したNiziU「Make you happy」が1万8千を超えるポイントを叩き出しました。

NiziUについて、そして「Make you happy」の勢いについてはビルボードジャパンの速報発表段階で一度ブログにまとめています。

秋のデビューを前にリリースしたプレデビューミニアルバム『Make you happy』はデジタル限定リリース。収録された4曲すべてがソングスチャートでトップ20入りを果たし、特に「Make you happy」はストリーミング再生回数が初の1千万超えを成し遂げ(それどころか1158万というのですから驚異的)、動画再生指標も含む接触指標群を制覇。「Last Mermaid...」とのポイント差は4480あるものの、好成績を収めたことは間違いありません。

一方でミニアルバム『Make you happy』はダウンロードのみで総合アルバムチャートを制覇。2位の10倍以上となるポイントを獲得しています。81167という数字は『ビルボードジャパンがアルバムのダウンロード数を集計し始めてから最多となる週間ダウンロード数』(下記記事より)と、こちらも驚異的です。

ソングスチャートにおいては曲単位で購入された分が加算対象となりますが、「Make you happy」は単曲で25439ダウンロードを獲得し、アルバムを含めると同曲のダウンロード数は10万を突破。接触指標群のみならず所有指標でもNiziUの凄さが良く分かるのです。

 

NiziUを生み出したオーディション番組、Nizi Projectは動画配信サービスのHuluおよびYouTube(Huluのおよそ1ヶ月遅れ)でOA。Huluで放送された概要が、日本テレビ『スッキリ』でも定期的に放送されています。このNizi Project、今年上半期に女子中高生の間でブームになったことは以前もお伝えした通りです。

コロナ禍により自粛期間が生まれたことで、動画配信サービスの利用が急増していることも影響しているでしょう。しかし同時に『スッキリ』で公開されたことも大きいはずです。Hulu未契約者でも地上波放送の『スッキリ』である程度追いかけることが可能であり、コロナ禍で自宅待機中の学生は勿論のこと、主婦を中心とする在宅者にも認知度が上昇しました。Nizi Projectを取り上げた『スッキリ』について、ブログ【WASTE OF POPS 80s-90s】のO.D.A.さんのコメントに強く納得するのです。

K-POPのグループの場合、女子グループでも日本のアイドルグループと比較すると圧倒的に女子ファンの割合が高いというのは以前から継続している傾向ですが、今回は敢えて地上波では特に30-40代にぶつけてきたのではないかと思うのです。CD購入が普通である世代であり、かつ地上波テレビ局で「オリコンで〇位に入らなかったら即解散」みたいな企画をリアルタイムで体験している世代に。

10代20代だけではサブスクで終わりますが、30-40代までを巻き込めれば、CD等フィジカルの売上が変わってくるし、物販の投下額も変わってくる。

若年層で所有欲が強い方も、30代以上で接触を主とする方もいらっしゃるはずですが、「Make you happy」がサブスクや動画再生といった接触指標群で共に1千万再生を突破し、ミニアルバムが所有指標で新記録を樹立するというNiziUの勢いに、『スッキリ』が貢献したことは間違いないはずです。

 

所有指標の高さが証明されたことで、今後正式デビューした際にはシングルCDを切ってくるように思います。その際、NiziUのチャートアクションがK-Popの韓国語曲の動きをたどるかそれとも日本オリジナル曲のそれとなるかが、個人的には最も気になるところ。次週のソングスチャートで初めてシングルCDセールスが加算される、NiziUの先輩にあたるTWICE「Fanfare」の動向共々、注目です。

Snow Man「D.D.」における、ひとつのCDで二度ミリオン達成という事態をどう捉えるか

ジャニーズ事務所の公式エンタメサイト、ISLAND TVでこちらの動画が公開されました。

この報告は、ビルボードジャパンが今週のシングルCDセールスに関する記事で「D.D.」ミリオン達成の旨を報じたことを踏まえてのものと思われます。下記報道が出た月曜、そして上記動画が出た火曜、連日で「D.D.」のミリオン達成がTwitterでトレンド入りを果たしていました。

 

実は「D.D.」のミリオン達成は"二度目"。一度目のミリオン達成は同時デビューしたSixTONESとの合算によるもの。双方の作品にもう一方のシングル表題曲を収めたことにより、オリコンは2in1として扱い初週ミリオン達成と報じました。多くのメディアでもそのオリコンの概念を踏襲しています。

今年1月のリリース直後、同時デビューしたSixTONESと合わせて15名が全国バラバラに行脚した際、青森の情報番組に登場したSnow Man佐久間大介さんが放送の中でミリオン達成の旨を話していました。その前後には佐久間さんが動画の中で同様の報告を行っていること等を踏まえるに、Snow Man側も合算でのミリオン達成を重視しているのではないかと捉えていました。

一方でSnow Man「D.D.」とSixTONES「Imitation Rain」とを別々に計算したビルボードジャパンでは、先述の通り「D.D.」がミリオンを達成したと今月報じています。捉え方によって違いがあるという前提はあれど、ひとつのCDで二度ミリオン達成とアナウンスされる矛盾が生じているのです。しかも最初に示した通り、Snow Man自身が二度目のミリオン達成を動画でアナウンスしています。ビルボードジャパンとオリコンの差等の事情を知らない方にとっては、混乱を招きかねないのではないでしょうか。

 

気になるのは、今回の二度のミリオンをファンの方々がどう思っているかについて。以前上記ツイートにも載せたエントリーを1月にアップした際、多くの反応をいただいていました。

このリアクションはSnow ManSixTONESのファンの方からも、たとえばこのような形でみられた一方、Twitterでのリアクションを調べると二度のミリオンを素直に受け入れる方も多く、いろんな受け止め方があるのだなと感じた次第です。

 

発売から数ヶ月が経過し、上半期のチャートを語る上で欠かせない曲を紹介したブログエントリーにて「D.D.」を取り上げました。自分の考えはここに記載した通りです。

次のシングル以降、Snow ManSixTONESも文句なしの大ヒットを飛ばしてくれることを願います。その際はデジタルに明るくなり接触指標群が充実することが前提ではないでしょうか。"ジャニーズをデジタルに放つ新世代。"と謳うならば尚の事で、強く期待しています。

「Rockstar」「Whats Poppin」でダベイビーがワンツーフィニッシュを達成…7月11日付米ビルボードソングスチャートをチェック

ビルボードのソングスチャートをチェック。現地時間の7月6日月曜に発表された7月11日付最新ソングスチャート、ダベイビー feat. ロディ・リッチ「Rockstar」が通算4週目の首位を獲得しました。

「Rockstar」はストリーミングが前週比15%アップの4370万(同指標1位)、ダウンロードが同32%アップの16000(同指標3位)、ラジオエアプレイが同16%アップの4600万(同10位)とすべて二桁成長。これはストリーミングおよびダウンロードの集計期間初日となる6月26日金曜にミュージックビデオが公開されことによるもの。28日日曜にはBETアワードにて同曲が披露され、その衝撃的なパフォーマンスも大きく影響しています。

 

ダベイビーは今週、2位にもクレジット。前週8位に入り初のトップ10位入りを果たしたジャック・ハーロウ「Whats Poppin」が2位に躍進しましたが、その理由がダベイビー、トリー・レーンズおよびリル・ウェイン参加のリミックスによるもの。今週の集計期間においてリミックスが1週間フルに加算され、オリジナルバージョンを上回ったことでダベイビーを含む4名でのクレジットとなりました。

ストリーミングは前週比72%アップの3410万(同指標2位)、ダウンロードは同109%アップの10000(同指標11位)、ラジオエアプレイは同15%アップの2990万(同指標23位)とこちらも二桁、もしくは三桁成長を達成。これによりダベイビーは、2019年2月23日付でアリアナ・グランデが「7 Rings」「Break Up With Your Girlfriend, I'm Bored」「Thank U, Next」で3位までを独占して以来となるトップ2占拠を果たしました。またリル・ウェインは25曲目のトップ10ヒットとなり史上10位タイ(ドレイクおよびマドンナの38曲がトップ。リル・ウェインエルヴィス・プレスリーおよびテイラー・スウィフトに並びました)、一方トリー・レーンズにとっては初のトップ10ヒットとなっています。

 

ハリー・スタイルズ「Watermelon Sugar」が前週から8ランクアップし8位に。5月18日にミュージックビデオを公開して以降浮上を続け、自身3曲目のトップ10入りを果たしました。ストリーミングは前週比7%アップの1530万(同指標12位)、ダウンロードは同30%アップの9000(同指標13位)、ラジオエアプレイは同25%アップの3610万(同指標17位)。タイトルに"Watermelon (すいか)"が付いた曲のトップ10ヒットは、モンゴ・サンタマリア・バンド「Watermelon Man」が1963年4月に10位に入って以来、2曲目となります。

活動休止中のワン・ダイレクションのメンバーでは、脱退したゼイン(・マリク)が2曲、リアム・ペインが1曲トップ10ヒットを放っていますが、ハリー・スタイルズは今回3曲目となり、トップ10ヒットが単独最多となりました。

 

リル・ベイビー & フォートゥー・ダグ「We Paid」が前週から8ランクアップし初のトップ10入り。ストリーミングは前週比11%アップの2460万(同指標3位)、ダウンロードは同3%アップの2000、ラジオエアプレイは同76%アップの170万を獲得しています。リル・ベイビーにとっては前週までランクインしていた「The Bigger Picture」以来となる通算4曲目のトップ10入りとなり、フォートゥー・ダグは初のトップ10エントリー。「We Paid」は『My Turn』のデラックスエディションに収録された曲で、2月末にリリースされたオリジナルバージョンに後から追加されたもののひとつ。このデラックスエディションの影響もあり、『My Turn』は今週、通算5週目となる首位を獲得。ビルボードジャパンの記事では『今年は、発売から数週間~数か月後に新曲を追加して再リリースするのがラップ・アルバムの主流』と記載されています。

 

最新のトップ10はこちら。

 
 
 
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#Hot100 (chart dated July 11, 2020)

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[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (1位) ダベイビー feat. ロディ・リッチ「Rockstar」

2位 (8位) ジャック・ハーロウ feat. ダベイビー、トリー・レーンズ & リル・ウェイン「Whats Poppin」

3位 (3位) ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」

4位 (2位) ミーガン・ジー・スタリオン feat. ビヨンセ「Savage」

5位 (4位) セイント・ジョン「Roses」 

6位 (6位) ドージャ・キャット「Say So」

7位 (5位) ジャスティン・ビーバー feat. クエイヴォ「Intentions」

8位 (16位) ハリー・スタイルズ「Watermelon Sugar」

9位 (9位) リル・モジー「Blueberry Faygo」

10位 (18位) リル・ベイビー & フォートゥー・ダグ「We Paid」

ラジオエアプレイを制したのはザ・ウィークエンド「Blinding Lights」(総合3位)で、前週から1%アップとなる7730万をマークし同指標13週目の首位となりました。一方、ダウンロード指標のトップは記事において未記載となっています。

note開始の報告、そしてNiziU人気は別角度からも知ることが出来る件

(※追記(2020年7月9日5時39分):貼付するTwitterに誤りがあったため、差替を実施しました。)

 

 

noteをはじめました。

はてなブログの毎日更新は変えず、noteは雑感や、特に素早いアップが必要だと思ったものについて記載しようと思います。

 

さて、そのnoteでも触れたのが、SpotifyデイリーチャートにおけるNiziU「Make you happy」の人気。

NiziUは『ソニーミュージック×JYPの合同オーディション・プロジェクト「Nizi Project」より、1万人から選び抜かれた9人組グローバル・ガールズグループ』(公式ホームページより)。秋のデビューを控え、プレデビューの形で6月30日にデジタルリリースされた4曲入りミニアルバム『Make you happy』が配信直後から絶好調。特に表題曲が爆発的な人気を誇り、明後日発表の7月13日付ビルボードジャパンソングスチャートでは、サブスク再生回数を基とするストリーミング指標で週間再生回数の記録更新が狙える位置にいます。

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7月4日付までの日本のSpotifyデイリーチャートの推移をみると、NiziU「Make you happy」の凄まじさが良く解ります。オーディション番組発ゆえ、見守ってきた視聴者による応援の思いが数字に表れていることもあるでしょう。また、つい先日BLACKPINK「How You Like That」がわずか32時間でYouTubeでの再生回数が1億回に達するなど、日本でも世界でもK-Popが席巻していることが数字に表れていると言えます。

BLACKPINK「How You Like That」は日本時間明日発表予定の7月11日付米ビルボードソングスチャートで初登場が見込まれています。

 

話をNiziUに戻すと、実は「Make you happy」リリース前から、NiziU関連の楽曲がチャートで注目を集めていました。

まずはTWICE「Feel Special」について。

この記事同様、自分もTWICEの新譜登場のタイミングで「Feel Special」がヒットしている件について書きました。

ただし自分のブログエントリーにおける主眼は、日本オリジナル曲よりも韓国語曲のほうが人気というもの。実際にこの曲がヒットした背景には、NiziUを輩出したプロジェクトでこの曲が使われたことにあると言えます。

Huluでは6月5日に放送された回で「Feel Special」が用いられたことで、放送日を集計期間に含む6月15日付ビルボードジャパンソングスチャートでは「Feel Special」が前週より29ランクアップし17位に再浮上。動画再生指標は10ランクアップし7位につけています。

 

また、TWICEの妹分グループであるITZY(イッジ)による「ICY」についても、プロジェクトがきっかけで再浮上しています。

ミニアルバム『IT'z ICY』のタイトル(的)トラックであるこの曲は昨年夏に34位に達していたのですが、今年6月に再浮上。Huluで6月12日に放送された回(YouTubeは7月10日にアップ予定)で「Feel Special」同様チームバトルの課題曲に使われたことがきっかけと言えます。放送日を集計期間に含む6月22日付ビルボードジャパンソングスチャートでは「ICY」は前週の100位圏外から76位、動画再生指標に至っては86位から18位に躍進しているのです。動画再生はその後も20位以内をキープしています。 

 

なるほど、これらを踏まえれば、NiziUが注目を集める理由に納得できますし、今年上半期に女子中高生の間でNizi Projectがヒットしたのも頷けます。

今年下半期、NiziUが音楽業界を席巻するかに注目。まずは「Make you happy」の動向をチェックしていきましょう。