最新7月13日付のビルボードジャパン各種チャートをビルボードジャパンスタッフが紹介するポッドキャストについて、興味深い話が。
Billboard JAPANのポッドキャストにエピソードを追加しました!
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2020年7月9日
Spotifyではこちら。#ビルボードポッドキャスト
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#36 NiziUの全楽曲がチャートの上位に -2020/7/13付チャート-https://t.co/lY5EwUSNwJ
Twitterで"#ビルボードポッドキャスト"とつけてつぶやかれた質問をスタッフが回答しているのですが、その中に【ジャニーズ事務所所属歌手がデジタル解禁したらソングスチャートにどのような影響が出ると思うか?】というものがありました。スタッフの方は未知数と前置きした上で、現在彼らの得点源のひとつであるルックアップが高いほどデジタルに好影響が及ぶのでは?などと回答しています。
パソコンにCDを取り込んだ際にインターネットデータベースにアクセスされる数を指すのがルックアップですが、この高さが好影響を及ぼすだろうことについては、昨日のビルボードジャパンソングスチャート振り返りの際に自分も記載したことです。記載後、また自分のポッドキャストをアップした後にビルボードジャパンのポッドキャストを聴いて、そのシンクロに驚きました。
3週前首位のKing & Prince「Mazy Night」も今週は36位。「Mazy Night」はシングルCDセールス8位に対しルックアップが3位と高く、レンタルCDの多さが予想されることから、所有指標に特化させるよりもサブスクや動画再生といった接触指標群を充実させたほうが勢いをキープできたのではないかと、ルックアップという接触も示した指標から感じるのです。
そして同時に思ったのは、実はこれまでのジャニーズ事務所所属歌手のシングル曲で、CDもデジタルも完璧に揃った作品は皆無ではなかったか?ということでした。
主な作品の解禁/未解禁を一覧化してみました(ブランクは現段階で動向が不明なことを示します)。ENDRECHERIも先月以降順次解禁していますが、シングルCDと同時に、もしくはダウンロードやサブスクが先行でリリースされたものに絞っています。山下智久「CHANGE」をはじめ、ジャニーズ事務所が運営するレコード会社ではなく外部からリリースされるジャニーズ事務所所属歌手のシングル曲はレコチョク等一部サービスのみながらダウンロードは解禁されているため、ダウンロードが好調なチャートアクションにつながった「CHANGE」も含めています。
サブスクのみ、もしくはCDに先駆けてサブスクが解禁されたのは「Turning Up」以降の嵐の作品群、およびTwenty★Twenty「smile」のみ。ミュージックビデオは後者未解禁、そしてCDは前者未発売となっており、つまりはCD・ダウンロード・サブスクおよびミュージックビデオフルバージョン公開の全てを満たす曲が未だ登場していないのです。
そこで気になるのが、「BRAVE」以来およそ11ヶ月ぶりにリリースされる嵐のシングルCD「カイト」。
昨年の『NHK紅白歌合戦』で披露され、その映像がNHKの公式YouTubeチャンネルで確認できるのですが、上記動画は同じくNHKアカウント発のFoorin「パプリカ」同様、ビルボードジャパンソングスチャートの動画再生指標において加算対象となる国際標準レコーディングコード(ISRC)がおそらく未付帯だと考えられます。ゆえに嵐側は、ISRCを付帯したミュージックビデオを自身の公式YouTubeチャンネルに用意する必要があるでしょう。
そしてあらためて、気になるのがミュージックビデオを含むデジタル解禁のタイミング。おそらくはデジタルをリリースするものと信じたいのですが、「カイト」がCDの販売を優先としてデジタルを遅らせるという可能性が全くないとは言い切れない気がします。この曲がデジタルをCDと同時もしくは先行解禁してはじめて、ジャニーズ事務所所属歌手史上初となるCD・ダウンロード・サブスクおよびミュージックビデオフルバージョン公開の全てを満たす曲となるわけで、その推移を見守っていきたいと思います。
先述したポッドキャストでは、ジャニーズ事務所所属歌手のデジタル解禁後の影響について、CDの売上枚数は変わらず、それでいてライト層を掘り起こせるのではとも述べられていました。アイドル等はデジタル解禁しても極度にシングルCDの売上は落ちないと思うゆえ、自分も同じ考えです。
そして今年のビルボードジャパンソングスチャートの上位曲の動向をみると、シングルCDセールスに長けた曲のほとんどが、CDセールス加算2週目にポイントを大きく落としています。トップ3入りした曲のリストを昨日のnoteにまとめています。
短期的なヒットからロングヒットに変えるには接触指標群の充実が必要だということは、嵐「Turning Up」が証明しているように思います。
嵐「カイト」は米津玄師さん提供曲という高い話題性を持ち合わせ、紅白で既に披露されていることから待望のリリースとなるわけです。4項目を全て満たし、デジタルとCD、接触と所有の両指標群でヒットすれば、「カイト」は今年を代表する曲になるでしょう。