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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

(訂正あり)【海外ビルボード】シザ「Kill Bill」が米初制覇、YOASOBIがGlobal Excl. U.S.2曲目のトップ10入り等大きな動きが続々

(追記(8時21分):Global 200におけるFIFTY FIFTY「Cupid」のランクインに関し、一部文言を訂正しました。お詫び申し上げます。)

 

 

 

現地時間の4月24日月曜に発表された、最新4月29日付米ビルボードソングチャート(集計期間:4月14~20日)。シザ「Kill Bill」がモーガン・ウォレン「Last Night」から首位の座を奪取しました。シザにとってキャリア初となる首位獲得となります。

シザ「Kill Bill」は米ビルボードが1958年8月にローンチして以降通算1,149曲目の首位獲得曲に。ストリーミングは前週比32%アップの2830万(同指標3位)、ダウンロードは同228%アップの5,000(同指標8位)、ラジオは同1%ダウンの8650万(同指標2位)を記録しています。

今回の上昇は、集計期間初日にあたる4月14日にドージャ・キャットを迎えたリミックスをリリースしたことが功を奏しました。複数のバージョンは米ビルボード(および後述するグローバルチャート)で合算対象となりますが、シザ単独によるオリジナル版がリミックスバージョンよりポイントが高かったことで、クレジットはシザ単独となります。

(なおリミックス版の投入については米ビルボードソングチャート来週発表分の予想からみえてくるチャート施策、および私見(4月17日付)にて記載しています。なお後述するアイス・スパイス & ニッキー・ミナージュ「Princess Diana」についても紹介しています。)

シザは今回、キャリア初となる首位を獲得しました。これまでの最高位はドージャ・キャットに客演参加した「Kiss Me More」の3位(2021年7月10日付)であり、以下「I Hate U」(2021年12月18日付 7位)、「All The Stars (with ケンドリック・ラマー)」(2018年3月3日付 7位)、「Good Days」(2021年2月6日付 9位)、「What Lovers Do (マルーン5への客演参加)」(2017年11月25日付 9位)、「Nobody Gets Me」(2022年12月24日付 10位)と続きます。

 

Kill Bill」は昨年12月24日付にて3位に初登場して以降、これまで通算8週2位を記録。これは首位獲得曲において歴代2位タイの長さとなります。

<米ビルボードソングチャート 首位記録曲における2位獲得週数記録>

9週 ビリー・アイリッシュ「Bad Guy」(2019年8月24日付にて首位)

8週 シザ「Kill Bill」(2023年4月29日付にて首位)

8週 ザ・ウィークエンド feat. ダフト・パンク「Starboy」(2017年1月7日付にて首位)

8週 ジャスティン・ビーバー「Sorry」(2016年1月23日付にて首位)

8週 アウトキャスト feat. スリーピー・ブラウン「The Way You Move」(2014年2月14日付にて首位)

7週 カミラ・カベロ feat. ヤング・サグ「Havana」(2018年1月27日付にて首位)

7週 LMFAO「Sexy And I Know It」(2012年1月7日付にて首位)

6週 マルーン5 feat. カーディ・B「Girls Like You」(2018年9月29日付にて首位)

6週 ジョン・レジェンド「All Of Me」(2014年5月17日付にて首位)

 

タイトルに”Kill”が含まれる首位獲得曲は今回が4曲目。以前はケリー・クラークソン「Stronger (What Doesn't Kill You)」が2012年2月18日付以降3週、デュラン・デュラン「A View To A Kill」が1985年7月13日付以降2週、ロバータ・フラック「Killing Me Softly With His Song」が1973年2月24日付以降5週、それぞれ首位を記録しています。なお「Kill Bill」はクエンティン・タランティーノ監督作品『キル・ビル』(2003)と同名のタイトルであり、映画のタイトルと同名による首位作品が『007/美しき獲物たち』(1985)の主題歌となるデュラン・デュラン「A View To A Kill」。007シリーズでは唯一のソングチャート制覇曲となります。

また「Kill Bill」はホットR&B/ヒップソングチャートで17週目、ホットR&Bソングチャートで18週目の首位に立ちました。前者においては1958年以降、女性主演曲においてメアリー・J. ブライジ「Be Without You」(2006 15週)を上回り最高記録を更新しています。

 

前週首位のモーガン・ウォレン「Last Night」は2位に後退。ストリーミングは前週比4%ダウンの3510万(同指標6週目の首位)、ラジオは同16%アップの3990万を記録し、ラジオ指標では3週目となるトップエアプレイゲイナーを獲得しています。

マイリー・サイラス「Flowers」は3位をキープ。ラジオは前週比1%ダウンの9270万を記録し、同指標10週目の首位を獲得しています。ラジオソングチャートにおいては1990年12月の開始以降、このチャートを制した曲のうち10週以上首位を獲得したのは15%のみとなります。

 

アイス・スパイス & ニッキー・ミナージュ「Princess Diana」が4位に初登場。ストリーミング2180万(同指標6位)、ダウンロード77,000(同指標首位)およびラジオ240万を記録しています。これは1月にリリースされたアイス・スパイス単独のオリジナルバージョンに、4月14日リリースのニッキー・ミナージュ共演参加版が合算されたことに伴うものです。

アイス・スパイスにとってはピンクパンサレスに参加した「Boy's A Liar Pt.2」(最新チャート10位 最高3位)に次ぐ2曲目、ニッキー・ミナージュにおいては22曲目のトップ10ヒットとなり、ニッキーにおいては女性ラッパーでの最高記録を更新しています。

「Princess Diana」はダウンロードを制覇。同指標ではアイス・スパイスにおいて初、ニッキー・ミナージュは13曲目の首位獲得となります。またストリーミングでは6位となりましたが、これはこの曲において共演およびアイス・スパイスの単独バージョンに加えてニッキー・ミナージュ参加版についてはThe Main (Billed As ”Edited”)バージョンのほか、デュエットリミックス、クリーン、エクスプリシット、エクステンデット、スピードアップおよびスロウダウンバージョン、インストゥルメンタルといった各種バージョンがリリースされ、合算されたことも影響しています。

 

エスラボン・アーマード & ペソ・プルマ「Ella Baila Sola」が前週から5ランクアップし5位に。ストリーミングは前週比31%アップの3180万を記録しています。純粋なメキシコの曲としては米ビルボードソングチャート65年近い歴史において初のトップ5入りを果たしています。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (4位) シザ「Kill Bill

2位 (1位) モーガン・ウォレン「Last Night」

3位 (3位) マイリー・サイラス「Flowers」

4位 (初登場) アイス・スパイス & ニッキー・ミナージュ「Princess Diana」

5位 (10位) エスラボン・アーマード & ペソ・プルマ「Ella Baila Sola

6位 (5位) メトロ・ブーミン、ザ・ウィークエンド & 21サヴェージ「Creepin'」

7位 (6位) レマ & セレーナ・ゴメス「Calm Down」

8位 (7位) ザ・ウィークエンド & アリアナ・グランデ「Die For You」

9位 (2位) ドレイク「Search & Rescue」

10位 (8位) ピンクパンサレス & アイス・スパイス「Boy's A Liar Pt.2」

 

 

ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート、4月29日付ではGlobal 200においてエスラボン・アーマード & ペソ・プルマ「Ella Baila Sola」が初の首位に到達、またGlobal 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.ではマイリー・サイラス「Flowers」が通算13週目となる首位を獲得しました。

エスラボン・アーマード & ペソ・プルマ「Ella Baila Sola」はGlobal 200において前週から2ランクアップし初制覇。ストリーミングは前週比27%アップの9520万、ダウンロードは同74%アップの3,000を記録しています。なおGlobal Excl. U.S.では5→2位に、こちらも上昇を果たしました。

エスラボン・アーマード、ペソ・プルマの両者にとってGlobal 200初制覇となるのみならず、純粋なメキシコの曲としても初の頂点に。また全てスペイン語による曲としてはバッド・バニー & ジェイ・コルテス「Dákiti」(2020 3週)、ビザラップ & ケベード「Bzrp Music Sessions, Vol. 52」(2022 4週)およびカロルG & シャキーラ「TQG」(2023年3月 1週)に続く4曲目の首位獲得作品となります。

 

シザ「Kill Bill」はGlobal 200にて7→4位に上昇。これはドージャ・キャットを迎えたリミックス効果に伴うものです。

 

グルーポ・フロンテラ & バッド・バニー「Un x100to」がGlobal 200で5位、Global Excl. U.S.では4位に初登場。Global 200ではストリーミング6740万、ダウンロード4,000を、Global Excl. U.S.ではストリーミング4760万、ダウンロード1,000を、それぞれ記録しています。純粋なメキシコ人歌手である6人組のグルーポ・フロンテラ(出身はテキサス)にとっては双方のチャートにおいて初のトップ10ヒットとなり、バッド・バニーにおいては共に13曲目となります。

K-POPアクト、FIFTY FIFTYによる「Cupid」がGlobal 200において13→9位に上昇し、キャリア初のトップ10入り。ストリーミングは前週比13%アップの5520万、ダウンロードは同23%アップの2,000を記録しています。このチャートにおけるK-POPグループのトップ10入りはBTS(10曲)、BLACKPINK(4曲)、NewJeans(2曲)、BIGBANG(1曲)に続く5組目となります。

 

(※追記(8時21分):当初FIFTY FIFTY「Cupid」のトップ10入りについて、当初K-POPアクトでは5組目と記載しましたが、正しくはK-POPグループにおいて5組目でした。訂正しお詫び申し上げます。)

 

Global Excl. U.S.では前週に続きマイリー・サイラス「Flowers」が首位をキープし、同チャート通算13週目の頂点に。ストリーミングは前週比5%ダウンの5530万、ダウンロードは同11%ダウンの9,000を記録しています。同チャートにおいて、ハリー・スタイルズ「As It Was」が昨年記録した首位獲得記録に並びました。なお2曲ともコロンビアレコード発の作品となります。なお「Flowers」はGlobal 200で2位に後退しています。

 

Global 200を制したペソ・プルマは、先述したエスラボン・アーマードとの「Ella Baila Sola」がGlobal Excl. U.S.で5→2位、そしてヤング・ルキャスとの「La Bebe」が2→3位となり、トップ5に引き続き2曲を送り込んでいます。共にストリーミングが強く、「Ella Baila Sola」はストリーミングが前週比26%アップの6520万、「La Bebe」は同17%アップの6360万を、それぞれ記録しています。

 

YOASOBI「アイドル」がGlobal Excl. U.S.で135→5位に躍進。ストリーミング3620万、ダウンロード26,000を記録しています。これはグローバルチャートが金曜を集計開始とし、今回初の1週間フル加算となったことが影響しています。このチャートにおけるトップ10入りは「夜に駆ける」が2021年に6位を記録して以来2曲目(なお「夜に駆ける」はこのチャートで87週ランクイン)。米ビルボードの記事では最新4月19日公開分のビルボードジャパンソングチャートを制したことも紹介されています。