YOASOBI「アイドル」が日本のSpotifyデイリーチャートで最高再生回数を更新しました。
日本における4月22日付Spotifyデイリーチャートでは #YOASOBI「#アイドル」が591,391回再生を記録。
— Kei (ブログ【イマオト】/ラジオ/ポッドキャスター) (@Kei_radio) 2023年4月23日
あささん(@musicnever_die)のツイートにもあるようにこれまでのデイリー再生回数記録は #Official髭男dism「#Subtitle」が保有。今回@YOASOBI_staffが新記録を樹立しました。https://t.co/vSeFtmpm1d
日本時間の本日発表予定である4月23日付デイリーチャートでは史上初となる60万回突破の可能性も高い「アイドル」。ビルボードジャパンソングチャートでも首位を続けるものと思われますが(最新チャートは上記リンク先参照)、米ビルボードによるグローバルチャート(Global 200、およびGlobal 200から米の分を除くGlobal Excl. U.S.)を毎週紹介する身としてはこのチャートでの動向も気になります。
米ビルボードによるグローバルチャートについては下記エントリーで解説しています。今回は4月29日付グローバルチャート(集計期間:4月14~20日)以降における「アイドル」ランクインの可能性を考えます。
YOASOBI「アイドル」については音楽専業のデジタルプロモーションカンパニー、arne代表の松島功さんがYouTubeランキングの動向について感嘆のツイートを発信しています。YouTubeはストリーミング指標の一要素であり、動画ランキングはこちらで確認できます(国や地域、および集計期間を変更して表示可能)。
凄い...
— Ko Matsushima / 松島 功 (@komatsushima) 2023年4月23日
(日本のではなく世界のです...) pic.twitter.com/4R1WkHMlPh
ダウンロードについては日本の獲得分だけでも十分にグローバルで戦える状況です。4月29日付米ビルボードグローバルチャートとは集計期間が1日ずれますが4月13~19日のビルボードジャパン集計分によるダウンロード数は31,128DLとなっており(ビルボードジャパンのダウンロード関連記事から計算可能)、最新4月22日付Global 200を制したマイリー・サイラス「Flowers」のダウンロード数を上回ります(下記参照)。
グローバルチャートの集計対象となるデジタルプラットフォームは明かされておらず(たとえばこれまでのデータを踏まえるにLINE MUSICがストリーミング指標に含まれないと捉えています)、ゆえにダウンロードにおいてもこの数がこのまま反映されるわけではないでしょう。とはいえJ-POPはダウンロード数が他の国や地域より高い傾向にあるゆえ、特に4月29日付グローバルチャートの勢いにつながるものと考えます。
そしてストリーミング指標を構成するサブスクの動向をみると、4月29日付米ビルボード各種チャート(グローバルチャートを含む)と集計期間を同一とする4月14~20日付のSpotifyグローバルソングチャートではYOASOBI「アイドル」が157位に初登場し、8,283,268回再生を記録。集計期間を同一とする日本のチャートでは1位および3,068,289回となっており、日本の割合は37%しかありません。
今回の #YOASOBIアイドル の国内での爆発的ヒットにも関わらず、ちゃんと海外の視聴回数がついてきて、結果的に国内:海外の比率が5:5で崩れていないのがすごいですね。 pic.twitter.com/0QjYZQfd3f
— 徒然研究室(仮称)✍🏻 (@tsurezure_lab) 2023年4月23日
データの分かりやすい視覚化に長けた徒然研究室さんのツイートでは、YOASOBIの「アイドル」を含む動画の視聴傾向について日本と同じくらい海外全体で聴かれていることを指摘されていますが、「アイドル」においてはその比率は(少なくともSpotifyでは)海外が多いことが見て取れます。
これらの動向を踏まえるに、YOASOBI「アイドル」はグローバルチャートで上位に初登場する可能性が高いと考えます。仮にトップ10入りに至ったならばJ-POPでは7曲目、加えてJ-POP歌手として初めて複数曲を送り込む形となります。またランクイン曲の大半はGlobal Excl. U.S.でトップ10入りしながらもGlobal 200での上位進出が難しい状況ですが、海外での接触度の高さを踏まえれば好位置到達が期待できるかもしれません。
そして本日はTikTokにてYOASOBIがライブを開催。徒然研究室さんは現段階でTikTokの動向は穏やかだと発信されていますが、ライブを介してTikTokでも人気を博せば、TikTokのバズを経由した人気も確立しさらなるロングヒットが期待できるでしょう。
いよいよ明日24日(月)20時からはTikTok LIVE!2年前の2月、初めての配信ライブをお届けした新宿・歌舞伎町からのパフォーマンスをTikTokで生配信!もちろん無料💎
— YOASOBI (@YOASOBI_staff) 2023年4月23日
フォローがまだの方、忘れないうちにぜひ👇お馴染みの曲、噂のあの曲、YOASOBIの今をギュッと詰め込んでお送りします。お楽しみに! pic.twitter.com/E0V5bnJ5xN
YouTubeデータからは #YOASOBI さんの世界同期的な視聴回数のスパイクが観察できます。一方TikTokでのハッシュタグ視聴回数の上昇は海外は穏やかです。
— 徒然研究室(仮称)✍🏻 (@tsurezure_lab) 2023年4月23日
TikTokでバズが起きて波状的に海外に波及するというより、アニメーション作品 #推しの子 を介したダイレクトパスが存在しているかのようです。 https://t.co/EfM28xcgl0 pic.twitter.com/fcAqQoNAQp
米ビルボードによるグローバルチャートにおいて、J-POPには主に4つのヒットの軌道があると捉えています。
<米ビルボードによるグローバルチャートでのJ-POPにおけるヒットの軌道>
① 高いダウンロードを武器に初週好位置に登場 (Travis Japan「JUST DANCE!」等)
② アニメソングのヒット
(LiSA「炎」、Ado「新時代 (ウタ from ONE PIECE FILM RED)」、米津玄師「KICK BACK」等)
③ 日本のストリーミング人気に基づく最新曲のヒット
(YOASOBI「夜に駆ける」、Official髭男dism「Subtitle」等)
④ 新旧問わず、世界的な人気爆発に伴うヒット (藤井風「死ぬのがいいわ」等)
無論ここで例示した曲は他の条件にも当てはまりますが、YOASOBI「アイドル」においては4条件すべてを兼ね備える可能性が生じています。今年最強候補のJ-POPが世界にも轟く瞬間に、私たちは立ち会うことができるかもしれません。