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【海外ビルボード】モーガン・ウォレン「Last Night」が米で首位返り咲き、BLACKPINKのJISOOソロ曲はグローバルで2位

現地時間の4月10日月曜に発表された、最新4月15日付米ビルボードソングチャート(集計期間:3月31日~4月6日)。モーガン・ウォレン「Last Night」が4週ぶり、通算2週目の首位を獲得しました。

(上記はリリックビデオ。)

モーガン・ウォレン「Last Night」は前週の3位から首位に浮上。ストリーミングは前週比2%ダウンの3510万(同指標5週目の首位)、ダウンロードは同1%アップの10,000(同指標3位)、ラジオは同25%アップの2970万(同指標21位)を記録し、ラジオではトップエアプレイゲイナーを獲得しています。そのラジオにおいてはカントリーエアプレイチャートで17位、ポップエアプレイで21位、アダルトポップエアプレイで23位に入り、ジャンルを超えたヒットと成りつつあります。

「Last Night」は、米ビルボードソングチャートと同様の計算方法を採るホットカントリーソングチャートで9週目の首位を獲得。双方のソングチャートを制したのは「Last Night」が20曲目となり、男性歌手による伴奏なし(記事では”unaccompanied”と表記)の作品としては、エディ・ラビット「I Love A Rainy Night」がホットカントリーソングチャートで1981年1月に1週、同年2月から3月にかけてソングチャートで2週首位を獲得して以来、およそ42年ぶりとなります。

さらに「Last Night」は米ビルボードの総合ソングチャートで2週、ホットカントリーソングチャートで9週首位に。双方のチャートにおいて複数週首位を獲得したのはテイラー・スウィフト「We Are Never Ever Getting Back Together」以来(2012 総合で3週、カントリーで10週首位)。さらに男性歌手による伴奏なし作品としてはグレン・キャンベル「Rhinestone Cowboy」以来となります(1975 総合2週、カントリー3週)。男性ソロ歌手による双方のチャート制覇はチャーリー・リッチ「The Most Beautiful Girl」(1973)、ボビー・ゴールズボロ「Honey」(1968)、ジミー・ディーン「Big Bad John」(1961)、マーティ・ロビンス「El Paso」(1959-1960)およびジョニー・ホートン「The Battle Of New Orleans」(1959)も達成しています。

 

シザ「Kill Bill」が2ランクアップし通算8週目の2位に。ダウンロードは前週比158%アップの6,000となり、トップセールスゲイナーを獲得しています。これはiTunes Storeでの69セント(0.69ドル)安価販売が影響したもので、ダウンロード指標では25→8位に上昇。シザにとって同指標5曲目となるトップ10入りを果たしました。

Kill Bill」はホットR&B/ヒップホップソングチャートおよびホットR&Bソングチャートの双方で16週目の首位となり、前者のチャートにおいてはメアリー・J. ブライジが2006年に記録した「Be Without You」での15週首位を上回り、女性主演曲として1958年に米ビルボードがジャンル別の総合チャートとなって以降、最長首位記録を達成しました。

 

マイリー・サイラス「Flowers」は1ランクダウンし3位。ラジオ指標において前週比4%ダウンの1億220万を記録し、同指標8週目の首位に。またテイラー・スウィフトAnti-Hero」は1ランクアップの8位に。トップ10在籍は23週となり、自身最長記録(「Shake It Off」(2014-2015))まであと1週と迫っています。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (3位) モーガン・ウォレン「Last Night」

2位 (4位) シザ「Kill Bill

3位 (2位) マイリー・サイラス「Flowers」

4位 (5位) メトロ・ブーミン、ザ・ウィークエンド & 21サヴェージ「Creepin'」

5位 (6位) ザ・ウィークエンド & アリアナ・グランデ「Die For You」

6位 (7位) ピンクパンサレス & アイス・スパイス「Boy's A Liar Pt.2」

7位 (8位) レマ & セレーナ・ゴメス「Calm Down」

8位 (9位) テイラー・スウィフトAnti-Hero

9位 (10位) コイ・リレイ「Players」

10位 (13位) ベイリー・ジマーマン「Rock And A Hard Place」

 

(記事にはありませんが、前週初登場で首位を獲得したJIMIN「Like Crazy」はトップ10圏外となっています(前週の記事翻訳等はこちら)。チャートポリシーが変更された可能性があるという外部からの発信もみられることから、チャート動向やチャートポリシー変更の有無については判明次第ブログにてお伝えする予定です。)

 

 

ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート、4月15日付ではGlobal 200、Global Excl. U.S.共にマイリー・サイラス「Flowers」が通算11週目となる首位を獲得しました。

マイリー・サイラス「Flowers」のGlobal 200、およびGlobal 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.における構成指標の数値は記事未掲載となっていますが、Global 200ではザ・キッド・ラロイ & ジャスティン・ビーバー「Stay」(2021 11週)と並び、ハリー・スタイルズ「As It Was」(2022 15週)、マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」(2020-2023 13週)に続く歴代3位の首位獲得週数に。またGlobal Excl. U.S.ではハリー・スタイルズ「As It Was」(2022 13週)の持つ最長首位獲得記録まであと2週と迫っています。

 

BLACKPINKのJISOOによるソロ曲「Flower」が双方のチャートにて2位に初登場。Global 200ではストリーミングが1億870万、ダウンロードが21,000を、Global Excl. U.S.ではストリーミング1億330万、ダウンロードが16,000を、それぞれ記録しています。

BLACKPINKのソロ曲としてはGlobal 200においてROSÉ「On The Ground」(2021年3月27日付 1週1位)、LISA「Lalisa」(2021年9月25日付 2位)に続く3曲目、Global Excl. U.S.ではROSÉ「On The Ground」(2021年3月27日付 1週1位)、LISA「Lalisa」(2021年9月25日付 2位)、LISA「Money」(2021年10月23日付 7位)に続く4曲目のトップ10入りを記録。なおメンバーで最も早くソロデビューしたJENNIEは2018年12月、「Solo」が米ビルボードによるワールドデジタルソングセールスチャートにてトップに立っています。この時はグローバルチャートは立ち上がっていませんでした。)

BLACKPINKとしてはGlobal 200、Global Excl. U.S.共に4曲のトップ10ヒットを輩出しています。うち「Pink Venom」は昨年9月に前者で2週、後者で3週首位を記録し、「Shut Down」は昨年10月に双方で1週首位に。また「Lovesick Girls」は2020年10月に1週、Global Excl. U.S.で首位を獲得しています。

JISOO「Flower」はGlobal 200にて、(ソロも含む)デビュー曲においてLISA「Lalisa」(2021年9月25日付 1億5260万)、オリヴィア・ロドリゴ「Drivers License」(2021年1月23日付 1億3010万)に続く歴代3位のストリーミング再生回数を記録しています。

 

エスラボン・アーマード & ペソ・プルマ「Ella Baila Sola」がGlobal 200で11→9位、Global Excl. U.S.で12→8位に浮上し、双方で同曲初のトップ10入り。Global 200ではストリーミングが前週比23%アップの6390万、ダウンロードが同24%アップの1,000を、Global Excl. U.S.ではストリーミングが前週比24%アップの4630万を記録しています(Global Excl. U.S.のダウンロード指標は記事未掲載)。カリフォルニア出身のエスラボン・アーマードにとっては双方のチャートで初のトップ10入り、またメキシコ出身のペソ・プルマは双方においてヤング・ルキャスとの「La Bebe」が前週トップ10入りしたのに続く2曲目のトップ10ヒットとなっています。なお「La Bebe」は当週Global 200で7位をキープ、またGlobal Excl. U.S.では1ランクダウンし7位につけています。