イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

FIFTY FIFTY「Cupid」、グローバルと韓国でのチャートアクションの差を考える

このブログでは以前、世界の音楽チャートにおけるFIFTY FIFTY「Cupid」の上昇について取り上げました。今回のエントリーはその続報的内容となります。

「Cupid」は後に、米ビルボードソングチャートで100→94位、グローバルチャートのうちGlobal 200では65→39位へ上昇しています。いずれも4月8日付であり、日本時間で明日公開予定の4月15日付ではさらなる上昇が予想されます。

Spotifyのグローバルデイリーチャートでは最新4月8日付において、「Cupid」の英語版(Twin Ver.)が最高位を更新。トップ10目前となる11位へ上昇しています。

kworbでFIFTY FIFTYのチャート動向をみると(→こちら。ただし英語版は3月31日までは”Twin Version"、4月1日以降は”Twin Ver.”で表示)、東南アジア各国での順位が高いこと、また米では順位こそ東南アジアを下回るものの直近のデイリー再生回数がTwin Ver.だけで60万回を突破していることが解ります。米ビルボードソングチャートにおける強さが、このSpotifyの動向から見えてきます。

(なおSpotifyではオリジナルバージョンと英語版は分かれて表示されますが、米ビルボードソングチャートや米ビルボードによるグローバルチャートでは複数のバージョンが合算されます。)

 

一方で、FIFTY FIFTYの出身である韓国でのチャートアクションは対象的と言えるかもしれません。

韓国に複数の音楽チャートが存在することについては、たとえば音源成績 / 音源チャートって何?【KPOP】|Kpop Charts JAPAN|note(2021年11月7日付)が参考になります(勝手ながら紹介しました。問題があれば削除いたします)。その中でも特に重視されるMelOnにて、直近のチャートでFIFTY FIFTY「Cupid」が初登場という状況です。

これはYouTubeにおいても似ていると言えそうです。4月6日までの1週間を集計期間とする韓国の楽曲ランキング(→こちら)ではFIFTY FIFTY「Cupid」が68→33位に急上昇していますが、ランクイン週数が2週目であることに注目。2月にはオリジナルバージョン、英語版共に公開されていたため(後者はリリックビデオ)、先述のチャートも踏まえればFIFTY FIFTY「Cupid」は韓国での人気が遅れて高まってきていると言えるでしょう。

データの取りまとめと視覚化に長けた徒然研究室さんは本日のツイートにおいて、韓国のYouTubeにおける楽曲ランキングの推移を『入れ替わり率が徐々に低下』と紹介しています。この点については、下記記事からみえてくるものがあるのではと感じています。

所属事務所によると彼女たちは、今回のチャートインでWonder Girls、BTS防弾少年団)、BLACKPINK、TWICE、NewJeansに続き「HOT100」にチャートインした6番目のK-POPグループとなった。特に彼女たちは、大手事務所ではなく、中小規模の事務所所属としては、初めて「HOT100」にチャートインし、高く評価されている。

Kstyleでは上記記事のほか、FIFTY FIFTYを取り上げた別の記事(中小事務所のグループが異例の活躍!期待のチーム3組に注目(4月2日付))でも”中小事務所”という表現が用いられています。元記事は異なる韓国メディア発であり(前者はmydaily、後者はOSEN)、ここから大手芸能事務所が強いこと、その中にあって中小事務所に所属する歌手がヒットを獲得することは至難の業であることが想像できます。

ゆえにその韓国でのFIFTY FIFTY「Cupid」の上昇は、グローバル人気が逆輸入の形で広まり、国内で徐々に浸透してきていることの証明ではないかと感じています。

 

なお日本では、FIFTY FIFTY「Cupid」のTwin Ver.が最新4月8日付Spotifyデイリーチャートで169位に初登場。Spotifyも含めた日本における音楽チャートでの今後の動きにも注目しましょう。