イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

台風情報へシフトした編成を機に、ラジオ聴取率調査の見直しを希望する

今月発生した台風19号被害に関連して、上陸および通過した前後でのテレビ局の報道姿勢についてまとめた、境治さんのYahoo!記事は必読です。NHKおよび民放テレビ局でどれだけの時間を台風情報に割いたのかがわかりやすく可視化されています。

NHKの報道が優れていたのは10月12日土曜の編成でよく解ります。私見を付け加えるならば、この日の放送は同時多発的に発生した台風被害を伝え続けるためか、原稿に格好つけ感(体言止め等)や演出過剰がなかったことも、NHKがより信頼出来るメディアだと考える理由となっています。

 

さて、この日はラジオも一部編成を変更して対応していました。通常番組でも台風情報を随時お伝えしたほか。

たとえばTBSラジオでは『荻上チキ Session-22』(月-金曜 22時)を担当する荻上チキさんを土曜夜(上記時間および23-24時)に迎えて台風情報を流したほか、日曜も朝枠に特別番組を設定。またニッポン放送では。

土曜夜の生放送を休止するという措置を採りました。特に『オードリーのオールナイトニッポン』(土曜 25時)については高い聴取率を誇る番組であり休止を残念に思うファンも多かったでしょうが、ラジオが災害時の情報源になるという役割を果たすことを優先したわけです。

 

実は台風が日本を直撃した12日と13日は、首都圏ラジオ局の聴取率調査週間の最後の2日間とみられます。

TOKYO FM聴取率調査週間の日曜19時台に必ず『村上RADIO』を流します。

今回は以前の回の再放送を含み2時間連続でOAしていたため、この週が聴取率調査週間と言っていいと思います。

 

今回の聴取率調査においては台風情報を優先することで、結果に少なからず影響が及ぶかもしれません。特に、聴取率の結果判明の度にその好調っぷりが報じられる『オードリーのオールナイトニッポン』(土曜25時)をカットしたニッポン放送には痛手だったかもしれませんが、おそらく他局も同様の台風対策編成を組んだであろうことから数字の増減はあれど、局のランキングはさほど変わらない気がします。

 

しかし今回を機に、そろそろ本気で聴取率調査方法を精査してはどうかと思うに至った自分がいます。

たとえば近年、TBSラジオJ-WAVE聴取率調査週間向けのスペシャルウィーク、すなわち豊富なプレゼントの放出や豪華ゲストの登場を取りやめたこともそう思い至った理由ですが、聴取率調査が日記式というアナログ方式のために結果判明が翌月まで判明しないというのもその理由(日記式調査についてはラジオ個人聴取率調査 - ビデオリサーチをご確認ください)。他方、デジタルのradikoにおけるアクセス数やシェアについては翌日すぐに判明することから、その差はあまりに大きいと言えるでしょう。下記記事の掲載時間は今週月曜11時11分であり、試合から24時間も経っていないのです。

ラジオは電波(アナログ)で聴く方が多いため聴取率調査に時間がかかるのはやむを得ないかもしれず、また電波での聴取者とradiko利用者では聴取者層に特徴や隔たりがあるかもしれませんが、それを考慮したとしても現行の聴取率調査の結果判明は遅いと言わざるを得ません。radikoはタイムラグが発生するため災害発生の瞬間(特に緊急地震速報発令時)には不向きかもしれませんが、スマートフォンの普及によりラジオを聴くならradikoでという人は確実にいらっしゃるはずです。仮にビデオリサーチ社が現行の聴取率調査を続けるのならば結果公表までの時間短縮に努めること(調査方法の見直し等)を望みますし、また調査会社は異なれどradikoの数字も聴取率と同様に重要な位置付けにすべきです。また、公表しなくなったことで人々のラジオへの意識が下がりつつあると肌で感じる身としては、radikoのアクセス数やシェア、ならびに現行の聴取率調査結果はある程度発表したほうが良いと考えます。

 

今回の聴取率調査週間では、NHKラジオ第一が台風情報の関連で少なからず上昇するかもしれません。民放局はイレギュラーな事案だからと意に介さないかもしれませんが、台風が来たからという記憶は薄れども数字ははっきり残るわけでそれが言い訳にしかなりません。仮にその言い訳にこだわるのならば、2ヶ月に1度とは言わずに常日頃から聴取率を調査すればいかがでしょう。そうすればスペシャルウィークという手段を採る必要はなく、普段のタイミングで豪華にすればいいのです。またその週にこだわる必要がないためラジオ関係者は普段から高い意識を持つことも可能。ひとつの指標のみにこだわる姿勢はそろそろ止めたほうが良いと思うのです。