イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

青森県を中心とした大雨被害について、メディアや行政の動きを考える

普段の音楽チャート分析等とは異なる内容ですが、無事であるからこそ音楽チャート等について書けるわけで。今回は青森県を中心に発生した大雨について、メディアや行政に対し感じたことをまとめます。

 

8月9日以降の大雨被害は、青森県に大きな爪痕を残しました。この雨は来週中頃まで続く模様であり、週末には台風も上陸もしくは接近するのではと言われています。

自分の住む地域は今のところ被害を受けていません。前の週も豪雨があり、その際は川の水が溢れる寸前となったのですが、昨年後半からの治水や護岸工事で川岸の樹木を伐採したことにより流木の堆積が避けられ、堰き止められた水の氾濫に至らずに済んだとのことです。

しかしながら青森県全体では甚大な被害が発生しています。被害に遭われた皆さんに心からお見舞い申し上げると共に、少しでも早く普段の生活に戻ることができるよう願うばかりです。

 

 

ここからは、メディアに対して感じたことを。

9日火曜午後、津軽地方の川が氾濫する少し前から、メディアでその状況を追いかけました。特に役立ったのは地元弘前市コミュニティFMのよるサイマルラジオ(ネットラジオ)でした。下記リンク先のバナーをクリック(タップ)すると同局を聴取することができます。

地元コミュニティFM局は東日本大震災発生直後、巨大な発電機を用いて48時間以上生放送し続けた経験があり、災害時の対応に信頼を寄せています。今回は午後の番組内容を変更し、川沿いからの中継を含めて丁寧な対応を行っていました。自分の住む地域は県境に近い且つ山沿いで電波が届きにくいためラジオをネットで聴くことが多く、そして後述する理由においても同局への信頼度はより高まりました。

ひとつ気になったのは、生ワイド番組に内包された事前収録のミニ番組がそのまま流れたこと。緊迫した情報を伝えた直後に流れた防災メモ番組で、"青森県は災害が少ない"という前置きから始まった時は驚きました。以前県域局東日本大震災発生の十数分後にスポンサーのある録音番組をそのまま流した経緯がありますが、スポンサー側も緊急時には生放送優先の姿勢のはず。今回も録音番組の扱いが引っ掛かった次第です。

 

他方、NHKには愕然としてしまったというのが率直な感想です。同局のラジオ放送は現在radikoでも聴取可能であり、また実際はNHKラジオ第一で大雨に関する情報を流したのかもしれませんが、ネット経由ではらじる★らじるも含めて聴取可能放送局が東北では仙台放送局のみであり、チェックのたびに高校野球中継が流れていたのは残念です。無論野球中継のニーズがあることは解るのですが。

これは地上波にも言えることで、何度か青森放送局からのニュースが長尺で差し込まれていたのを確認しながらも、やはりメインは高校野球中継でした。さらに昨日は祝日で、18時台のローカルニュースは全国の放送局で中止となるのですが、青森も同様に『あっぷるワイド』が流れなかったのは、祝日の慣例と解っていても悲しいものがあります。

【総合テレビ第一・第二の2チャンネル化】を推奨したいのです。特に今の政府の意向を必要以上に汲まないといけないであろう状況を踏まえれば国会中継は総合テレビ第一に配置し、ただしそうしたからには必ず会期中は何かしらの中継を行うこと。生中継でなくとも空いた時間にその他の国会審議を流し、また他に空く時間(深夜等)は民放各局が行うようなストレートニュースを流すというのは如何でしょう。必ずしも24時間放送する必要はなく、あくまで政治に特化した放送とするのです。

突飛な発想と言われるのは承知で、また当時は今以上にきつい表現があったのですがそれでも、5年前のブログエントリーを再掲した次第。今回については高校野球をサブチャンネル化し、もう一方で青森放送局からの情報を流せばよかったのではと思うのですが、いっそのこと総合テレビを複数チャンネル化し、ひとつをニュースや国会中継専用にするのはどうかと、あらためて感じています。

 

その行政についても疑問はつきまといます。

知事がいなくとも災害対策本部を立ち上げる等は可能でしょうが、たとえば避難を迷っている方に避難するよう、上の者が毅然とした態度を示すことで誘導することができます。県産品訴求には長けている県知事ですが、災害には弱いというより被害を重視していないのではという印象はやはり拭えません。

(また個人的には、弘前保健所管内で新型コロナウイルス新規感染者が初めて急増した際に知事がきちんと対応しなかったと考えており、不信感は拭えません。仮にですが、知事が南部出身ゆえ津軽に厳しいのだとしたら、県全体を守る知事としてはどうかと思います。)

また青森県の新聞社である東奥日報をはじめ、メディアは三村知事の不在の理由を県側に問いただしたでしょうか。大雨被害の翌日になって初めて知事の動向が判るという状況は、メディアの追及姿勢にも違和感を抱かざるを得ません。

三村知事は先週の豪雨の後、香港出張の前にリンゴ畑を視察してはいますが、今回についてはたとえば出張先から動画メッセージを送ることもできたのではないかと思います。また災害対応の陣頭指揮を取っていたならば迅速な激甚災害指定要求も行えたことでしょう。そして政府について、被害に遭われた方に対するお見舞いの言葉はあったのでしょうか。内閣改造は災害より優先されるべきことだったのでしょうか。

なお、新型コロナウイルス新規感染者数も拡大の一途を続け、10日水曜には過去最多を、それも東北6県全体が更新しています。そして青森県では津軽地方の複数の保健所管内でも最多を更新しました。

祭りを開催しなければよかったとは言いませんし、祭りがすべての原因と断定してはいけませんが、しかしながら東北6県やねぶた等開催地区の最多更新は祭りに主な原因があると捉えられてもおかしくないでしょう。開催判断等をきちんと省みないならば行政(の長)としてどうかと思いますし、省みる気概がないところに災害対応を任せることはできないでしょう。

 

 

被害に遭われた皆さんにあらためてお見舞い申し上げると共に、被害をきちんと伝えてくださった(そして今後も伝えてくださる)メディアには心から感謝申し上げます。その一方で対応が不十分なメディアもみられます。特にNHKは公共放送である以上、その"公共"としての役割を果たしてほしいと願います。また行政はきちんと地に足をつけて対応し、省みる気概を持つべきです。少なくとも心を配ってほしいと願います。

そして私たち市民は、危険発生時のみならずそれを未然に察知した際にも、きちんと提言や陳情を行うべきと考えます。自分の住む地域は護岸工事があったからこそ洪水被害を免れています。これは最悪の事態を想定し、未然に防ぐべく動いた方の助言があったからこそではないでしょうか。ハザードマップを見直させることも含めて市民も動いたほうが、安心できる未来につながるはずです。