MISIAさんによるNHK福岡放送局開局90年テーマソング「好いとっと」のミュージックビデオが先週公開されました。
「福岡から元気を」をコンセプトに、福岡で育ったMISIAが書き下ろした新曲「好いとっと」のミュージックビデオがMISIAオフィシャルYoutubeチャネルで公開されました。
— Misia.jp (@MISIA) 2020年8月7日
▼「好いとっと」ミュージックビデオ:https://t.co/ig8jEH0gXh
▼「好いとっと」特設サイト:https://t.co/GxZmnWQVrA pic.twitter.com/hACapL4kbR
方言によるラブソングといえばDREAMS COME TRUE「大阪LOVER」を思い出します。そういえば両者はサルソウル的な「I miss you 〜時を越えて〜」でも共演していましたね。
昨日放送の『ライブ・エール』(NHK総合)でも圧巻のパフォーマンスを披露したMISIAさん。上記ミュージックビデオはリリックビデオ的要素もあり、また「アイノカタチ (feat.HIDE(GReeeeN))」を提供したGReeeeNによる作曲(今回の作詞はMISIAさん本人)、亀田誠治さんがアレンジを担当したことでよりキャッチーな作品となっています。
さて、個人的には「好いとっと」のミュージックビデオがMISIAさんの公式YouTubeチャンネルでアップされたことに安堵しています。
昨日の #ライブ・エール 18時台で披露されたNHK福岡放送局開局90年記念ソング、#MISIA「#好いとっと」のダンスミュージックビデオはNHKのホームページに掲載されているんですよね
— Kei (@Kei_radio) 2020年8月8日
【みんなが出るテレビ】「好いとっと」ダンスMV動画2 https://t.co/jmGvOWr93F
一方でダンスミュージックビデオはYouTube未掲載ですが、仮に載ったとしてもNHKのYouTubeアカウント発だった可能性が高かったでしょう。もしミュージックビデオもNHK発だったならば、チャート上で損をする可能性が高かったと言えるのです。
その前例として、Foorin「パプリカ」が挙げられます。
ISRC(国際標準レコーディングコード)を付番する動画がビルボードジャパンソングスチャートにおける動画再生指標の加算対象となるのですが(詳細はこちらをご参照ください)、Foorin「パプリカ」は同指標がほとんど加算されていないため、おそらくISRCが未付番であると推測されます。ごく一時的に加算されていたのはUGC(ユーザー生成コンテンツ)によるものと思われ、上記ダンスミュージックビデオが昨夏に1億回、今月6日に2億回再生を突破したのとは対照的に動画再生指標の少なさが目立つのです。世界観やFoorin楽団等、各ビデオの総再生回数が2億5千万を超えるため尚の事。以下のチャート構成比(ビルボードジャパンのCHART insight)では上が総合チャートおよびチャート構成8指標の動向を、下が総合チャートと動画再生指標のみを抽出したものですが、動画再生指標の少なさが如実に解ります。
他方、米津玄師さんによるセルフカバーバージョンのミュージックビデオは1年前の今日公開。こちらはNHKの公式YouTubeアカウントからも短尺版がアップされていますが、米津玄師さんのYouTubeアカウントでも発信。ビルボードジャパンソングスチャートにおいて動画再生指標がきちんと加算されています。このセルフカバー版が公開からおよそ10ヶ月で1億回再生を突破していることを踏まえれば、この1年間で1億回再生に至ったFoorin「パプリカ」がISRCを付帯していれば米津さんのセルフカバー版に近い形で動画再生指標を加算できたと考えるのが自然でしょう。
Foorin「パプリカ」同様、米津玄師さん関連曲で動画再生指標が加算されていないのが、米津さんが曲提供した嵐「カイト」。デジタル未解禁ながら、昨年の『NHK紅白歌合戦』でのパフォーマンス動画は年明けにNHKの公式YouTubeチャンネルで公開されましたが、最新のビルボードジャパンソングスチャートで首位を獲得した同曲のチャート構成比をみると、動画再生指標は一度として加算されていません。
「パプリカ」のFoorinバージョンと米津玄師さんのセルフカバー版、嵐の「カイト」…これらを踏まえれば、NHKの公式YouTubeチャンネルでアップされた曲にISRC(国際標準レコーディングコード)が付番されていないだろうことが確定したと言っていいでしょう。以前からその可能性を指摘していながら問題が放置されているとなると、NHK側がISRCに対する知識や意識を強く持ち合わせていないのではないかと捉えてしまいます。多くの方に支持される動画がチャートアクションに影響しないのは至極勿体ないことであり、その楽曲における損失とすら言えるでしょう。ISRCは後からでも付番可能ですので、メディア関係者の意識付けの徹底を強く求めますし、このような状況がなくならないゆえにMISIA「好いとっと」のミュージックビデオがMISIAさんの公式YouTubeチャンネルに載ったことは一安心、なのです。