昨年の『NHK紅白歌合戦』については後日きちんと触れるとして、個人的な白眉のひとつは椎名林檎さんによる「青春の瞬き」でした。周囲では東京事変再結成!という喜びの声や、SMAPとの関連を指摘する声(紅白で『青春の瞬き』を歌った椎名林檎、SMAPに哀悼の意があった?「粋な演出」「東京事変がまた見られるなんて」という声も - Togetterまとめ参照)が溢れていましたが、個人的な喜びは、冨田恵一氏によるプロデュース曲がほぼフルで流れたことにあります。
このミュージックビデオは『やり直しの利かない今この瞬間の美しさと儚さが表されている』のだそう(椎名林檎、5/27発売のセルフカバーアルバムより“青春の瞬き”のMVを公開 (2014/05/14) 邦楽ニュース | ロッキング・オンの音楽情報サイト RO69より)。
椎名林檎さんとの相性の良さは、冨田恵一氏のミュージシャン名義、”冨田ラボ”でのアルバム『Joyous』(2013)にボーカリストのひとりとして招聘されたときに感じていました。原由子さん、横山剣さん、さかいゆうさんという錚々たる面子の中で、多様な表現と芯の太さ…その凛とした存在感は特に素晴らしかったと記憶しています。それが冨田氏独特のアレンジ(特に弦楽)と高い次元で混ざり合う様は見事でした。
4人でのボーカル曲は、ミュージックビデオ未制作ながら「都会の夜 わたしの街」のほうがより好みだったりします。特に『兎に角椎名林檎の声が入ってきたところで鳥肌』なのです(2013 JP Songs Best(2013年12月31日付)より)。いずれ、冨田恵一氏のアレンジでもう数曲作っていただけたなら…と願わずにはいられません。
独特な冨田恵一氏のアレンジメントは、以前リリースされた作品集『冨田恵一 WORKS BEST ~beautiful songs to remember~』で堪能出来ます。下記インタビューサイトも参照にしてください。
作品集には、氏が手掛けたおそらく一番のヒット曲であろうMISIA「Everything」が未収録なのがなぜなのかは解らないのですが、氏独特の手腕はきっと病みつきになるはずです。下記に、作品集に未収録だった、個人的に好きな作品を紹介しますので、冨田氏の音世界をどうぞご堪能ください。