イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ラジオ好きにはたまらない? ラジオで馴染みのフレーズが入っている曲3選

先週リリースされたRHYMESTERのアルバム『ダンサブル』は今も愛聴していて、どの曲にもより深い思い入れが生まれつつ、やはりKIRINJIを迎えた「Diamonds」がとりわけ好きなのですが、そのRHYMESTERとKIRINJIの2組に共通項を発見した次第。ラジオ好きには"!”となるフレーズが入っているのです。

Danceable

Danceable

  • RHYMESTER
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥2200

今回の共演曲とは別に、2組が最初に共演した「The Great Journey」(KIRINJI feat. RHYMESTER名義)のフレーズが登場する6曲目の「ゆれろ」。この中で登場するのが【スピードラーニング】。このブログでも何度か話題にしていますが、ラジオCM量がとてつもなく多い商品のフレーズを格好良く用いているんですよね。

他方、KIRINJIは現体制(ローマ字表記)での初作となる『11』(2014)収録の「雲呑ガール」の冒頭で【過払い金】というフレーズを用いています。

11

11

  • KIRINJI
  • ポップ
  • ¥1700

この過払い金に関するCMもスピードラーニング同様、ラジオでよく耳にします(テレビやネット経由よりもはるかに、と個人的には捉えています)。このフレーズ、ラジオで聞いた堀込高樹さんが疑問に思い調べた上で、『誰かが使う前に歌にのせなきゃ!』と思ったそう。

(勝手ながら引用させていただきました。問題があれば削除させていただきます。)

「ゆれろ」で当該部分を担当するのがラジオパーソナリティでもある宇多丸さんであるゆえ、ラジオ経由でスピードラーニング(という言葉)に触れただろうことは想像に難くありません。面白いことにこのふたつのフレーズ、歌詞の一部を検索可能な歌ネットで調べる限り現段階では「ゆれろ」と「雲呑ガール」以外使われていないため、ラジオ好きでこれら言葉にピンと来た方は是非この2曲をチェックしていただきたいと思います。曲自体も素晴らしいですので。

 

ちなみに宇多丸さんの番組、『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』(TBSラジオ 土曜22時)のスポンサーになっているのが業務用食品卸の西原商会。そのCMソングがクレイジーケンバンドによる直球タイトルな「世界、西原商会の世界!」(アルバム『Spark Plug』(2014)収録)ですが、最近になってこの曲のミュージックビデオが公開されていました。

西原商会】もラジオ好きには馴染みの言葉かもしれません。そしてミュージックビデオには横山剣さんの他にもRHYMESTER、そして須永辰緒さん等が出演という豪華さ! なんだかものすごく粋な会社だなあと実感します。

米ソングスチャート、テイラー・スウィフト旋風の最中、社会的意義のあるあの曲がトップ5入り

ビルボードソングスチャートを定点観測。 現地時間の9月11日月曜に発表された、9月23日付最新チャート。前週他を圧倒したテイラー・スウィフト「Look What You Made Me Do」が2週連続の首位を記録した他、4位にも「...Ready For It?」を送り込んできました。そして前回のエントリーで個人的にお勧めした、ロジック feat. アレッシア・カーラ&カリード「1-800-273-8255」が5位に上昇しています。

記事は下記に。

そしてトップ10はこちら。

テイラー強し、な状況は変わらず。ですが前週の反動は思った以上に大きいかもしれません。「Look What You Made Me Do」について、各指標のうちストリーミングで首位をキープしたものの前週比28%もの大幅ダウン(それでも6120万という数値は立派ですが)。そしてデジタルダウンロードでは2位に陥落。こちらは前週比68%もの大幅ダウン(114000)となりました。ちなみにこの指標での首位は同じくテイラーによる「...Ready For It?」でダウンロード数は135000。テイラーは同部門で13曲目の首位となりました。1週間で2曲が10万以上を売り上げたのは、エド・シーランが「Shape Of You」と「Castle On The Hill」を送り込んだ今年1月28日付以来となります。

ちなみに「...Ready For It?」のストリーミングは1900万と意外にも少なく、さらにラジオエアプレイは1300万。一方「Look...」のラジオエアプレイは前週比15%アップしたものの7200万で同部門13位。思ったよりも伸びていない印象があり、もしかしたらラジオエアプレイにおいて、どちらをOAするかが分かれてしまったのではないかと思われます。

なお、そのラジオエアプレイで新たな首位に立ったのが、総合7位のチャーリー・プース「Attention」。彼にとっては、ウィズ・カリファに客演参加した「See You Again」以来2曲目となる同部門での首位獲得です。

 

テイラーの登場で久々の女性上位時代がやってきたといえるかもしれません。今週2位にはカーディ・B「Bodak Yellow (Money Moves)」がランクインし自己最高位を更新。女性ソロ曲によるワンツーフィニッシュは3年前の12月13日付以来で、実はその時もテイラーがトップに立っていたわけです(1位にテイラー「Blank Space」、2位はメーガン・トレイナー「All About That Bass」)。また、女性歌手がトップ5内に2曲同時エントリーしたのも同じくテイラーが記録して以来(2015年2月7日付、4位に「Blank Space」および5位に「Shake It Off」)となり、テイラーが如何に女性上位時代を引っ張っているかが伺えるとともに、テイラー以外にも奮起してもらいたい気がします。

 

さて、先週のブログエントリーにおいて。

ここで"社会的意義のある"と紹介したのがロジック feat. アレッシア・カーラ&カリード「1-800-273-8255」。前週初のトップ10入りを果たしたこの曲が、今週は4ランク上昇し遂にトップ5に到達しました。

前週はMTVビデオミュージックアワードでのパフォーマンス効果による上昇でしたが、今週はデジタルダウンロードこそ減ったものの(前週比12%ダウン)、ストリーミングでは同53%もの大幅アップを果たし同部門でも5位に上昇。ラジオエアプレイでも同22%上昇(同部門33位)し、賞後も勢いが増していることが伺えます。収録されたアルバム『Everybody』は既にリリース済ゆえ、曲単位での購入指標であるデジタルダウンロードよりもストリーミングとラジオエアプレイの伸びが、この曲の更なるチャート上昇の大きな鍵となりそうです。

なおこの曲の大ヒットについて、客演参加した(そしてロジック共々初のトップ5入りを果たした)カリードがインタビューに答えています。

ロジックのバイオグラフィーや「1-800-273-8255」のヒストリーについては、今週のチャートアクション共々bmrでしっかりと取り上げていますのでそちらを是非。自分もアルバムを購入してみようと思います。

 

昨日のラジオでお届けしたジャパニーズヒップホップ一覧

実は先週、9月6日にリリースされたヒップホップ案件がとんでもない量になっていて(今秋のリリース量の多さについては今週末、『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』(TBSラジオ 土曜22時)で特集されるそうです)、且つ自分が大好きなRHYMESTERの2年ぶりとなるオリジナルアルバム『ダンサブル』もそこに含まれているため、ならばヒップホップ特集を!と企画。で、以前今後ブレイクするであろうバンド編を特集したDJじんいちくんに選曲をお願い(ある種強引に丸投げしたともいえなくないのですが)...したところ、彼が選んだここ数年のヒップホップが自分にはない角度からのもので、リストを確認して嬉しくなった次第。というわけで昨日の音楽特集【魚卵仁一 presents バズってる!?ラップ特集】でお送りした曲目リストを下記に掲載します。

(※ ちなみに『わがままWAVE It's Cool!』(FMアップルウェーブ 日曜17時 サイマル放送で全国どこからでも聴取可能)では、出演する方に"海鮮ネーム"という海や水にちなんだ名前をつけるのが慣例となっています。いくらなど魚の卵が好きという理由でじんいちくんは"魚卵"に。なお自分は平泳ぎが出来るという理由でブレスト(平泳ぎの意味)となっています。)

 

① RHYMESTER feat. mabanua「Future Is Born」

  (この曲のみブレストコナカセレクト)

スチャダラパーとEGO-WRAPPIN'「ミクロボーイとマクロガール」

③ ゆるふわギャング「Hunny Hunt」

加山雄三 feat. PUNPEE「お嫁においで 2015」

Creepy Nuts助演男優賞

⑥ DOTAMA「謝罪会見」

⑦ あっこゴリラ「Back to the Jungle」

⑧ DAOKO「かけてあげる」

tofubeats feat. オノマトペ大臣「水星」

Chelmico「Love is Over」

 

たとえば近年の『フリースタイルダンジョン』(テレビ朝日)に代表されるフリースタイルラップムーヴメントはあれど、ここまで日本のヒップホップが興隆するのはこれまでには考えられなかったことではないかと。PUNPEEさんはRHYMESTERとの仕事およびライブツアーへの帯同等を経て、たとえば宇多田ヒカルさんのリミックスへの参加等大御所との仕事も果たし、来月発売されるオリジナルアルバムのリリースを前に、TSUTAYA限定でレンタル盤が用意されるなど、チェーン側も力を入れています。

で、昨日のラジオで特に印象深かったのは、これらの曲への興味の源(視聴動機)が"画の力"にあるということ。「ミクロボーイとマクロガール」にはのんさんが、「お嫁においで 2015」には交際相手の父親役で加山雄三さんが出演、さらにあのゴリラと共演するという「Back to the Jungle」など、これら画のインパクトの強さが動画視聴の入り口となっていくというじんいちくんの説明に、YouTube以前と以降での変化を実感した次第。尤も、80年代以降MTVが誕生しミュージックビデオは浸透していくのですがYouTubeで確認出来るほど身近にはなってなかったわけで、アラフォーDJ陣(私とフレッシュフグササキさん)は感心するばかりでした。

そんなじんいちくんが最初に日本のヒップホップに興味を持ったきっかけがChelmico。ビジュアルの可愛さゆえとのこと...なるほど、たしかにそれも大事な要素かもしれませんね(それを突き詰め過ぎれば「助演男優賞」みたいになるのかも...あれはフィクションですがミリ・ヴァニリという例もありますし)。

 

半ば強引に丸投げしたのですが、最良の形で特集をお送りすることが出来ました。じんいちくんに感謝。そしてお聴きくださった皆さんに心から感謝申し上げます。

6月の首都圏ラジオ局聴取率調査結果発表、そして”業界内ルール?”を踏まえての改善案再提示

首都圏のラジオ局が8月下旬、”スペシャルウィーク”と銘打って豪華ゲストやプレゼントを用意した、視聴率のラジオ版”聴取率”の調査週間。発表は9月中旬以降に行われることでしょう。ですが、ここ最近調査された聴取率はリスナーに発表されない事態が続いています。今年4月の結果発表の流れに関しては正直、疑問を感じざるを得ませんでした。

しかし発表されたのは未だいい方でして、今年6月の結果に関しては、これまで局のホームページで発表し続けてきたTBSラジオが公表を取りやめたのです。リスナーが数字の公表を知ることになるのは8月21日。それもマイナビニュース経由というこれまでにない形で、でした。

記事では(ワイド)番組の聴取率、局の聴取率が掲載されており非常にわかりやすいのですが、なぜこれを聴取率トップのTBSラジオが、しかも取締役編成局長がインタビューに応じていながら一方では局のホームページにて発表しなかったのか、強い疑問を抱いてしまうのです。

ならば、今回の調査以降、これまでTBSラジオが発表してきた局および番組の聴取率についてはビデオリサーチ側が発表(を管理)することを強く求めます。何も、聴取率トップの局が代表して発表する必要はなく、また視聴率についてはビデオリサーチが定期的に発表しているわけですから、聴取率をビデオリサーチ側が発表することになんら足枷はないのではないでしょうか。この【局や番組の聴取率をビデオリサーチで発表する】ことが改善案のひとつ。

首都圏ラジオ局における4月の聴取率調査結果が発表されない問題と、改善案の提示 (5月25日付)より

自分は以前、この提案を記載しました。が、ビデオリサーチが7月11日付で発表した2017年6月度首都圏ラジオ聴取率の調査結果には、局や番組の聴取率が含まれていません。一般リスナーは41日間、発表されない自体に疑問を抱いたという形になります。

 

尤も、聴取率の指標はリスナーには関係なくあくまで局側だけが知るべきもの(その数値を用いて番組や編成を改善させたり、営業ツールに用いたりするため)と言われれば、納得出来ないわけではありません。が、これまで発表することが慣例になっていたのならば、急に途絶えさせるとは正しくはないでしょう。それゆえの改善要求および改善案提示を実施した次第です。

 

さて、聴取率や視聴率というビデオリサーチの調査内容に関するこの記事を読んで、別の角度からも疑問が生じてしまいました。

「真木はその14日のうちに、『視聴率3・8%。こんなに視聴率が低いから是非、ドラマを見てください』とつぶやいてしまったんです。そもそも視聴率の数字は、ビデオリサーチが管理し契約会社だけに配布する“資産”でもある。それを何の断りもなく勝手に、視聴率データを個人のツイッターで公表してしまったから、マズいのひと言」(関係者)

しかも、「ビデオリサーチ調べ」という表記もなかった。

(中略)

もっとも、「視聴率を勝手に書き込んではいけない」という業界のルールを教えていなかったとしたら、事務所にも責任があるといわざるを得ない。

真木よう子“女優廃業危機” 視聴率をツイッターで公表しフジ幹部が謝罪 - 東スポWeb(8月20日付)より

まずはこの件に関し、真木よう子さんの虐められっぷりは見るに耐えないというか、こういう虐めを平気で行ってるネットもメディアも本当におかしいということを指摘させていただきます。彼女に非があることも少なくないかもしれませんが、ならばそれを訂正させるべく促せばいいだけのこと。反省ではなくあたかも永遠に後悔させんとする論評や炎上手法は見ていて息が詰まります。

 

さてこの視聴率公表問題、まず視聴率を勝手に書き込むな(無断転載禁止、書くならばビデオリサーチ調べと記載せよ等)というルールは果たして本当に認知されているのでしょうか。そして、広く一般では視聴率という数値が独り歩きしているのですがそれはお咎めなし?とも思うのです。視聴率が良かった際はメディアが嬉々としてその数字を発進している以上、数字は人気のバロメーター(の指標のひとつ)であるということが一般にも広く浸透しているはずで、メディアが(自身の努力の結果であれ、自身の宣伝等に)都合よく使っている視聴率を、数字が悪いときだけ公表NGとするのは矛盾している気がしてなりません。そしてそもそも、視聴率が芳しくないならば観てほしいと願う気持ちは真木さんに限らず関係者ならばどなたも同じなはず。商品が売れないから買ってとか入場者が少ないから来てというのも心理的には一緒なわけで、その思いまで否定するという精神には疑問を覚えるのです。

(いやいやこれはゴシップ誌の記事だから…と言う方もいらっしゃるでしょうが、ゴシップ誌だから何を書いていいということでは絶対にない、と思います。)

 

 

これらを踏まえ、今後ビデオリサーチやメディアに求めることは以下の通り。

聴取率調査結果の発表は、好調な局の自発的(もしくはアピールという意味での)対応に任せることなく、ビデオリサーチが一元して行うこと

聴取率、視聴率については業界内でも、また広く一般でも記載することを許可すること。そのためのルール作りを徹底させ、且つ浸透させること(出典元の記載、等)

少なくともこれらは早急に、遅くとも年内には改善出来るはずです。心からお願いいたします。

”Breathe”が訳しにくい問題と、色褪せない”Breathe”ソング

今週アルバム『ダンサブル』をリリースしたRHYMESTERのメンバー、宇多丸さんがパーソナリティを務める、『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』(TBSラジオ 土曜22時)。先週2日、番組内の映画評論コーナー”ムービーウォッチメン”で『パターソン』を紹介した際、一部日本語字幕に疑問というか提案していた箇所がありました。

まさに、永瀬正敏さんが登場するセリフの中で、これは字幕の訳だと「詩は好きなんですか?」って聞かれて「詩は私の全てです」っていう日本語訳になっているんだけど、これ、元でなんて言っているかっていうと、「私は詩を呼吸しています」って言っているんですね。こっちの方がやっぱりこのテーマに合っていると思うんですよ。詩を、呼吸するように、ポエティックな見方をすると。そして、そういう営みの蓄積としての、人類の文化。その一部として、我々の営みがある。その、人類の文化史っていうすごい大きなものとも、我々の日々の営みは呼応しているんだ、という。

【映画評書き起こし】宇多丸、『パターソン』を語る!(2017.9.2放送) - ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル (9月5日付)より

呼吸する…英訳すると”Breathe(ブリーズ)”という言葉、日本では”Breath(ブレス)”こそ認知されている(であろう)言葉ながら、動詞となるとそこまで知られていないのではないかと思うのです。プリーズ(Please)と勘違いする人もいるのでは?とすら(尤もBreatheとPleaseではRとLの発音が根本的に異なりますが)。

 

この映画評を聴いて、”Breathe”がタイトルに用いられた曲を調べてみたのですが、洋楽に結構多く存在することに気付かされます。いや、日本でも息の曲は少なくないものの、”ため息”や”吐息”、単に”息”という名詞(および”Breath”)が用いられる曲はありますが、動詞となると洋楽に比べてかなり少なくなり、なかなかおもしろい対比だなあと思うのです。また、”呼吸”という名詞が用いられている曲もありますが、動詞になるとこちらもほとんどありませんでした。

ちなみに、”Breathe”で真っ先に思い出したのはこの曲。

デビューアルバム『Toni Braxton』(1993)からのシングルカットで、初のトップ3入りを果たしたシングル(最高3位)。さすがは美メロ職人、ベイビーフェイスによるソングライト、発売から四半世紀近く経ちますが色褪せることはありません。この曲には「熱い吐息」という邦題がつけられ、国内盤アルバムタイトルにもなりました。

 

ですが、歌詞を見ると吐息という言葉はしっくり来ない気がするんですよね。一方、”私は二度と呼吸しないでしょう”と直訳すると、なんて大袈裟な!とも思われかねず…ゆえに邦題設定も苦労したんじゃないかなとお察しします。”Breathe”が日本で用いられにくいのは、訳すと大仰になりすぎかねないゆえに敬遠する傾向があるからかもしれません。

爆発音で終わる邦楽が好きだったりする

RHYMESTERによる2年ぶりのオリジナルアルバム、『ダンサブル』がやはり素晴らしいのです。アルバムの詳細等は下記特設ページを是非。

今の段階での一番のお気に入りは、KIRINJIをフィーチャーした「Diamonds」で、その曲テーマがとにかく刺さりまくるのですが、その前に配置された「爆発的」(feat. サイプレス上野&HUNGER)が文字通り”爆発”しまくっている(爆発音で終わる)のが凄まじく、その(いい意味での)落差も効果的だったり。

Danceable

Danceable

  • RHYMESTER
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥2200

で、今回は爆発音で終わる曲を紹介しようと思ったのですが、邦楽ではあまりないんですよね。しかもあったとして、何気に自分が担当するラジオ番組『わがままWAVE It's Cool!』(FMアップルウェーブ 日曜17時)でこの夏、2曲ともかけていたのでした。それも過去にブログエントリーもしているという。

宍戸留美「地球の危機」

早見優「渚のライオン」

…どんだけ爆発音が好きなのでしょう自分。いつか必ず「爆発的」もラジオでかけようと画策中です。

あの女性歌手によるゴスペル的アプローチ、ハイファイ・ショーン「Testify!」

最新9月16日付の米ビルボードダンスクラブソングスチャート以前紹介したデボラ・コックス「Let The World Be Ours Tonight」が遂に首位に立った今週、最も勢いのあるチャートアクションを見せたのが、10位にジャンプアップしたハイファイ・ショーンによる「Testify!」。客演シンガーには、あのクリスタル・ウォーターズが起用されているのです。

ハイファイ・ショーンは、1980年代後半から90年代前半まで活動していたダンスポップバンド、スープ・ドラゴンズのフロントマンだったショーン・ディキンソンによる(ソロ?)ユニット。昨秋リリースした全編客演ありの楽曲集、その名も『Ft.』にはオノ・ヨーコブーツィー・コリンズといった大御所も参加しています。

Ft.

Ft.

  • Hifi Sean
  • ダンス
  • ¥1650

その『Ft.』のオープニングトラックを託されたのがクリスタル・ウォーターズ。やはりなんといっても「Gypsy Woman (She's Homeless)」を思い出す人は多いでしょう。

トラックと相俟って不穏に聴こえる声、そして特徴的な歌詞で世界中を席巻し、アメリカでは総合ソングスチャートで8位を記録(勿論ダンスクラブソングスチャートでは1位)。その後堅実にキャリアを積み重ねており、この5年間に絞ってもダンスクラブソングスチャートでは3曲もの1位を獲得しているというのですから驚きです。

クラブ界では最早レジェンドの存在ゆえ、若手が相次いで彼女を敬意込みで起用したいと思っているのかもしれません。尤もショーン・ディキンソンはベテランではありますが、”ハイファイ・ショーン”名義では若手中の若手。自身の名を広めたい思いも、そしてもしかしたら私生活で仲の良い彼女を起用したかったという思いもあったのかもしれませんね。

 

この「Testify!」、音そしてミュージックビデオ共にゴスペル的なのが個人的に大好きなのです。生ピアノやハンドクラップの取り入れ、そしてキリスト教の洗礼の映像...ゴスペルを歌い、また入信の場に居合わせたこともある身としてはより強く響いた作品になりました。

ダンスサウンドのレジェンドたるクリスタル・ウォーターズにゴスペル?と思う方は少なくないかもしれませんが、実はつながりが。「Gypsy Woman (She's Homeless)」は以前、ゴスペルにサンプリングされているんですよね...まさか「Testify!」を機にクリスタル・ウォーターズとゴスペルがより強固につながるとは!と、その発見に驚いています。

(上記で一度サンプリングについて紹介したのですが、主題は美川憲一さんのほうでした...。)