イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

『GROOVE LINE』コンビの再会に感激する

ラジオDJ秀島史香さんが夫の赴任先であるベルギーから帰国。初の著書『いい空気を一瞬でつくる誰とでも会話がはずむ42の法則』の取材のために訪れたJ-WAVEで、以前担当していた番組『GROOVE LINE』のパートナー、ピストン西沢さんと再会。しかも久々のラジオ"共演"を果たしました。

当初出演予定はなかったもののあれよあれよ…という展開。コンビ解消(と共に番組名が『GROOVE LINE Z』へ変更)から7年…まさかふたりが再び共演するだなんて、正直夢にも思いませんでした。

 

なぜなら。

上記は現在、J-WAVEで『RADIO DONUTS』(土曜8時)のナビゲーターを務める渡辺祐さんのブログエントリー。自分も祐さんと同じく、7年前の3月12日の放送に何かの形で触れていて、その前から感じていた違和感の突出、顕在化に悲しみを覚えたものでした(祐さんは直接番組名に言及してはいませんが)。ラジオというメディアは視覚にとらわれなくて済む分、声に宿る繊細な機微が如実に伝わるものなのです。無論、自分が(そして祐さんや、ブログエントリーのコメント欄に書き連ねたリスナーの方々が)感じていた違和感というか仲違い的なものはもしかしたら実際なかったかもしれませんし、ことの真相は秀島さん等しか解らないゆえ邪推といわれればそれまでなのですが。

 

そんなこともあり自分の中では最早、両者の修復は不可能とすら思っていました。が、今週火曜の放送(radikoのタイムフリー(首都圏以外からのアクセスの際は有料のプレミアム会員登録が必要)でチェック出来ます)は、コンビ全盛期の雰囲気が感じられる気がして聴いてて嬉しくなりました。下記から確認出来ますので是非。

(※秀島さんの出演は18時台すぐ、なお3月14日まで聴取可能です。また、『GROOVE LINE』についての自分の思いはブログで何度か記載しています(ラジオ人が生まれる機会が減っていく? サテライトスタジオの終焉を懸念する(1月11日付)など)。)

 

 

溝はいつか埋まる。時間や経験、そして自ずと乗り越える意志が解決に導いてくれる。そして互いが成長することでいつか笑える日が来る…そんなことを実感した再会でした。この"いつか笑える日"というのは、仲違いであれ不条理な出来事に苛まれたことであれ、事の大小にかかわらずやってくるものかもしれません。無論、そこには関わる人の前向きな思いが前提になるのでしょうが。

NHKラジオ第一で流れた”カタコト”珍曲、実は歴史的遺産?

毎週金曜はラジオの話。

 

先週の今日、普段聴きの局と化しているNHKラジオ第1放送の”強み”(3月3日付)を記載し、最近のNHKラジオ第一優先聴取を告白。昨日もその流れで『ごごラジ!』(月-金曜 13時05分)を聴いていました。木曜パーソナリティを務めるイワイガワ井川修司さんの、落ち着きとシュールさ漂う声は、”朝のNHK大阪放送局の情報番組ってこんな感じなんだろうなあ”と勝手にイメージし、好印象を抱いています。

 

さて、番組で募集しているリスナーのオススメ曲、通称”ええやんソング”をお送りしている木曜『ごごラジ!』ですが、昨日流れたこの曲が妙に印象に残りまして。

昨日13時台のNHKラジオ第一曲目リストはこちら

歌い始めこそ英語だったのが、日本各地の”娘さん”に挨拶し、名物や方言を交えた上、結果最後は”ポクポク子馬(小馬?)”でしめる…という、一体何を歌いたいのか解らないその楽曲に、リスナーの自分も、そしてパーソナリティ陣も”?”でした。

 

さて、歌っているバートン・クレーンさんについて検索したところ、なんと東京経済大学教授、山田晴通氏による論文が掲載されていましたので勝手ながらリンクを貼らせていただきます(問題があれば削除させていただきます)。

Harumichi YAMADA: 2002: Biographical Notes on Burton Crane, 1901-1963

曲のいい意味でのわけわからなさもさることながら、「ニッポン娘さん」は1931年、昭和6年(!)のリリースゆえ、バートンがカタコト日本語曲の先駆者的存在のひとりであったことに着目していいと思います。

 

この「ニッポン娘さん」、2006年に発売された『バートン・クレーン作品集』に収められましたが、その10年後、1曲追加収録された改訂版がリリースされ、比較的容易に手に入れることが出来ます。

『バートン・クレーン作品集・改訂版』の告知ページ

Amazonでも取り扱われているこの作品。音楽評論家の中村とうよう氏がピクチャーレコードを提供し、先述した山田氏が解説を記載しているというこの徹底っぷりたるや。”珍曲”で片付けるのが勿体無いくらいの歴史的な遺産だと断言していいでしょう。

 

ちなみにこのベストアルバムを製造するコロムビアから発売されているオムニバス、『決定盤 流行歌・大傑作選(5) 秘蔵盤・貴重盤』(2010)には「ニッポン娘さん」が、『昭和カタコト歌謡曲 男声編』(2016)には「酒が飲みたい」および「雪ちゃんは魔物だ」が収められ、共にTSUTAYA DISCASでネットレンタルも可能。更に容易に音源を手に入れることが出来ますので、試しに聴いてみたいという方はそちらも是非。ちなみに後者には、自分の担当ラジオ番組『わがままWAVE It's Cool!』(FMアップルウェーブ 日曜17時)で以前かけたところDJ陣が度肝を抜いた、ザ・クラックナッツ「イエス・ノー・イエス」も収録されています。いきなりのコーラスの不協和音?からして圧倒されること請け合いです。

サンダーキャットの新譜に宿る、クールネスと脱力感との融合を楽しむ

ケンドリック・ラマーの傑作アルバム、『To Pimp A Butterfly』などに参加し音楽業界で高い注目を集めるサンダーキャットが、先月ニューアルバム『Drunk』をリリースしました。アルバムの内容については下記に詳しく記載されています。

自分が彼の存在をきちんと認識したきっかけは、遅ればせながらアルバム収録曲であるこの曲が『TOKIO HOT 100』(J-WAVE 日曜13時)にランクインしているゆえ。

最新3月5日付で26位にランクインしているこの曲にフィーチャーされているのが、AOR界の大物であるマイケル・マクドナルドケニー・ロギンス。この曲の存在を日曜のラジオ番組スタッフの先輩に伝えたところ、”この2人が組むのは80年代じゃありえなかったこと!”と興奮気味に話してくださいました。サンダーキャットはAORの現代における伝導師兼復権者的役割も果たしているのかもしれません。AORというとこの曲もそうですね。

こちらは先月マクドナルドの店内BGMでも流れていました。前にも書きましたが、マクドナルドのセンスの好さは評価されていいと思います。

 

さて、音的にはひたすら格好いいサンダーキャットですが、歌詞の内容がぶっ飛んでいる!とSNSで教えてくださった方がいて、それとほぼ同じタイミングでこの記事を知りました。

ここで紹介されている「Tokyo」の歌詞から見えてくる、『日本のサブカルチャーに取り憑かれてしまった少年がそのまま大きくなって』(記事より)のくだりに納得。とはいえこの曲、先日亡くなったリオン・ウェアと帯同して初めて東京を訪れたことが誕生のきっかけということ…単に面白い歌詞というだけではなく、曲のバックグラウンドを知ると様々な思いに駆られてしまいます。彼のリオンに対する思いが綴られたツイートも含め、下記bmrの記事にて紹介されています。

 

ちなみに、先述したSNSでの指摘曲はこちら。

『「猫になれたら最高にクールだろうなぁ」という内容の曲であるが、サビで「ニャーニャーニャー」と鳴いている』(Thundercatの新譜「Drunk」を聞いているとニヤニヤが止まらない理由。面白いリリックを解説 | Playatuner(2月25日付)より)という、クールさと(いい意味での)脱力感が相俟った楽曲。こんなの反則過ぎますって。アルバムを手に入れつつきちんと聴けていなかったのを反省し、今日のBGMにしようと思った次第です。

 

関係ないけどこのネコソングを聴いたら浮かんだ曲を最後に紹介して閉めさせていただきます。

”ゲワイ”だけじゃない、1曲で十数バージョンの作品集

自分がスタッフのひとりを担当する『わがままWAVE It's Cool!』(FMアップルウェーブ 日曜17時)。前回3月5日は、その日に誕生日を迎えた【北条司】をテーマに、北条司さんが描いた漫画のアニメ/実写化における主題歌や挿入歌を特集してお送りしました。

で、『キャッツ♥アイ』といえばANRIさんという方が多いかもしれません(事実、この曲にリクエスト多数、でした)。では『シティーハンター』といえば? との問いに対し、おそらくこの曲と回答する方が最多ではないでしょうか。

 このバージョンを発端として、数多くのリミックスなりライブバージョンをなんと3枚組にコンパイルしたアルバムが来月リリースされます。

さらには電気グルーヴ石野卓球さんが新たなリミックスを担当。

 

全曲”ゲワイ”というのはたしかに濃密ですが、全曲バージョン違いというのは何もこれだけではありません。思い出したのがこちら。

シネマバージョンだけで4つも、そしてDJ HASEBEさんによるリミックスまで存在するのですから驚きです。

 

そしてこんなのも。

はてなブックマークの数の多さゆえ知っている人は多いかと思うのですが、織田裕二さんよりも3ヶ月前にリリースされたこちらは全14曲収録。

さすがに織田裕二さん、そして松崎しげるさん共に1枚組ゆえ、TM NETWORTのほうが曲数が多い(濃い)ように思うのですが…しかし、音楽ナタリーの表題にあるように「愛のメモリー」も、そして「Love Somebody」も共にアルバムではなく”シングル”扱いなのがミソ。特に「愛のメモリー」は当時の税込で1000円なのですから、濃厚なしげる色が一段と濃くなっているというわけです。ぜひ手に取って聴きまくってほしいと思います。

 

そして、”ゲワイ”に話を戻すと、今日になって新たなるバージョンnが公開されています。どこまで進化を続けていくのでしょうか。

米ビルボードソングスチャート、ザ・チェインスモーカーズ3曲同時トップ10入り達成

ビルボードソングスチャートを定点観測。

現地時間の3月6日月曜(日本時間の火曜)早朝に発表された、3月18日付最新チャート。エド・シーラン「Shape Of You」が5週連続、通算6週目となる1位を記録したほか、ザ・チェインスモーカーズが3曲同時トップ10入りを果たしました。 記事は下記に。

そしてトップ10はこちら。

 

ザ・チェインスモーカーズの3曲同時トップ10入りは、4月7日に発売される初のフルアルバム『Memories…Do Not Open』から先行リリースされた、コールドプレイとの共演による「Something Just Like This」が5位に急上昇を果たしたため(デジタルダウンロード2位、ストリーミング7位にランクイン)。3曲以上を同時にトップ10入りさせたのは歌手全体でいえば14組目ですが、グループでとなるとあのビートルズ(1964)、ビー・ジーズ(1978)に次ぐ3組目の記録に。

また今週10位と崖っぷちの「Closer」ですが、トップ10在籍は通算31週となり、マーク・ロンソン feat. ブルーノ・マーズ「Uptown Funk!」と並ぶ歴代2位に躍進。あと1週トップ10入りすれば、リアン・ライムス「How Do I Live」に並びます。この記録にも注目しましょう。

 

紹介する順番が前後しますが、首位はエド・シーラン「Shape Of You」。未だデジタルダウンロードで14万以上を売り上げて同部門1位、ラジオエアプレイも1位、またストリーミングでは2位というほぼ文句なしの内容。ラジオエアプレイ以外若干数値が落ちているものの、来週のさらなる躍進は間違いないものとみられます。というのも。

さらには『さらに、1日における楽曲の再生回数では、アルバム収録曲の「シェイプ・オブ・ユー」が1,000万回以上をを記録したことで、2017年1月にエドが同楽曲で打ち立てた記録を塗り替えた』(上記ツイート内記事より)とあり、次週アルバムチャートを制するのは間違いないとみられる『÷ (Divide)』の勢いがソングスチャートにも反映されるものと思われます。となると「Shape…」と共に発売された「Castle On The Hill」の返り咲きもあり得るかもしれません。

 

ちなみに3月18日付のアルバムチャートでも新たな記録が達成しています。ソングスチャートで今週9位に「Bounce Back」がランクインしているビッグ・ショーンが、入れ替わりで2つのアルバムを、立て続けに首位の座に送り込んだのです。

『初登場での1位という条件を除いても、異なる作品で2週連続で1位になったのは、1968年のサイモン&ガーファンクルまで遡ることになる』(ツイート内記事より)そう。今週のチャートはビートルズビー・ジーズサイモン&ガーファンクル錚々たる偉人に追いつくという状況が生まれています。

 

さて、前週の27位から8位にジャンプアップした、コダック・ブラック「Tunnel Vision」にも振れておかなければいけません。コダックにとって初のトップ10入りしたこの曲のミュージックビデオが、燃え盛る十字架や銃を持つ白人の中年男性が登場するなど異様な光景を醸しているんですよね。というのもこの「Tunnel Vision」でコダックが謳ったのが、自身が捕まった罪に対する無罪の主張、そして『自分の成功を面白く思わない仲間に裏切られた事や、この腐敗した国の制度』についてなのです(『』内は下記ブログより引用させていただきました。問題があれば削除させていただきます)。

2月16日に公開されたミュージックビデオは、YouTubeでの再生回数が(記事では3日間で約600万回とありますが)3月7日朝の段階で3900万回近くにまで達しています。

ストリーミングでは前週より2ランク上昇し3位に到達、しかも前週比65%上昇ということですから如何にこのビデオに惹き付けられ(そして考えさせられ)た人が多いかの象徴と言えるでしょう。

 

ちなみに、アカデミー賞関連で大きく伸びた曲といえは、賞の冒頭を飾ったジャスティン・ティンバーレイク「Can't Stop The Feeling!」。とはいえ(前週29位からジャンプアップしたものの)13位にランクイン、トップ10を逃した形となっています。

 

 

次週はなんといってもエド・シーランのアルバムランクイン初週にあたるゆえ、収録曲のうちはたしていくつがソングスチャートトップ100に送り込まれるか、そして「Shape Of You」がどこまでぶっちぎるかが注目でしょう。

【Now】シリーズ、今月リリースの外伝が妙に面白い

イギリス発、最新ヒット曲のコンピレーションアルバム【Now】シリーズの最新版、『Now 96』の発売が4月7日に決定しました。前回は昨年11月18日の発売(詳細は今月発売、イギリス版『Now 95』 トラックリスト(2016年11月11日付)を参照してください)ですから4ヶ月半ぶりとなりますね。トラックリストが判明次第お伝えできればと考えています。

 

で、その発売予告と同時期に知った、【Now】シリーズの外伝的な作品に驚かされました。今月発売される2作品、まずはこちら。

NOW That’s What I Call Running (2017)

3月24日発売の3枚組。まさしく”ランニング”用のアップテンポなセレクションとなっています。一瞬そのコンピレーションのニーズを疑問視していたのですが、そういえば以前知人から”ランニングに最適なBGMってありますか?”と言われたことがあり、なるほどランニング時に音楽を聴く人は少なくないのだなと実感。過去の名曲も多分に含みながら、たとえば「SexyBack」や「Don't Cha」など歌詞がセクシー過ぎる曲も含まれていて、”ランニングで痩せて綺麗になったらセクシーなことも…っていう意図なのか?”と思ってしまったのは自分だけでしょうか。

ちなみにこのランニング版、5年前にもリリースされていることを知りました。もしかしたら人気シリーズなのかもしれませんね。

 

そしてこんなのも。

NOW That’s What I Call Mum

こちらは先週、3月3日に発売された2枚組。母の日より2ヶ月も早くリリース…というよりそもそも”母向けコンピレーション”というニッチな存在に驚いた次第(ちなみに自分はこのコンピレーションを、SNSでフォローさせていただいている方が取り上げていたことで知りました)。

こちらはロビー・ウィリアムス最大のヒット曲となった美しいバラード「Angel」からスタート。

で、なぜか2枚目のラストに置かれているのがブリトニー・スピアーズの大ヒット曲、「Oops!...I Did It Again」という。

コンピレーション冒頭で”天使を愛しているよ”と美しく奏でながら、最後の最後にブリトニーが”私を天使みたいに思ってるかもしれないけどそんな純粋じゃないからね”と突き放すという…なんというオチ!と痛感。選者、結構悪魔な選球眼をお持ちなようです。とはいえこんなコンピレーションまで用意する【Now】シリーズには恐れ入りました。

深化する清水翔太、前シングル「My Boo」がロングヒット中

2月21日にシングルCDがリリースされた、清水翔太「FIRE」が最新3月6日付のビルボードジャパンのソングスチャート(Hot100)で42位に初登場を果たしているのですが、その前のシングル「My Boo」も根強い人気を誇っており、登場21週目にして78位にランクイン。それも前週よりランクアップしています。

「My Boo」を知った際、真っ先に思い出したのが全米1位を獲得したアッシャー&アリシア・キーズの同名異曲。もしくは、山下達郎さんの曲をサンプリングした歌手名。それくらい”Boo”というフレーズは珍しかったりしますが、サビの♪My Boo というフレーズは極々自然で、今後日本でも使用頻度が高まるのではないかと。

ビルボードジャパンソングスチャートはシングルCDセールスが大きなウェイトを占めるチャートであるゆえ、セールス初週のポイントが加算された際に1位に躍り出た作品(特にアイドルやアニソン等に顕著)は翌週に大きく順位を落とすことがままあります。オリコンのシングルセールスランキングでは初登場15位で通算4週のランクインにとどまっていますが、ビルボードジャパンのソングスチャートで20週以上もの間地道にランクインを続けられるというのは、「My Boo」がストリーミング等で浸透し続けていることの表れであり、CDよりストリーミングを好む層(特に若年層)に彼が支持されている証拠なのではないかと。

 

さて、「FIRE」リリース直後、ライターや編集者によって行われた座談会において、今の清水翔太さんについての面白い分析がなされています。これは必読と言えます。

上記は前半。後半はこちら。

そういえば自分、猪又氏が否定されていた、アッシャー&アリシアとの同名異曲から気になったクチでしたが…それはともかく、この記事での”ドープに深化”で気付かされたのは、このブログの下記エントリーにたどり着く人が少なくないということ。

このエントリーをしたためたのは、アルバム曲が素晴らしいということと同時に、シングル曲にもっと冒険が欲しい(同時にJ-Popに落とし込んだ曲ばかりが親しまれる風潮に疑問を呈しもっと成熟してほしい)…ということでした。無論ポップネスとしての彼も素晴らしいのですが。

「Damage」がシングル表題曲としては初めて、今の路線を打ち出した楽曲だよね。彼は海外のソウル・R&Bもそうだけど、現行のヒップホップやポップスもチェックしているので、その要素をカップリングやアルバム曲では露骨に出すことがあったけど、シングル表題曲には少しずつ入れ込み始めて、「BYE×BYE」でその部分をチラ見させて、「Damage」で全面開放した、という印象です。その間にある「花束のかわりにメロディーを」は、少し毛色が違うけど、昔のソウル・ミュージックっぽい歌のグルーヴがいいんですよ。

清水翔太の音楽がドープに深化した理由ーー3人のライター・編集者が語り合う | Real Sound|リアルサウンドより

猪又氏の言葉に納得、且つ自分の願いが叶い始めたと(勝手ながら)捉え、嬉しくなった次第。今後、もっと深く(R&B的な表現を用いるなら”ドープに”)彼を追いかけようと決意しました。より挑戦的になった曲をシングルのカップリングでもアルバムのみの曲でもなく、シングル表題曲に据え始めたこと、そしてその挑戦的楽曲である「My Boo」がロングヒットになっている事実はただただ痛快そのものなのです。