現地時間の3月13日月曜に発表された最新3月18日付米ビルボードソングチャート(集計期間:3月3~9日)。モーガン・ウォレン「Last Night」が収録アルバムの初登場に伴いソングチャートを制しました。モーガン・ウォレンにとって首位獲得はキャリア初となります。
.@MorganWallen's "Last Night" is No. 1 on the #Hot100. 📈 https://t.co/bksNoxkaUS
— billboard (@billboard) 2023年3月13日
米ビルボードソングチャートで1,147曲目の首位を獲得したモーガン・ウォレン「Last Night」はストリーミングが前週比59%アップの4750万(同指標初の首位)、ダウンロードが同12%アップの18,000(記事に順位は未掲載)、およびラジオが同81%アップの1080万(同指標50位未満)を記録。ストリーミングはトップストリーミングゲイナーを記録し、この指標でのモーガンの首位獲得は初となります。
「Last Night」は、米ビルボードソングチャートと同様の計算方法を採るホットカントリーソングチャートも制し、通算5週目の首位を獲得。双方のソングチャートを制したのは「Last Night」が20曲目、テイラー・スウィフト「All Too Well (Taylor's Version)」(2021)以来となります。さらに男性歌手による伴奏なし(記事では”unaccompanied”と表記)の作品としては、エディ・ラビット「I Love A Rainy Night」がホットカントリーソングチャートで1981年1月に1週、同年2月から3月にかけてソングチャートで2週首位を獲得して以来、およそ42年ぶりとなります。
<米ビルボードソングチャートおよびホットカントリーソングチャート双方を制した曲>
・モーガン・ウォレン「Last Night」(2023)
・テイラー・スウィフト「All Too Well (Taylor's Version)」(2021)
・テイラー・スウィフト「We Are Never Ever Getting Back Together」(2012)
・ローンスター「Amazed」(1999-2000)
・ケニー・ロジャース duet with ドリー・パートン「Islands In The Stream」(1983)
・エディ・ラビット「I Love A Rainy Night」(1981)
・ドリー・パートン「9 To 5」(1981)
・ケニー・ロジャース「Lady」(1980)
・グレン・キャンベル「Southern Nights」(1977)
・C.W.マッコール「Convoy」(1975-1976)
・ジョン・デンバー「I'm Sorry」(1975)
・グレン・キャンベル「Rhinestone Cowboy」(1975)
・ジョン・デンバー「Thank God I'm A Country Boy」(1975)
・フレディ・フェンダー「Before The Next Teardrop Falls」(1975)
・B.J.トーマス「(Hey Won’t You Play) Another Somebody Done Somebody Wrong Song」(1975)
・チャーリー・リッチ「The Most Beautiful Girl」(1973)
・ボビー・ゴールズボロ「Honey」(1968)
・ジミー・ディーン「Big Bad John」(1961)
・マーティ・ロビンス「El Paso」(1959-1960)
・ジョニー・ホートン「The Battle Of New Orleans」(1959)
上記20曲のうち12曲は1973-1983年に集中しています。またグレン・キャンベル、ジョン・デンバー、ドリー・パートン、ケニー・ロジャースおよびテイラー・スウィフトは2曲を送り込んでいます。
モーガン・ウォレンが所属するビッグ・ラウド・レコードは2011年にナッシュビルに設立されたれたレーベルですが、ここからの米ビルボードソングチャート首位獲得曲はモーガンの「Last Night」が初となります。またビッグ・ラウド・レコードを傘下とするマーキュリー・レコードにおいてはタイオ・クルーズ「Break Your Heart」が2010年3月に1週首位を獲得して以来。1945年設立のレコード会社における米ビルボードソングチャート初制覇は、ザ・プラターズ「Smoke Gets In Your Eyes」(1959年1月)となります。
さらにマーキュリー・レコードを持つリパブリック・レコードでは、ザ・ウィークエンド & アリアナ・グランデ「Die For You」が前週首位を獲得したばかり。1995年設立のこのレコード会社は2022年度をはじめ、直近11年間で9回の米ビルボード年間ソングチャート首位獲得曲を輩出しています。
モーガン・ウォレンは『The Voice』出身歌手として初の米ビルボードソングチャートを制覇。『The Voice』は2011年に開始され、今月6日に23シーズン目がスタートしたばかりのNBCのオーディション番組で、モーガンは2014年に放送された第6シーズンに登場し、プレーオフで敗退しています。
モーガン・ウォレンは最新の米ビルボードソングチャートにて5曲をトップ10に送り込みました。「Last Night」のほか、「Thought You Should Know」(13→7位)、「You Proof」(21→8位 昨年10月に5位を記録)、「Thinkin' Bout Me」(9位初登場)および「One Thing At A Time」(51→10位)がランクイン。これによりモーガンのトップ10ヒットは3曲増え、8曲となりました。
「Thought You Should Know」はストリーミングが前週比56%アップの2050万およびラジオは3340万を、「Thinkin' Bout Me」はストリーミング2070万、ダウンロード7,700、「One Thing At A Time」はストリーミングが前週比156%アップの2140万、およびラジオが同87%アップの670万、「You Proof」はストリーミングが前週比58%アップの2180万およびラジオが2000万を、それぞれ記録しています。
これによりモーガン・ウォレンは、コアなカントリー歌手として初めてソングチャートトップ10の半数以上を占拠。この記録は歴代6組目となります。なおドレイクはこの記録を通算3週、ザ・ビートルズは同2週達成しています。
<米ビルボードソングチャートトップ10内に同時に5曲以上送り込んだ歌手>
10曲 テイラー・スウィフト 2022年11月5日付
9曲 ドレイク 2021年9月18日付
8曲 ドレイク 2022年11月19日付
7曲 21サヴェージ 2022年11月19日付
7曲 ドレイク 2018年7月14日付
5曲 ジュース・ワールド 2020年7月25日付
5曲 モーガン・ウォレン 2023年3月18日付
5曲 ザ・ビートルズ 1964年4月11日付
5曲 ザ・ビートルズ 1964年4月4日付
今回のモーガン・ウォレンのソングチャート占拠はアルバム『One Thing At A Time』の首位初登場に伴うもの。このアルバムは現時点において2023年の最高週間ユニット数を獲得しています。
.@MorganWallen's 'One Thing at a Time' debuts at No. 1 on the Billboard 200 with a record-breaking week. https://t.co/FrzSJbHOK2
— billboard (@billboard) 2023年3月12日
【米ビルボード・アルバム・チャート】モーガン・ウォレン2023年最高週間ユニットで首位獲得、カリ・ウチス初登場4位 https://t.co/SNT9DD6VJq pic.twitter.com/YuvUrZz8Hc
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2023年3月13日
これに伴い、モーガン・ウォレンは米ビルボードで同日付にてアルバムおよびソングチャートを制覇。加えてアルバム収録の36曲すべて、最新のソングチャート100位以内にエントリーを果たしました。これまでの最多同時エントリー記録はドレイクによる27曲(2018年7月14日付 アルバム『Scorpion』初登場に伴う)、またテイラー・スウィフトは2021年11月27日付にて26曲を送り込んでいますが(アルバム『Red (Taylor's Version)』初登場に伴う)、モーガンはこの記録を塗り替えた形です。さらに『One Thing At A Time』からは27曲が初登場を果たし、初登場曲数記録でも最多を更新しています。
Morgan Wallen rewrites the record for the most songs simultaneously charted on the Billboard #Hot100, as he sends 36 songs onto the survey (dated March 18, 2023) – the entirety of his new album, 'One Thing at a Time.' https://t.co/7wBTVSHK5w
— billboard (@billboard) 2023年3月13日
27曲の初登場に伴い、モーガン・ウォレンのソングチャート100位以内エントリーは62曲となりました。モーガンはフロリダ・ジョージア・ラインとの「Up Down」で、2018年4月7日付にて初のソングチャート100位以内エントリーを果たしています。
また2023年の米ビルボードソングチャートにおいても、モーガン・ウォレンが現段階で最多ランクイン(38曲)を果たしました。これはシザの16曲、カロルGの11曲を大きく引き離すものです。
曲名に”Last”が付く作品の首位獲得は今回が5作目となります。
<曲名に”Last”が付く米ビルボードソングチャート首位獲得作品>
・モーガン・ウォレン「Last Night」 2023年3月18日付
・ケイティ・ペリー「Last Friday Night (T.G.I.F.)」 2011年8月27日付以降 2週
・ヴァネッサ・ウィリアムス「Save The Best For Last」 1992年3月21日付以降 5週
・ザ・モンキーズ「Last Train To Clarksville」 1966年11月5日付 1週
・ザ・ドリフターズ「Save The Last Dance For Me」 1960年10月17日付以降 3週
また”Night”が付く作品では関連ワードも含め、モーガン・ウォレン「Last Night」が30曲目の首位獲得作品に。直近ではマルーン5「One More Night」が2012年に9週首位を獲得しています。
マイリー・サイラス「Flowers」は2位をキープ。ラジオは前週比4%アップの1億580万を記録し、ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」が2020年5月23日付で1億1460万を達成して以来の高水準となっています。
前週初の首位を獲得したザ・ウィークエンド & アリアナ・グランデ「Die For You」は4位に後退。ストリーミングは前週比13%ダウンの2820万、ダウンロードは同81%ダウンの2,600、ラジオは同2%ダウンの7950万を記録しています。さらにピンクパンサレス & アイス・スパイス「Boy's A Liar Pt. 2」は総合では1ランクダウンし5位につけましたが、ラジオでは前週比72%アップの2070万を記録し、トップエアプレイゲイナーを獲得しています。
最新のトップ10はこちら。
The #Hot100 top 10 (chart dated March 18, 2023)
— billboard charts (@billboardcharts) 2023年3月13日
[今週 (前週) 歌手名・曲名]
1位 (5位) モーガン・ウォレン「Last Night」
2位 (2位) マイリー・サイラス「Flowers」
3位 (3位) シザ「Kill Bill」
4位 (1位) ザ・ウィークエンド & アリアナ・グランデ「Die For You」
5位 (4位) ピンクパンサレス & アイス・スパイス「Boy's A Liar Pt.2」
6位 (6位) メトロ・ブーミン、ザ・ウィークエンド & 21サヴェージ「Creepin'」
7位 (13位) モーガン・ウォレン「Thought You Should Know」
8位 (21位) モーガン・ウォレン「You Proof」
9位 (初登場) モーガン・ウォレン「Thinkin' Bout Me」
10位 (51位) モーガン・ウォレン「One Thing At A Time」
米ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート、3月18日付ではGlobal 200、Global Excl. U.S.共にマイリー・サイラス「Flowers」が首位返り咲きを果たしました。共に通算7週目の首位獲得となります。
.@MileyCyrus' "Flowers" returns to No. 1 on both Billboard Global charts. 🌎https://t.co/uRkG56fdtE
— billboard (@billboard) 2023年3月13日
The #Global200 top 10 (chart dated March 18, 2023)
— billboard charts (@billboardcharts) 2023年3月13日
The Global Excl. U.S. top 10 (chart dated March 18, 2023)
— billboard charts (@billboardcharts) 2023年3月13日
マイリー・サイラス「Flowers」はGlobal 200にてストリーミングが前週比4%ダウンの9790万、ダウンロードが同8%ダウンの29,000を、Global 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.ではストリーミングが前週比4%ダウンの7630万、ダウンロードが同5%ダウンの16,000を、それぞれ記録しています。
Global 200ではモーガン・ウォレン「Last Night」が10→5位となり、モーガンは同チャート初のトップ5入り。ストリーミングは前週比57%アップの5180万、ダウンロードは同14%アップの21,000となっています。