現地時間の8月7日月曜に発表された、最新8月12日付米ビルボードソングチャート(集計期間:7月21~27日)。前週初めて首位の座に就いたジェイソン・アルディーン「Try That In A Small Town」は大きく後退し、モーガン・ウォレン「Last Night」が通算15週目の首位を獲得しました。
.@MorganWallen notches a 15th week at No. 1 on the #Hot100. https://t.co/qxNwniPIRl
— billboard (@billboard) 2023年8月7日
モーガン・ウォレン「Last Night」はストリーミングが前週比8%ダウンの2670万(同指標3位)、ダウンロードが同11%ダウンの7,000(同指標7位)、ラジオが同10%ダウンの6720万(同指標4位)をそれぞれ記録しています。
「Last Night」は歴代4位タイとなる15週目の首位を獲得したのみならず、共演や客演のない作品としてはハリー・スタイルズ「As It Was」に並ぶ最高記録となっています。
<米ビルボードソングスチャート 歴代週間首位獲得週数一覧>
19週
・リル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road」(2019年4月13日付以降)
16週
・ルイス・フォンシ & ダディー・ヤンキー feat. ジャスティン・ビーバー「Despacito」(2017年5月27日付以降)
・マライア・キャリー & ボーイズIIメン「One Sweet Day」(1995年12月2日付以降)
15週
・モーガン・ウォレン「Last Night」(2023年3月18日付以降)
・ハリー・スタイルズ「As It Was」(2022年4月16日付以降)
14週
・マーク・ロンソン feat. ブルーノ・マーズ「Uptown Funk!」(2015年1月17日付以降)
・ブラック・アイド・ピーズ「I Gotta Feeling」(2009年7月11日付以降)
・マライア・キャリー「We Belong Together」(2005年6月4日付以降)
・エルトン・ジョン「Candle In The Wind 1997」「Something About The Way You Look Tonight」(1997年10月11日付以降)
・ロス・デル・リオ「Macarena (Bayside Boys Mix)」(1996年8月3日付以降)
・ボーイズIIメン「I'll Make Love To You」(1994年8月27日付以降)
・ホイットニー・ヒューストン「I Will Always Love You」(1992年11月28日付以降)
「Last Night」は3月18日付で初めて首位に到達すると、4月15~22日付、5月6日~7月8日付、7月22日付および8月12日付にて首位となり、これまで四度の返り咲きを果たしています。この四度の返り咲きはハリー・スタイルズ「As It Was」およびマライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」(後者は4つのクリスマスシーズンに渡って首位に)と並ぶ最多記録となりました。なお「Last Night」は初の首位獲得後、トップ3から脱落していません。
「Last Night」は総合ソングチャートと計算方法を同一とするホットカントリーソングチャートにて24週目の首位を獲得。チャートがジャンルを包括的に反映するようになった1958年以降、ホットカントリーソングチャートにおいて「Last Night」は首位獲得週数が歴代4位タイとなっています(最長首位獲得曲はビービー・レクサ & フロリダ・ジョージア・ライン「Meant To Be」の50週(2017-2018))。
「Last Night」は今年度のソング・オブ・ザ・サマーチャート(Songs Of The Summer)において、開始から10週連続で首位に立っています。
ルーク・コムズ「Fast Car」は通算4週目となる2位に。ラジオは前週比4%アップの7740万を記録しています。
トラヴィス・スコットがアルバム『Utopia』の米ビルボードアルバムチャート首位初登場に伴い、ソングチャートトップ10内に2曲を送り込んでいます。ドレイクを迎えた「Meltdown」が3位、プレイボーイ・カルティが客演参加した「FE!N」が5位にランクインし、ストリーミングは前者が3220万、後者が2560万を記録しています。
トラヴィス・スコットはこの2曲により、トップ10ヒットが14曲に。また2曲を同時にトップ5入りさせたのはキャリア初となります。プレイボーイ・カルティにとってはドレイク「Pain 1993」(2020 7位)に客演して以来二度目のトップ10入りを果たしています。そしてドレイクは「Meltdown」が69曲目のトップ10ヒットとなりました。
<米ビルボードソングチャート トップ10ヒット曲数>
69曲 ドレイク
42曲 テイラー・スウィフト
38曲 マドンナ
34曲 ザ・ビートルズ
32曲 リアーナ
30曲 マイケル・ジャクソン
29曲 エルトン・ジョン
28曲 マライア・キャリー
28曲 スティーヴィー・ワンダー
27曲 ジャネット・ジャクソン
「Meltdown」はストリーミング指標を制覇。トラヴィス・スコットにとって5曲目、ドレイクは17曲目となり、ドレイクは最多首位記録を更新しています。
テイラー・スウィフト「Cruel Summer」が4位に上昇。2019年のアルバム『Lover』収録のこの曲は現在シングルとしてプロモートされ、コンサートツアーでも披露されています。ラジオでは前週比10%アップの6440万となり、6週連続でトップエアプレイゲイナーを獲得。この6週連続という記録はジャック・ハーロウ「First Class」(2022年4~6月)以来となります。
テイラーは「Cruel Summer」が27曲目となるトップ5ヒットとなり、歴代4位タイに。ドレイクもトラヴィス・スコットとの「Meltdown」が36曲目のトップ5ヒットとなり、自身が持つ最多記録を更新しています。
<最多トップ5獲得歌手>
36曲 ドレイク
29曲 ザ・ビートルズ
28曲 マドンナ
27曲 マライア・キャリー
27曲 テイラー・スウィフト
24曲 ジャネット・ジャクソン
24曲 リアーナ
21曲 エルヴィス・プレスリー
(ただし現在のチャートがスタートした1958年8月以前にキャリアを開始しています。)
20曲 ジャスティン・ビーバー
20曲 マイケル・ジャクソン
20曲 スティーヴィー・ワンダー
レマ & セレーナ・ゴメス「Calm Down」は6位に後退するも、ラジオでは前週比2%ダウンの8920万となり同指標7週目の首位を記録しています。
映画『バービー』サウンドトラック収録のデュア・リパ「Dance The Night」が10位に浮上。ストリーミングは前週比6%アップの1530万、ダウンロードは同3%ダウンの6,000、ラジオは同5%アップの4230万を記録しています。
デュア・リパにとってトップ10入りは「New Rules」(2018 6位)、「Don't Start Now」(2020年3月 2位)、「Levitating」(2021年5月 2位、および同年度年間1位)、エルトン・ジョンとの「Cold Heart (Pnau Remix)」(2022年1月 7位)に続く5曲目となります。
今週は映画『バービー』サウンドトラックから、デュア・リパ「Dance The Night」のほかニッキー・ミナージュ & アイス・スパイス with アクア「Barbie World」も8位にランクイン。ひとつのサウンドトラックから複数曲がトップ10内にランクインを果たしたのは『ミラベルと魔法だらけの家 (原題:Encanto)』以来となります(カロリーナ・ガイタン、マウロ・カスティージョ、アダッサ、レンジー・フェリズ、ダイアン・ゲレロ、ステファニー・ベアトリス & エンカント・キャスト「We Don't Talk About Bruno (邦題:秘密のブルーノ)」(1位)、およびジェシカ・ダロウ「Surface Pressure」(8位))。
最新のトップ10はこちら。
The #Hot100 top 10 (chart dated Aug. 12, 2023)
— billboard charts (@billboardcharts) 2023年8月7日
[今週 (前週) 歌手名・曲名]
1位 (2位) モーガン・ウォレン「Last Night」
2位 (3位) ルーク・コムズ「Fast Car」
3位 (初登場) トラヴィス・スコット feat. ドレイク「Meltdown」
4位 (6位) テイラー・スウィフト「Cruel Summer」
5位 (初登場) トラヴィス・スコット feat. プレイボーイ・カルティ「FE!N」
6位 (5位) レマ & セレーナ・ゴメス「Calm Down」
7位 (4位) ガンナ「Fukumean」
8位 (8位) ニッキー・ミナージュ & アイス・スパイス with アクア「Barbie World」
9位 (10位) オリヴィア・ロドリゴ「Vampire」
10位 (12位) デュア・リパ「Dance The Night」
前週初の首位を獲得したジェイソン・アルディーン「Try That In A Small Town」は21位へ急落。ストリーミングは前週比47%ダウンの1620万、ダウンロードは同85%ダウンの26,000およびラジオは同35%アップの1180万を記録し、ダウンロードは3週連続で首位に立っています。
米ビルボードソングチャートにおける首位から20位圏外への急落記録はクリスマス関連曲を除くと、シックスナイン & ニッキー・ミナージュ「Trollz」(2020年7月4日付 1→34位)、トラヴィス・スコット feat. ヤング・サグ & M.I.A.「Franchise」(2020年10月17日付 1→25位)、BTS「Life Goes On」(2020年12月12日付 1→28位)、テイラー・スウィフト「Willow」(2021年1月2日付 1→38位)、JIMIN「Like Crazy」(2023年4月15日付 1→45位)に続く6例目となります。
なお(カントリーソングチャートにランクインしている)カントリージャンルの作品における首位交代劇は1981年3月14日付以来となります。同日付ではエディ・ラビット「I Love A Rainy Night」が1→5位にダウンし、ドリー・パートン「9 To 5」が2位から首位へ返り咲きを果たしています。
米ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。8月12日付ではGlobal 200、Global Excl. U.S.共に、ジョングク feat. ラトー「Seven」が初登場から3連覇を達成しています。
BTS' #JungKook & @Latto's "Seven" earns a third week at No. 1 on both the Global 200 and Global Excl. U.S. charts! 👏 https://t.co/wsHpIXUX3g
— billboard (@billboard) 2023年8月7日
The #Global200 top 10 (chart dated Aug. 12, 2023)
— billboard charts (@billboardcharts) 2023年8月7日
The Global Excl. U.S. top 10 (chart dated Aug. 12, 2023)
— billboard charts (@billboardcharts) 2023年8月7日
ジョングク feat. ラトー「Seven」はGlobal 200においてストリーミングが前週比19%ダウンの1億2430万、ダウンロードが同82%ダウンの14,000を、Global 200から米の分を除くGlobal Excl. U.S.ではストリーミングが前週比18%ダウンの1億1280万、ダウンロードが同81%ダウンの5,000を、それぞれ記録しています。
トラヴィス・スコットはアルバム『Utopia』から複数曲を送り込んでいます。Global 200ではドレイクを迎えた「Meltdown」が2位、プレイボーイ・カルティが客演参加した「FE!N」が3位、および客演なしの「Hyaena」が10位に初登場。ストリーミングは順に6160万、5610万および4410万となっています。このチャートでのトップ10ヒットはトラヴィスが8曲、プレイボーイが初となり、ドレイクは29曲となり自身が持つ最高記録を更新しています。またGlobal Excl. U.S.においては「FE!N」が7位、「Meltdown」が8位にそれぞれ初登場。こちらではトラヴィスのトップ10ヒットが4曲、プレイボーイが初およびドレイクが6曲となりました。
映画『バービー』サウンドトラックからも複数曲がトップ10入り。Global 200ではビリー・アイリッシュ「What Was I Made For?」が7→4位(ストリーミングは前週比19%アップの5670万)、デュア・リパ「Dance The Night」が8→6位、ニッキー・ミナージュ & アイス・スパイス with アクア「Barbie World」が6→7位となっています。またGlobal Excl. U.S.では「What Was I Made For?」が7→4位、「Dance The Night」が5位をキープ、および「Barbie World」が12→6位となり、アイスは2曲目、ニッキーおよびアクアにとっては初のトップ10ヒットとなりました。
Global Excl. U.S.ではケベード「Columbia」が14→9位へ上昇。ストリーミングは前週比9%アップの3570万を記録しています。スペイン出身のラッパー/シンガーにとってはビザラップとの「Bzrp Music Sessions, Vol.52」が2022年7~9月に6週首位を獲得して以来、2曲目のトップ10ヒットとなります。