米ビルボードのソングスチャートをチェック。現地時間の4月13日月曜に発表された4月18日付最新ソングスチャート、ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」の連覇を阻み、ドレイク「Toosie Slide」が初登場で首位に立ちました。記録ずくめとなる首位獲得です。
.@Drake becomes the first male artist, and second act overall, to debut three songs at No. 1 on the #Hot100, as #ToosieSlide rolls in on top https://t.co/VlC4kAo7hp
— billboard (@billboard) 2020年4月13日
米ビルボードソングスチャート、1098曲目となる首位獲得曲はドレイクにとって7曲目の首位獲得となる「Toosie Slide」。ストリーミングは5550万を獲得し自身8曲目の首位、ダウンロードは25000で3位発進、ラジオエアプレイは3460万を獲得、前週から21ランクアップし22位につけています。
この「Toosie Slide」、ミュージックビデオは新型コロナウイルス対策としての自宅隔離を想起させ、実際に自宅で撮影されたそう。さらにはダンサーで歌手のAyo&Teoがこの曲を使ったダンスをインスタグラムやTikTokで公開して話題に。ダンスチャレンジモノとして人気となったこと、そしてダンスの紹介の際にドレイクの未発表曲だと伝えたこと(実際に「Toosie Slide」のリリース前にAyo&Teoがアップしています)が、新曲へのニーズを高めたものと思われます。つまりはいわゆる”仕掛け”がチャート制覇に大きく寄与したのです。
仕掛けについてはDJ YANATAKEさんもラジオ番組で解説しています(みやーんさんによる書き起こしを勝手ながら紹介させていただきます(問題があれば削除いたします)。
DJ YANATAKE Drake『Toosie Slide』を語る https://t.co/B4ZMH96BTh
— みやーんZZ (@miyearnzz) 2020年4月6日
(ヤナタケ)あのAyo&TeoがInstagramとかでね、「ドレイクの未発表曲だよ!」ってこの曲の振り付けを踊ったところからこれが始まっていって。でも、それもドレイクの仕込みですよね。
ドレイクはこの「Toosie Slide」でいくつもの記録を打ち立てました。初登場での首位獲得は「God's Plan」(2018年2月3日付)、「Nice For What」(同年4月21日付)に次ぐ3曲目となり、男性歌手では単独で史上最多、全体ではマライア・キャリー(「Fantasy」、ボーイズIIメンとの「One Sweet Day」(共に1995)、および「Honey」(1997))に並ぶ最多タイとなりました。
ドレイクはリアーナに客演参加した「What's My Name?」が2010年11月20日付で初めてチャートを制覇。この10年で7曲もの首位獲得はそのリアーナと並びトップタイに。なお、クレジットされていませんが客演参加したトラヴィス・スコット「Sicko Mode」(2018)も1位を獲得しており、仮にクレジットされていたならば単独最多となる8曲となります。
ドレイクは今回の「Toosie Slide」により首位獲得週数がちょうど50週となりました。これはマライア・キャリー(82週)、リアーナ(60週)、ビートルズ(59週)に次ぐ史上4位タイで、ボーイズIIメンに並ぶ記録です。トップ10ヒット曲数となると37曲目となり、マドンナが持つ史上最多記録にあと1曲と迫っています。この記録は3位にビートルズ(34曲)、以下リアーナ(31曲)、マイケル・ジャクソン(30曲)と続きますが、ドレイクはリアーナとコラボレーションした3曲を、マイケル・ジャクソンとは彼の死後に未発表音源を使った「Don't Matter To Me」(2018)をトップ10に送り込んでいます。またトップ40ヒットとしては101曲目となり2位のリル・ウェイン(82曲)を引き離し、100位以内では209曲目でこちらも単独最多記録を更新。なお100位以内にランクインした曲数では今年3月21日付で単独最多記録を達成しています(それまでの記録はグリー・キャストの207曲)。
ドレイク祭りに沸いた今週、ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」は3週目の首位獲得を逃していますが、一方でアルバム『After Hours』が3週連続で米ビルボードチャートを制しています。「Blinding Lights」はストリーミングが前週比7%ダウンの2690万(同指標3位)、ダウンロードが同3%ダウンの21000(同指標4位)と2指標がダウンした一方、ラジオエアプレイが同7%アップの1億470万となり、ザ・ウィークエンドにとって4曲目となる同指標制覇となりました。
最新のトップ10はこちら。
[今週 (前週) 歌手名・曲名]
1位 (初登場) ドレイク「Toosie Slide」
2位 (1位) ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」
3位 (2位) ロディ・リッチ「The Box」
4位 (3位) デュア・リパ「Don't Start Now」
5位 (5位) フューチャー feat. ドレイク「Life Is Good」
6位 (4位) ポスト・マローン「Circles」
7位 (6位) ハリー・スタイルズ「Adore You」
8位 (7位) ドージャ・キャット「Say So」
9位 (8位) ジャスティン・ビーバー feat. クエイヴォ「Intentions」
10位 (9位) ビリー・アイリッシュ「Everything I Wanted」
今週は新たにトップ10入りを狙う3曲を紹介。いずれも15位以内に入り、すべて最高位を更新しています。
・マレン・モリス「The Bones」(14→12位)
・カミラ・カベロ feat. ダベイビー「My Oh My」(15→13位)
・ミーガン・ジー・スタリオン「Savage」(18→14位)
「Savage」はミュージックビデオが未だ公開されておらず、仮に公開されればストリーミングの起爆剤となりトップ10入りする可能性は高いかもしれません。
さて次週ですが、ドレイクの2週連続首位獲得なるかがポイント。注目は、ヒップホップが弱いとされるラジオエアプレイ指標において今週既に22位に登場していること。前週は総合で100位以内に入らなかったものの(前週の「Toosie Slide」における集計期間はラジオエアプレイの3日分のみ。ここでランクインしていたならば初登場1位という記録にはなりませんでした)、その段階においてラジオエアプレイで既に50位以内に入っていたのは見事なのです。ストリーミングの勢いが低下してもラジオエアプレイがカバーすれば、連覇は十分あり得ると思われます。