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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【海外ビルボード】ジョングク feat. ラトー「Seven」が米およびグローバルチャートを初登場で制覇

現地時間の7月24日月曜に発表された、最新7月29日付米ビルボードソングチャート(集計期間:7月14~20日)。前週首位に返り咲いたモーガン・ウォレン「Last Night」は3位に後退、ジョングク(JUNG KOOK) feat. ラトー「Seven」が初登場で首位を獲得しました。

(なお弊ブログではJUNG KOOKについて、カタカナにて記載します。)

ビルボードソングチャートが1958年8月に開始して以降、通算1,151曲の首位を獲得したジョングク feat. ラトー「Seven」はストリーミング2190万(同指標4位)、ダウンロード153,000(同指標2位)、ラジオ640万(同指標50位未満)をそれぞれ記録しています。

ダウンロード指標については、集計期間初日となる7月14日にオリジナルバージョン(記事にはありませんが、エクスプリシットバージョンとクリーンバージョンの2種類が発表されています)およびインストゥルメンタル、17日には”Summer Mix”および”Band Ver.”の各リミックスがリリースされ、いずれも69セント(0.69ドル)で安価販売。またリリース日にはオリジナルバージョンを収録したCDが1.99ドルで販売されています。

ジョングクはこれまで、チャーリー・プースにフィーチャーされた「Left And Right」が昨年7月に22位、単独名義での「Stay Alive」が同年2月に95位を記録しており、今回ソロとして初の首位に。またBTSのメンバーではJIMINによる「Like Crazy」(4月 初登場時)に続き、ソロとして2人目の首位獲得となります。

ジョングクおよびJIMINが在籍するBTSとしては、米ビルボードソングチャートで6曲首位を獲得しています。

<ソロ活動で複数のメンバーが米ビルボードソングチャートを制した歌手>

ザ・ビートルズ

ブラック・アイド・ピーズ

ブラインド・フェイス

BTS

デスティニーズ・チャイルド

フージーズ

ジェネシス

・ホット・ボーイズ

・ワン・ダイレクション

上記のうちBTSザ・ビートルズブラック・アイド・ピーズデスティニーズ・チャイルドそしてジェネシスと並び、ソロとして複数のメンバーが首位を獲得したのみならずグループとしても複数の首位曲を持つグループ(バンド)となりました。

またジョングクに招かれたラトーにとっても初の首位に。これまでの最高位は昨年4月、「Big Energy」が記録した3位となります。

 

(※注意:上記ミュージックビデオには過激な描写(後述する内容)が含まれます。)

ジェイソン・アルディーン「Try That In A Small Town」が2位に初登場。ストリーミングは前週比547%アップの1160万(同指標37位)、ダウンロードは同27,625%アップの228,000(同指標1位)、ラジオは同17%アップの730万(同指標50位未満)を、それぞれ記録しています。

「Try That In A Small Town」のダウンロード指標は、(米ビルボードのカントリーデジタルソングセールスチャートにランクインする作品として定義された)カントリー曲としてフロリダ・ジョージア・ライン feat. ネリー「Cruise」が2013年7月6日付にて記録した244,000以来、およそ10年ぶりとなる高水準となっています。

ジェイソン・アルディーン「Try That In A Small Town」においてはミュージックビデオ公開の数日後に、CMT(旧称:カントリー・ミュージック・テレビジョン)が放映を取り下げたことを米ビルボード側が確認しています(下記リンク先は米ビルボードの記事となります)。

このCMTの決定を受け、ジェイソン・アルディーンは自身のインスタグラム内ストーリー機能を用いて反応。「Try That In A Small Town」のミュージックビデオにはアメリカ国旗を燃やす映像、警察と対立するデモ参加者、陳列ケースを壊す略奪者、コンビニエンスストアを襲う盗人等が登場しており、この曲の意図やメッセージに対し様々な反応、意見が生まれています。下記リンク先における米ビルボードの記事タイトルには、”現代におけるリンチの曲”という反応が記されています。

(この曲についての反応や私見等については、このブログエントリーが記事の翻訳に努めるという性質を踏まえ、後日掲載する予定です。)

ジェイソン・アルディーンにとって米ビルボードソングチャートでのトップ10入りは二度目。リュダクリスの客演参加版リミックスも相まって「Dirt Road Anthem」が2011年7月に7位を記録して以来となります。

「Try That In A Small Town」はまた、総合ソングチャートと計算方法を同一とするホットカントリーソングチャートに再登場し、今回首位に至っています(初登場時となる6月3日付では35位を記録)。このチャートにおけるジェイソン・アルディーンの首位獲得は2014年の「Burnin' It Down」以来10曲目(最初の首位獲得は2006年5月の「Why」)、またトップ10ヒットは37曲となりました。ジェイソンは2005年の「Hicktown」以降このチャートのトップ10に毎年送り込んでおり、ホットカントリーソングチャートにおけるトップ10ヒット輩出の最長記録保持者となります。

 

前週首位に返り咲いたモーガン・ウォレン「Last Night」は3位に後退しましたが、今年度のソング・オブ・ザ・サマーチャート(Songs Of The Summer)においては開始から8週連続で首位に。またトレイシー・チャップマンのカバーとなるルーク・コムズ「Fast Car」は2→4位に後退していますが、ジェイソン・アルディーン「Try That In A Small Town」を含めこれら3曲はホットカントリーソングチャートのトップ3にランクイン。総合ソングチャート4位までにこれら作品がランクインしたのは、ホットカントリーソングチャートが総合ソングチャートと計算方法を同一して以来初となります。

 

レマ & セレーナ・ゴメス「Calm Down」は4→5位にダウン。ラジオは前週比1%アップの9290万を記録し、同指標5週目の首位に。また昨年4月に始まったU.S.アフロビートソングチャートでは47週目の首位を獲得し、同チャートにおける最長首位獲得記録を更新しています。

ガンナ「Fukumean」は7→6位に上昇し最高位を更新したのみならず、ストリーミングは前週比16%アップとなる2740万を記録し同指標初の首位に。ガンナとしてはストリーミング指標2曲目の制覇となります(リル・ベイビーとの「Drip Too Hard」が2018年10月に1週首位を獲得)。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (初登場) ジョングク feat. ラトー「Seven」

2位 (初登場) ジェイソン・アルディーン「Try That In A Small Town」

3位 (1位) モーガン・ウォレン「Last Night」

4位 (2位) ルーク・コムズ「Fast Car」

5位 (4位) レマ & セレーナ・ゴメス「Calm Down」

6位 (7位) ガンナ「Fukumean」

7位 (3位) オリヴィア・ロドリゴ「Vampire」

8位 (9位) テイラー・スウィフト「Cruel Summer」

9位 (6位) マイリー・サイラス「Flowers」

10位 (8位) リル・ダーク feat. J.コール「All My Life」

 

 

ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。7月29日付ではGlobal 200、Global Excl. U.S.共にジョングク feat. ラトー「Seven」が初登場で首位を獲得しました。

ジョングク feat. ラトー「Seven」はGlobal 200においてストリーミング2億1710万、ダウンロード269,000を、Global 200から米の分を除くGlobal Excl. U.S.ではストリーミング1億9580万、ダウンロード131,000を、それぞれ記録しています。

「Seven」はGlobal 200において、マイリー・サイラス「Flowers」が記録した2億1710万をわずかに上回り、2020年9月のチャート開始以降ソロ名義曲(客演追加も含む)として最高記録を更新しています。グループを含めると「Seven」は歴代2位となり、ジョングクもメンバーの一員であるBTSが「Butter」にて2021年6月5日付で記録した2億8920万が最高となります。

またジョングクはGlobal 200およびGlobal Excl. U.S.において、BTSのメンバーによるソロ曲として初の首位獲得歌手となりました。なおBTSとしてはGlobal 200、Global Excl. U.S.の双方においてトップ10ヒット11曲、うち首位獲得が7曲となります。

BTSメンバーのソロ曲 Global 200におけるトップ10ヒット>

・PSY feat. SUGA「That That」(2022年5月 5位)

チャーリー・プース feat. JUNG KOOK「Left And Right」(2022年7月 5位)

・JIN「The Astronaut」(2022年11月 10位)

・JUNG KOOK「Dreamers (Music From The FIFA World Cup Qatar 2022)」(2022年12月 9位)

・JIMIN「Set Me Free Pt.2」(2023年4月 8位)

・JIMIN「Like Crazy」(2023年4月 2位)

・ジョングク feat. ラトー「Seven」(2023年7月 1位)

BTSメンバーのソロ曲 Global Excl. U.S.におけるトップ10ヒット>

・JUNG KOOK「Stay Alive」(2022年2月 8位)

・PSY feat. SUGA「That That」(2022年5月 2位)

チャーリー・プース feat. JUNG KOOK「Left And Right」(2022年7月 2位)

・JIN「The Astronaut」(2022年11月 6位)

・JUNG KOOK「Dreamers (Music From The FIFA World Cup Qatar 2022)」(2022年12月 4位)

・JIMIN「Vibe」(2023年1月 9位)

・JIMIN「Set Me Free Pt.2」(2023年4月 5位)

・JIMIN「Like Crazy」(2023年4月 2位)

・ジョングク feat. ラトー「Seven」(2023年7月 1位)

「Seven」に客演参加したラトーにとっては、Global 200およびGlobal Excl. U.S.の双方で初の首位に。これまでは「Big Energy」が前者で2022年4月に32位、後者で同年5月に117位を記録しています。

ジェイソン・アルディーン「Try That In A Small Town」がGlobal 200で2位に初登場。ストリーミングは前週比920%アップの1110万、ダウンロードは同27,412%アップの233,000を記録しています。元々は今年5月にリリースされた作品ですが、今回の急上昇については米ビルボードソングチャートにて解説した通りとなります。なおジェイソンにとってはGlobal 200初のトップ10ヒットにして、トップ40入りも初となります。