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【海外ビルボード】米は「Last Night」が14週目の首位、グローバルではマイク・タワーズやNewJeansがトップ3入り

現地時間の7月17日月曜に発表された、最新7月22日付米ビルボードソングチャート(集計期間:7月7~13日)。前週初登場で首位の座に就いたオリヴィア・ロドリゴ「Vampire」は3位に後退、モーガン・ウォレン「Last Night」が2週ぶり、通算14週目の首位を獲得しました。

モーガン・ウォレン「Last Night」はストリーミングが前週比4%ダウンの2860万(同指標16週目の首位)、ダウンロードが同8%ダウンの7,000(同指標2位)およびラジオが同1%アップの7540万(同指標3位)を記録しています。

今回の首位返り咲きにより、「Last Night」の首位獲得週数は歴代5位タイとなりました。

<米ビルボードソングスチャート 歴代週間首位獲得週数一覧>

19週

・リル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road」(2019年4月13日付以降)

16週

・ルイス・フォンシ & ダディー・ヤンキー feat. ジャスティン・ビーバー「Despacito」(2017年5月27日付以降)

マライア・キャリーボーイズIIメン「One Sweet Day」(1995年12月2日付以降)

15週

ハリー・スタイルズ「As It Was」(2022年4月16日付以降)

14週

モーガン・ウォレン「Last Night」(2023年3月18日付以降)

・マーク・ロンソン feat. ブルーノ・マーズ「Uptown Funk!」(2015年1月17日付以降)

ブラック・アイド・ピーズ「I Gotta Feeling」(2009年7月11日付以降)

マライア・キャリー「We Belong Together」(2005年6月4日付以降)

エルトン・ジョン「Candle In The Wind 1997」「Something About The Way You Look Tonight」(1997年10月11日付以降)

・ロス・デル・リオ「Macarena (Bayside Boys Mix)」(1996年8月3日付以降)

ボーイズIIメン「I'll Make Love To You」(1994年8月27日付以降)

ホイットニー・ヒューストン「I Will Always Love You」(1992年11月28日付以降)

「Last Night」は総合ソングチャートと計算方法を同一とするホットカントリーソングチャートにて23週目の首位を獲得。チャートがジャンルを包括的に反映するようになった1958年以降、ホットカントリーソングチャートにおいて「Last Night」は首位獲得週数が歴代6位となっています(最長首位獲得曲はビービー・レクサ & フロリダ・ジョージア・ライン「Meant To Be」の50週(2017-2018))。

また「Last Night」はカントリーエアプレイチャートにて8週目の首位を記録すると共に、ポップエアプレイおよびアダルトポップエアプレイの双方にて5位に上昇。男性ソロ歌手としてカントリーエアプレイで首位、その他ふたつのチャートでトップ5入りを果たした初の曲となりました。なお3つすべてのチャートでトップ5入りを果たした男性ソロ歌手による最初の作品はキッド・ロック「All Summer Long」となります(2008年にアダルトポップエアプレイで2位、カントリーエアプレイおよびポップエアプレイで4位を記録)。

「Last Night」は今年度のソング・オブ・ザ・サマーチャート(Songs Of The Summer)において、「Last Night」が開始から7週連続で首位に立っています。

 

ルーク・コムズによるトレイシー・チャップマンのカバー曲「Fast Car」は通算3週目の2位に。ダウンロード指標は前週比7%アップの11,000を記録し、トップセールスゲイナーを獲得しています。

前週初登場で首位に輝いたオリヴィア・ロドリゴ「Vampire」は3位に後退。ストリーミングは前週比32%ダウンの2430万(同指標3位)、ダウンロードは同81%ダウンの5,000(同指標6位)およびラジオは同6%アップの2790万(同指標21位)となっています。

ラジオを制したのはレマ & セレーナ・ゴメス「Calm Down」(総合4位)。前週とほぼ変わらない9220万を記録し、同指標4週目の首位に。昨年4月に始まったU.S.アフロビートソングチャートでは46週目の首位を獲得し、同チャートにおける最長首位獲得記録を更新しています。

 

テイラー・スウィフト「I Can See You (Taylor's Version)(From The Vault)」が5位に初登場。最新の米ビルボードアルバムチャートを初登場で制した『Speak Now (Taylor's Version)』収録曲はストリーミング2470万、ダウンロード4,000、ラジオ361,000を記録しています。なおテイラー・スウィフトは最新の米ビルボードアルバムチャートにおいて『Speak Now (Taylor's Version)』が12作目の首位となり、バーブラ・ストライサンド(11作品)を抜いて女性歌手で単独トップに立ちました。

「I Can See You (Taylor's Version)(From The Vault)」はテイラー・スウィフトにおいて42曲目となるトップ10ヒットとなっています。

<米ビルボードソングチャート トップ10ヒット曲数>

68曲 ドレイク

42曲 テイラー・スウィフト

38曲 マドンナ

34曲 ザ・ビートルズ

32曲 リアーナ

30曲 マイケル・ジャクソン

29曲 エルトン・ジョン

28曲 マライア・キャリー

28曲 スティーヴィー・ワンダー

27曲 ジャネット・ジャクソン

26曲 ジャスティン・ビーバー

25曲 リル・ウェイン

25曲 エルヴィス・プレスリー

(エルヴィス・プレスリーは1958年8月のチャート開始前よりキャリアがスタート。)

また「I Can See You (Taylor's Version)(From The Vault)」はテイラー・スウィフトにおいて26曲目のトップ5ヒットに。トップ5入りに限定するとドレイクが35曲でトップ、以下ザ・ビートルズ(29曲)、マドンナ(28曲)、マライア・キャリー(27曲)と続きテイラーは歴代5位となります。

テイラー・スウィフトは「Cruel Summer」が9位、アイス・スパイスを迎えた「Karma」が10位にランクイン。前者は『Lover』(2019)、後者は『Midnights』(2022)収録曲であり、テイラーはアルバム3作品から3曲が同時にトップ10入りを果たした最初の女性歌手となりました。テイラーの最新作(再録音版)の初登場およびリード曲の最高位到達、「Cruel Summer」が現在最新シングルとしてプロモートされていること、およびすべて新曲で構成される『Midnights』(オリジナルアルバムとしては最新作)からのシングルが継続してヒットしていることが、異なる3作品から同時トップ10入りを果たした要因となっています。なお「Cruel Summer」はラジオにおいて前週比27%アップとなる3830万を記録し、3週連続でトップエアプレイゲイナーを獲得しています。

異なる3つのアルバムからソングチャートで同時にトップ10入りを果たしたのは、テイラー・スウィフトザ・ビートルズ以来59年ぶりとなります。1964年2月29日付においてはソングチャートにおいて「I Want To Hold Your Hand」が1位、「She Loves You」が2位および「Please Please Me」が6位に入り、それぞれ米国編集アルバム『Meet The Beatles!』、『The Beatles' Second Album』および『Introducing... The Beatles』に収録されています。

「I Can See You (Taylor's Version)(From The Vault)」は”Taylor's Version”と付いている作品として『Red (Taylor's Version)』収録の「All Too Well (Taylor's Version)」に次ぐ2曲目のトップ10ヒットに。「All Too Well (Taylor's Version)」は2021年11月27日付で首位に初登場を果たしています。また「I Can See You」は「All Too Well」と同様、テイラーによる”From The Vault”(未発表)ブランド作品にて2曲目のトップ10ヒットとなっています(「All Too Well」においては10分バージョンの”From The Vault”が合算対象に含まれています)。なおテイラーは初期アルバム6作品について”Taylor's Version”と題した再録版を順次リリースしており、これまで『Fearless (Taylor's Version)』、『Red (Taylor's Version)』そして今回『Speak Now (Taylor's Version)』が発表されています。

テイラー・スウィフトは『Speak Now (Taylor's Version)』収録の22曲がすべて100位以内にエントリー。また先述した「Cruel Summer」「Karma (feat. アイス・スパイス)」に加えて「Anti-Hero」が20位に入り、ソングチャートの4分の1をテイラーが占めています。

 

前週初のトップ10入りを果たしたガンナ「Fukumean」は8→7位に上昇。またホットR&B/ヒップホップソングチャートおよびホットラップソングチャートの双方において、自身初となる首位の座につきました。ストリーミングは前週比17%アップの2370万を記録し、「Fukumean」はトップストリーミングゲイナーを獲得しています。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (2位) モーガン・ウォレン「Last Night」

2位 (3位) ルーク・コムズ「Fast Car」

3位 (1位) オリヴィア・ロドリゴ「Vampire」

4位 (4位) レマ & セレーナ・ゴメス「Calm Down」

5位 (初登場) テイラー・スウィフト「I Can See You (Taylor's Version)(From The Vault)」

6位 (5位) マイリー・サイラス「Flowers」

7位 (8位) ガンナ「Fukumean」

8位 (6位) リル・ダーク feat. J.コール「All My Life」

9位 (7位) テイラー・スウィフト「Cruel Summer」

10位 (9位) テイラー・スウィフト feat. アイス・スパイス「Karma」

 

 

ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。7月22日付ではGlobal 200においてオリヴィア・ロドリゴ「Vampire」が初登場から2連覇を達成。またGlobal Excl. U.S.ではマイク・タワーズ「LaLa」が初の首位を獲得しました。

通常米ビルボードの記事はGlobal 200をまず紹介した後に、Global 200から米の分を除くGlobal Excl. U.S.について記載していますが、今回記事ではGlobal Excl. U.S.が先に掲載されています。このブログでも記事に倣い、まずはGlobal Excl. U.S.を紹介します。

マイク・タワーズ「LaLa」はGlobal Excl. U.S.にて13→1位へ上昇。ストリーミングは前週比101%アップの7040万を記録しています。

レゲトンスペイン語曲となる「LaLa」は今年3月のリリース以降、TikTokにて盛り上がりをみせていました。今回のヒットにより、プエルトリコ出身のマイク・タワーズはGlobal Excl. U.S.を初制覇。なおマイクはこれまで、オズナおよびカロルGと共演した「Caramelo」(2020年9月 10位)、ジューン(表記は"Juhn"。正式な日本語表記は不明)との「Bandido」(2021年2月 6位)およびセバスチャン・ヤトラとの「Pareja Del Año」(2021年5月 9位)の3曲をトップ10内に送り込んでいます。また「LaLa」はGlobal Excl. U.S.に米の分を加えたGlobal 200において26→3位となり、ストリーミングは前週比106%アップの7740万を記録。このチャートでのマイクによるトップ10入りは初となります。

NewJeans「Super Shy」がGlobal 200、Global Excl. U.S.の双方で2位に初登場。Global 200ではストリーミング6300万およびダウンロード6,000を、Global Excl. U.S.ではストリーミング5380万およびダウンロード4,000を、それぞれ記録しています。NewJeansはこれまで「Ditto」および「OMG」が、今年1月にGlobal 200で8位および10位、Global Excl. U.S.では4位および7位にそれぞれエントリーを果たしており、「Super Shy」は双方のチャート共に3曲目のトップ10ヒットとなりました。

前週ふたつのチャートで首位に初登場を果たしたオリヴィア・ロドリゴ「Vampire」はGlobal 200で首位をキープし、Global Excl. U.S.では3位に後退。Global 200ではストリーミングが前週比32%ダウンの5870万およびダウンロードが同46%ダウンの7,000を、Global Excl. U.S.ではストリーミングが前週比31%ダウンの3530万およびダウンロードが同33%ダウンの2,000を、それぞれ記録しています。

 

米ソングチャート同様にGlobal 200においても、テイラー・スウィフトは3曲をトップ10に送り込んでいます。アルバム『Speak Now (Taylor's Version)』から「I Can See You (Taylor's Version)(From The Vault)」が4位、「Back To December (Taylor's Version)」が10位にそれぞれ初登場し、また「Cruel Summer」が3→5位に。「I Can See You (Taylor's Version)(From The Vault)」はストリーミング5290万およびダウンロード6,000、「Back To December (Taylor's Version)」はストリーミング3860万およびダウンロード3,000を、それぞれ記録しています。これによりテイラー・スウィフトのGlobal 200におけるトップ10ヒットは17曲となり、ドレイクの28曲に次ぐ歴代2位となります。

Global 200ではガンナ「Fukumean」が12→8位へ上昇。ストリーミング4080万およびダウンロード1,000を記録しています。「Fukumean」はガンナにとって、インターネット・マネーと共演しドン・トリヴァーおよびナヴをフィーチャーした「Lemonade」(2020年10月 4位)、フューチャーと共演しヤング・サグを客演に招いた「Pushin P」(2022年2月 10位)に続く3曲目のトップ10ヒットとなります。

 

なおYOASOBI「アイドル」はGlobal 200にて前週の9位からトップ10落ち、Global Excl. U.S.では2→4位に後退しています。Global 200については日本時間の本日18時以降に順位が判明する予定です。