現地時間の10月17日月曜に発表された最新10月22日付米ビルボードソングスチャート(Hot 100)。スティーヴ・レイシー「Bad Habit」が3週連続で首位を獲得しました。
Steve Lacy’s "Bad Habit" tops the #Hot100 for a third week 💯 https://t.co/iKVNV7RlB7
— billboard (@billboard) October 17, 2022
スティーヴ・レイシー「Bad Habit」はストリーミングが前週比2%ダウンの2010万(同指標2位)、ダウンロードが同27%ダウンの2,000(同指標43位)、ラジオが同4%アップの4230万(同指標7位)を記録しています。
「Bad Habit」はホットロック&オルタナティブソングスチャート、ホットロックソングスチャート、ホットオルタナティブソングスチャート、ホットR&B/ヒップホップソングスチャートおよびホットR&Bソングスチャートを同時制覇(前半3種は8週連続、後半2種は7週連続首位)。5つのチャートを同じタイミングで制したのは「Bad Habit」が初となります。
サム・スミス & キム・ペトラス「Unholy」は2位をキープ。ストリーミングは前週比2%ダウンの2320万、ダウンロードは同10%アップの12,000となり、2指標を制覇。またラジオは前週比55%アップの1520万を記録しています。ストリーミングおよびダウンロード指標共に初登場から3連覇を果たしたのはオリヴィア・ロドリゴ「Drivers License」(2021年1月23日付から2月6日付まで3週連続)以来となります。
ハリー・スタイルズ「As It Was」も3位をキープ。4月16日付で首位に初登場して以降、最新チャートまで28連続で3位以上をキープし、自身の持つ3位以内最長在籍記録を更新しています。またラジオでは前週比2%アップの6000万を記録し同指標通算9週目の首位を獲得。この指標では5月21日付で初めてトップに立ってから最新の首位獲得までの期間が23週となり、ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」が2020年に記録した28週(うち首位獲得が26週)に次ぐ歴代2位となっています。
モーガン・ウォレン「You Proof」が7→5位となり、モーガンにとって4曲目のトップ10ヒットにして初のトップ5入りを達成。カントリーエアプレイ以外のジャンル(ポップやアダルトへのクロスオーバー)で登場していないながら総合ソングスチャートでトップ5ヒットとなったのは、ルーク・コムズ「Forever After All」(2020 総合2位)に次いでこの10年では2曲目となります。「You Proof」は「Forever After All」共々カントリーでのエアプレイのみならずストリーミングの強さが特徴であり、「You Proof」は今週ストリーミング1370万を記録(同指標8位)、またカントリーエアプレイチャートでは2週目の首位を獲得しています(なお「Forever After All」はストリーミング指標2位、カントリーエアプレイでは6週首位を獲得)。
「You Proof」はラジオ指標で前週比2%アップの3460万を記録し同指標10位に上昇。ラジオ指標が1998年12月以降すべてのジャンルに基づく形となって以降カントリーエアプレイ以外では登場しない曲が総合のラジオ指標でトップ10入りを果たしたのは、ルーク・コムズ「Forever After All」(2021年6月 10位)、コール・スゥインデル「She Had Me At Heads Carolina」(2022年10月上旬 9位、カントリーエアプレイでは9月以降4週以降)に続き、「You Proof」が3曲目となります。
ドージャ・キャット「Vegas」が11→10位に。ストリーミングは800万、ダウンロードは2,000、そしてラジオは前週比4%アップの4850万(同指標5位)を記録しています。
ドージャ・キャットは「Vegas」が6曲目となるトップ10ヒットに。今週4位(現時点での最高は3位)を記録しているポスト・マローンへの客演参加曲「I Like You (A Happier Song)」、ニッキー・ミナージュが客演参加したことで首位を記録した「Say So」(2020年5月 1週首位)、シザを迎えた「Kiss Me More」(2021年7月 3位)、「Need To Know」(2021年11月 8位)、そして「Woman」(2022年5月 7位)に続きます。2020年代において、女性歌手による6曲のトップ10ヒットはテイラー・スウィフトの5曲を抜き単独トップとなりました(なおテイラーは今週金曜にアルバム『Midnights』をリリースすることから、再来週のソングスチャートに収録曲がエントリーを果たすとみられます)。
「Vegas」は映画『エルヴィス』サウンドトラックに収録され、ビッグ・ママ・ソーントン「Hound Dog」をサンプリングした曲。エルヴィス・プレスリーによるオリジナル版は1956年のビルボードチャートを制しています(なお現在のソングスチャート(Hot 100 )が開始されたのは1958年8月4日付であり、「Hound Dog」の首位獲得は前身のチャートでとなります)。
エルヴィス・プレスリーによる「Hound Dog」は「Don't Be Cruel」をカップリングとしてリリースされ、「Don't Be Cruel」も1956年にビルボードチャートを制覇。その「Don't Be Cruel」はチープ・トリックによるカバー版が1988年10月に米ビルボードソングスチャートで最高4位を記録しています。またペット・ショップ・ボーイズは1988年に「Always On My Mind」をカバーし、同じく1988年5月に4位を記録(エルヴィスによるオリジナル(バラード)版は1973年にホットカントリーソングスチャートで16位に)。そしてエルヴィスが1962年に最高2位を記録した「Can't Help Falling In Love」のUB40によるカバー版は、1993年7月以降7週首位を獲得しています。
なおエルヴィス・プレスリーによる直近のソングスチャート100位以内エントリーは2021年1月。1957年にリリースされたクリスマスソング「Blue Christmas」が33位に上昇しています。
最新のトップ10はこちら。
The #Hot100 top 10 (chart dated Oct. 22, 2022)
— billboard charts (@billboardcharts) October 17, 2022[今週 (前週) 歌手名・曲名]
1位 (1位) スティーヴ・レイシー「Bad Habit」
2位 (2位) サム・スミス & キム・ペトラス「Unholy」
3位 (3位) ハリー・スタイルズ「As It Was」
4位 (4位) ポスト・マローン feat. ドージャ・キャット「I Like You (A Happier Song)」
5位 (7位) モーガン・ウォレン「You Proof」
6位 (6位) ワンリパブリック「I Ain't Worried」
7位 (5位) ニッキー・ユーア & デイジー「Sunroof」
8位 (8位) ニッキー・ミナージュ「Super Freaky Girl」
9位 (9位) ルーク・コムズ「The Kind Of Love We Make」
10位 (11位) ドージャ・キャット「Vegas」
グラス・アニマルズ「Heat Waves」が最新の米ビルボードソングスチャートで21位に入り、通算ランクイン週数が91週に。ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」(2019-2021)を越え、最長記録を達成しました。
.@GlassAnimals’ "Heat Waves" is now the longest charting #Hot100 song of all time 💯 https://t.co/D3tQoSkLwC
— billboard (@billboard) October 17, 2022
グラス・アニマルズのデイヴ・ベイリーは米ビルボードに対し、次のように語っています。
“Wow, all I can say is wow, (中略) Many of you know when I wrote this song I was writing about missing someone I loved very dearly. Never in my wildest dreams did I think that it would lead to so much love and connection across the globe. You all have done that. Thank you to everyone who has helped this song reach so many people. You know who you are. Thank you.”
「すごい、すごいとしか言いようがない。(中略) この曲を書いたとき、私がとても愛していた人に会えなくなることについて書いていたことは、多くの人が知っていることです。この曲がこれほどまでに世界中に愛とつながりをもたらすとは、夢にも思っていませんでした。みなさんがそうしてくれたのです。この曲が多くの人に届くように助けてくれたみんなに感謝します。自分のことをわかってくれているんですね。ありがとうございました。
・Glass Animals’ ‘Heat Waves’ Is Now the Longest Charting Hot 100 Song – Billboard(10月17日付)より。
(DeepL翻訳を用いて、一部語尾を訂正の上掲載しています。)
<米ビルボードソングスチャート 最長エントリー記録>
・91週 ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」(最高1位)
・90週 グラス・アニマルズ「Heat Waves」(最高1位)
・87週 イマジン・ドラゴンズ「Radioactive」(最高3位)
・79週 エイウォルネイション「Sail」(最高17位)
・77週 デュア・リパ「Levitating」(最高2位)
・76週 ジェイソン・ムラーズ「I'm Yours」(最高6位)
・69週 ザ・ウィークエンド & アリアナ・グランデ「Save Your Tears」(最高1位)、リアン・ライムス「How Do I Live」(最高2位)
・68週 ワンリパブリック「Counting Stars」(最高2位)、LMFAO feat. ローレン・ベネット & グーンロック「Party Rock Anthem」(最高1位)
グラス・アニマルズ「Heat Waves」は2020年6月にリリースされ、TikTokやラジオの影響で上昇。登場59週目となる今年3月に首位を獲得し、頂点到達までに最も時間を要した曲となりました。
なおザ・ウィークエンド「Blinding Lights」は最多トップ5入り(43週)、トップ10入り(57週)、トップ20入り(80週)およびトップ40入り(86週)でいずれも最長記録を樹立。グラス・アニマルズ「Heat Waves」はトップ40入りが76週となり、「Blinding Lights」に次ぐ歴代2位となっています。
グラス・アニマルズ「Heat Waves」は、テイラー・スウィフト「Willow」が首位を獲得した2021年1月16日付で100位に登場。最新10月15日付までの間、「Heat Waves」を除いてさらに27曲が米ビルボードソングスチャートを制覇し、またこの間「Heat Waves」は1266曲と共に100位以内に在籍してきたことになります。
米ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。10月22日付ではGlobal 200、Global Excl. U.S.共にサム・スミス & キム・ペトラス「Unholy」が3週連続で首位を獲得しました。
.@samsmith and @KimPetras' "Unholy" tops the Billboard Global Charts for a third week 🌎 https://t.co/Y55TP3YFf0
— billboard (@billboard) October 17, 2022
The Billboard #Global200 top 10 (chart dated Oct. 22, 2022)
— billboard charts (@billboardcharts) October 17, 2022
The Billboard Global Excl. U.S. top 10 (chart date Oct. 22, 2022)
— billboard charts (@billboardcharts) October 17, 2022
サム・スミス & キム・ペトラス「Unholy」はGlobal 200でストリーミングが前週比2%ダウンの8150万およびダウンロードが同9%アップの18,000を、Global 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.ではストリーミングが前週比2%ダウンの5930万、ダウンロードが同8%アップの6,000を記録。今回の「Unholy」首位獲得で、Global 200では34週連続、Global Excl. U.S.では32週連続で、米以外の歌手による作品の首位交代リレーが行われています。
<Global 200における首位獲得曲 米出身歌手以外の交代リレー>
・グラス・アニマルズ (イギリス)「Heat Waves」(3月5日付以降 通算6週)
・ハリー・スタイルズ (イギリス)「As It Was」(4月16日付以降 15週)
・ケイト・ブッシュ (イギリス)「Running Up That Hill (A Deal With God)」(6月18日付以降 3週)
・ビザラップ (アルゼンチン) & ケベード (スペイン)「Bzrp Music Sessions, Vol. 52」(7月30日付以降 4週)
・BLACKPINK (韓国)「Pink Venom」(9月3日付以降 2週)
・BLACKPINK「Shut Down」(10月1日付 1週)
・サム・スミス (イギリス) & キム・ペトラス (ドイツ)「Unholy」(10月8日付以降 3週)
<Global Excl. U.S.における首位獲得曲 米出身歌手以外の交代リレー>
・グラス・アニマルズ (イギリス)「Heat Waves」(3月19日付以降 通算3週)
・アニッタ (ブラジル)「Envolver」(4月9日付 1週)
・ハリー・スタイルズ (イギリス)「As It Was」(4月16日付以降 13週)
・BTS (韓国)「Yet To Come」(6月25日付 1週)
・ケイト・ブッシュ (イギリス)「Running Up That Hill (A Deal With God)」(7月16日付 1週)
・ビザラップ (アルゼンチン) & ケベード (スペイン)「Bzrp Music Sessions, Vol. 52」(7月30日付以降 6週)
・BLACKPINK (韓国)「Pink Venom」(9月3日付以降 3週)
・BLACKPINK「Shut Down」(10月1日付 1週)
・サム・スミス (イギリス) & キム・ペトラス (ドイツ)「Unholy」(10月8日付以降 3週)
Global 200およびGlobal Excl. U.S.での新たなトップ10入りはなかったものの、米ビルボードソングスチャートを制したスティーヴ・レイシー「Bad Habit」がGlobal 200において12→10位に。ストリーミングは前週比3%アップとなる3760万を記録し、8月27日付以来となるトップ10返り咲きを果たしています。