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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

(追記あり)【海外ビルボード】ハリー・スタイルズ連覇達成、『ストレンジャー・シングス』効果でケイト・ブッシュがトップ10入り

(※追記(6月9日6時17分):米ビルボードソングスチャートトップ10の画像付きツイートを追加しました。)

 

 

 

現地時間の6月6日月曜に発表された最新6月11日付米ビルボードソングスチャート(Hot 100)。ハリー・スタイルズ「As It Was」が2週連続、通算5週目の首位を獲得。またケイト・ブッシュが1985年にリリースした「Running Up That Hill (A Deal With God)」が8位に再登場を果たしました。

ハリー・スタイルズ「As It Was」はストリーミングが前週比22%ダウンの2760万(同指標2位)、ダウンロードが6500(同指標6位 なお前週比は記事未掲載)、ラジオが同2%ダウンの7240万(同指標4週目の1位)を記録。ダウンロードは前週の記事において獲得数と順位が共に未掲載となっていましたが、最新チャートの記事で前週が10位だったことが判明しました。

ハリー・スタイルズは前週、アルバム『Harry's House』の首位初登場に伴い「As It Was」を含む4曲がトップ10入り。今週は2曲がトップ10落ちしたものの、「Late Night Talking」は5ダウンしながら9位にとどまっています。

フューチャー feat. ドレイク & テムズ「Wait For U」が3位をキープ。ストリーミングは前週比2%ダウンの3150万を記録し、同指標3週目の首位を獲得しています。

リゾ「About Damn Time」は同曲最高位となる4位に。ラジオが好調で、前週比16%アップの4090万を記録し同指標10位に到達、トップエアプレイゲイナーを獲得しています。リゾにとってラジオ指標のトップ10入りは、「Truth Hurts」(2019年9月 6週1位)、「Good As Hell」(2019年11月 4週1位)に続き3曲目となります。

ケイト・ブッシュ「Running Up That Hill (A Deal With God) (邦題:神秘の丘)」が8位に再登場を果たしました。1985年のリリース時に30位を記録したこの曲は、5月27日にNetflixで公開された『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン4(1~7話までが公開。8、9話は7月1日公開予定)で繰り返し用いられています。ケイト自身も作品のファンを公言し、「Running Up That Hill (A Deal With God)」がどのように使われるか脚本や映像を確認した上で、曲の使用を承認しています。

「Running Up That Hill (A Deal With God)」はダウンロード18300を記録し、同指標初の首位に。ケイト・ブッシュ自身にとっても同指標初制覇となります。ストリーミングは1750万を記録し同指標6位に登場、ラジオは392000を獲得しています。前週は3指標共ごく僅かな数値となっていました。なおLuminateによるデータ追跡によると、1991年以降これまでにおける「Running Up That Hill (A Deal With God)」3指標の獲得総数は、ストリーミングが5240万、ダウンロードが151000、ラジオが6250万となっています。

ケイト・ブッシュはイギリスのシンガーソングライターで、米ビルボードチャートには1979年に初登場。その彼女にとって今回のトップ10入りはキャリア初となります。またこれまでのキャリア最高位も「Running Up That Hill (A Deal With God)」が1985年11月30日付で記録した30位でした。なおこの週はフィル・コリンズ & マリリン・マーティン「Separate Lives」がスターシップ「We Built This City」を破り首位に到達したほか、エディー・マーフィー「Party All The Time」がトップ10入り、ワム!「I'm Your Man」が55位に初登場、そして100位にはマドンナ「Dress You Up」が入っていました。

ケイト・ブッシュ「Running Up That Hill (A Deal With God)」はケイト単独によるソングライトおよびプロデュース曲で、1985年9月7日付にて95位に初登場。今回、初登場から実に36年9ヶ月1週の時を経てトップ10入りした形です。この長期間を経てのトップ10入り記録は、チャック・ベリー「Run Rudolph Run」が2020年のクリスマスシーズンに初登場から62年と2週を経てトップ10入りして以来となり、同曲が最長記録となります。クリスマスソングを除けばこの10年での再浮上例として挙げられるのが、フリートウッド・マック「Dreams」。1977年に首位を記録したこの曲は、2020年10月にTikTokのバズが影響し12位に再浮上を果たしています。

またメグ・マイヤーズによるカバーバージョンが、2020年2月にオルタナティヴエアプレイチャートを2週制したことも記しておきます。このカバーもオリジナル版の注目を集めたひとつと言えるかもしれません。

なお記事にはありませんが、「Running Up That Hill (A Deal With God)」については、世界的な大ヒットが見えてきたタイミングでブログにて紹介しています。

 

最新のトップ10はこちら。

(※追記(6月9日6時17分):米ビルボードソングスチャートトップ10の画像付きツイートを追加しました。)

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (1位) ハリー・スタイルズ「As It Was」

2位 (2位) ジャック・ハーロウ「First Class」

3位 (3位) フューチャー feat. ドレイク & テムズ「Wait For U」 

4位 (5位) リゾ「About Damn Time」

5位 (6位) グラス・アニマルズ「Heat Waves

6位 (7位) ラトー「Big Energy」

7位 (10位) バッド・バニー feat. チェンチョ・コルレオーネ「Me Porto Bonito」

8位 (再登場) ケイト・ブッシュ「Running Up That Hill (A Deal With God)」

9位 (4位) ハリー・スタイルズ「Late Night Talking」

10位 (12位) ザ・キッド・ラロイ & ジャスティン・ビーバー「Stay」

ザ・キッド・ラロイ & ジャスティン・ビーバー「Stay」がトップ10に返り咲き、トップ10在籍は44週となりました。これはザ・ウィークエンド「Blinding Lights」の57週(2020-2021年)に次ぐトップ10在籍記録となります。なお「Stay」は初登場から43週続けてトップ10入りしており、こちらについては最長記録となります。

 

 

ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。6月11日付ではハリー・スタイルズ「As It Was」が双方のチャートで9週連続の首位を獲得しています。

ハリー・スタイルズ「As It Was」は、Global 200においてストリーミングが前週比17%ダウンの9670万、ダウンロードが同15%ダウンの16500を、Global 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.ではストリーミングが前週比15%ダウンの7090万、ダウンロードが同5%ダウンの9100を記録。Global Excl. U.S.においては、「As It Was」はゲイル「Abcdefu」(2022年1月以降)、ザ・キッド・ラロイ & ジャスティン・ビーバー「Stay」(2021)およびオリヴィア・ロドリゴ「Drivers License」(2021)に並ぶ最長首位記録を達成しています。

グローバルチャートではバッド・バニーの強さが際立ちます。アルバム『Un Verano Sin Ti』からはGlobal 200においてトップ10内に4曲、Global Excl. U.S.では5曲がランクインを果たしました。

そして米同様、ケイト・ブッシュ「Running Up That Hill (A Deal With God)」が双方のチャートでトップ5入り。Global 200ではストリーミング4910万、ダウンロード28600を記録し3位に、Global Excl. U.S.ではストリーミン3170万、ダウンロード10200を記録し5位に到達しています。