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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【海外ビルボード】米ソングスチャートで9曲トップ10入り等、ドレイクの大記録続出

最新米ビルボードおよびグローバルチャートの速報をお伝えします。

現地時間の9月13日月曜に発表された最新9月18日付米ビルボードソングスチャート(Hot 100)。ドレイクが前代未聞となる9曲同時トップ10入りを果たしました。

 

まずは最新のトップ10をチェックします。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (初登場) ドレイク feat. フューチャー & ヤング・サグ「Way 2 Sexy」

 (ストリーミング6730万、ダウンロード7000、ラジオ770万)

2位 (初登場) ドレイク feat. リル・ベイビー「Girls Want Girls」

 (ストリーミング5740万、ダウンロード3000、ラジオ150万)

3位 (初登場) ドレイク feat. トラヴィス・スコット「Fair Trade」

 (ストリーミング5380万、ダウンロード5800、ラジオ240万)

4位 (初登場) ドレイク「Champagne Poetry」

 (ストリーミング4830万、ダウンロード1900、ラジオ297000)

5位 (初登場) ドレイク feat. 21サヴェージ & プロジェクト・パット「Knife Talk

 (ストリーミング4590万、ダウンロード3300、ラジオ141000)

6位 (2位) ザ・キッド・ラロイ with ジャスティン・ビーバー「Stay」

 (ストリーミング2770万、ダウンロード12100、ラジオ7630万)

7位 (初登場) ドレイク feat. リル・ダーク & ギヴィオン「In The Bible」

 (ストリーミング4140万、ダウンロード800、ラジオ489000)

8位 (初登場) ドレイク「Papi's Home」

 (ストリーミング3990万、ダウンロード1800、ラジオ663000)

9位 (初登場) ドレイク「TSU」

 (ストリーミング3980万、ダウンロード1500、ラジオ120万)

10位 (初登場) ドレイク feat. ジェイ・Z「Love All」

 (ストリーミング3910万、ダウンロード3200、ラジオ250万)

ドレイクの各曲を大きく支えるのはストリーミングです。

ドレイクは最新米ビルボードアルバムチャートで『Certified Lover Boy』が初登場首位を獲得。ユニット数は今年最高となる613000となり、うちストリーミングのアルバム換算分が562000。アルバム収録曲の聴取回数は7億4367万回に達したことで、ソングスチャートにも大きく反映されています。

ドレイクは『Certified Lover Boy』収録の21曲を全てソングスチャートトップ40内に送り込みました。

 

それでは、ドレイクが成し遂げた記録の数々をみていきましょう。ドレイク feat. フューチャー & ヤング・サグ「Way 2 Sexy」は米ビルボードソングスチャート63年の歴史において、BTS「Butter」以来となる通算56曲目の初登場首位獲得曲となりました。

首位を獲得したドレイク feat. フューチャー & ヤング・サグ「Way 2 Sexy」はストリーミングにおいて6730万を記録。これは1月23日付にてオリヴィア・ロドリゴ「Drivers License」が記録した7610万に次ぐ今年2位の記録となります。またこの曲がラジオ向けにはシングル曲扱いとなり、同指標が他の曲より高くなっています。

「Way 2 Sexy」はドレイクにとって、リアーナに客演参加した「What's My Name?」が2010年11月20日付で制して以来9曲目の首位獲得作品となりました。今年は「What's Next」(3月20日付)以来2曲目となります。初登場での首位獲得はその「What's My Name?」をはじめ、「God's Plan」「Nice For What」(共に2018)、「Toosie Slide」(2020)に続く5曲目となり、アリアナ・グランデに並ぶ最多タイとなりました。

『Certified Lover Boy』そして「Way 2 Sexy」のアルバム/ソングスチャート初登場での同時制覇により、ドレイクはテイラー・スウィフト(2020年8月8日付 『Folklore』および「Cardigan」、2020年12月26日付 『Evermore』および「Willow」)、BTS(2020年12月5日付 『Be』および「Life Goes On」)、ジャスティン・ビーバー(2021年4月3日付 『Justice』および「Peaches (feat. ダニエル・シーザー & ギヴィオン)」)に次ぐ4組目の快挙を達成しています。

「Way 2 Sexy」はライト・セッド・フレッド「I'm Too Sexy」を引用。オリジナル版も1992年に3週首位を獲得したほか、同曲を用いたテイラー・スウィフト「Look What You Made Me Do」も2017年に3週首位を記録。「Way 2 Sexy」は「I'm Too Sexy」のフックアップに貢献しています。

 

何よりドレイクの凄さは、チャートの独占/寡占にあります。ドレイクはトップ10のうち5位までを独占。これはビートルズが1964年4月4日付で「Can't Buy Me Love」「Twist And Shout」「She Loves You」「I Want To Hold Your Hand」そして「Please Please Me」を独占して以来、史上2回目となります。なおドレイクは今週4位に送り込んだ「Champagne Poetry」の中でビートルズ「Michelle」を引用しており、作者のジョン・レノンそしてポール・マッカトニーがソングライターにクレジットされています。

史上2組目、ソロ歌手では初となったドレイクのトップ5独占ですが、今回は全曲初登場での独占となりこちらも史上初。上位3曲の初登場での独占は、これまたドレイクが今年3月20日付で「What's Next」「Wants And Needs (feat. リル・ベイビー)」「Lemon Pepper Freestyle (feat. リック・ロス)」を送り込んで以来、史上2回目となります。

ドレイクはトップ10においても9曲を独占。これは自身のアルバム『Scorpion』が初登場でアルバムチャートを制した2018年7月14日付での7曲を上回る史上最多となります。また『Certified Lover Boy』からは9曲がトップ10入りし、オリジナルアルバムから最も多くのソングスチャートトップ10入りを送り込んだ作品となりました。これまではマイケル・ジャクソン『Thriller』(トップ10送り込み期間は1982-1984)、ブルース・スプリングスティーン『Born In The U.S.A.』(同1984-1985)、ジャネット・ジャクソン『Rhythm Nation 1814』(同1989-1991)およびドレイク『Scorpion』(2018)の7曲が最高でした。

今回の9曲トップ10入りで、ドレイクのトップ10入り作品は54曲に。また初登場でのトップ10入りは39曲に達しています。またトップ40では140曲、100位以内となると258曲に達し、共に史上最多を更新。さらにはカナダ出身の歌手における首位獲得曲数ではジャスティン・ビーバーの8曲を抜き、単独最多記録となりました。

 

今回、ドレイクの客演参加陣にとっても記録達成となりました。「Way 2 Sexy」に参加したフューチャーはソングスチャート126曲のランクインにして初の首位獲得曲に。トップ10入りは4曲目ですが、ドレイクを迎えた「Life Is Good」が昨年8週に渡り2位を記録したのがこれまでの最高でした(その他のトップ10入りは、リル・ウェインにドレイクと共に招かれた「Love Me」(2013 9位)および自身の「Mask Off」(2017 5位))。

一方で同じく「Way 2 Sexy」に参加したヤング・サグにとっては、カミラ・カベロに客演参加した「Havana」(2018)、トラヴィス・スコットにM.I.A.共々招かれた「Franchise」(2020)に続く3曲目の首位到達曲となります。

10位に入った「Love All」にフィーチャーされたジェイ・Zにとっては、ビヨンセとの「Drunk In Love」が2014年に2位を記録して以来、7年半ぶりのトップ10入りとなりました。フォクシー・ブラウンに客演参加した「I'll Be」で1997年に7位を記録して以降各年代でトップ10入りし、マライア・キャリーに次いで2組目となる4つのディケイドでのトップ10入りを達成しています。なおジェイ・Zはそのマライア・キャリーにフィーチャーされた「Heartbreaker」(1999)が自身初の首位獲得曲となりました。

その他のドレイク客演参加陣におけるトップ10入り曲数はトラヴィス・スコットが10曲、リル・ベイビーが8曲、21サヴェージが5曲、ギヴィオンおよびリル・ダークが2曲、そしてプロジェクト・パットが初となります。

 

ドレイクに押し出される曲の中にあって、トップ10内に唯一とどまったのがザ・キッド・ラロイ with ジャスティン・ビーバー「Stay」。4ランクダウンながら6位を記録しています。ストリーミングは前週比8%ダウンの2770万、ダウンロードは同9%ダウンの12100、ラジオは同7%アップの7630万となり、今週はカナダ出身の歌手(ドレイクおよびジャスティン・ビーバー)がトップ10の全曲にランクインする形となりました。

各指標のトップを確認すると、ストリーミングはドレイク feat. フューチャー & ヤング・サグ「Way 2 Sexy」が制し、ドレイクにとっては同指標最多となる11曲目の首位に(なおヤング・サグは2曲目、フューチャーは初の同指標首位獲得)。ラジオは前週比1%アップの7640万を記録したエド・シーラン「Bad Habits」が2週目の首位となり、ダウンロードはBTS「Butter」が前週比41%ダウンの84500ながら同指標15週目のトップとなりました。

なお総合チャートにおいては「Bad Habits」は10ランクダウンの13位に、「Butter」は16ランクダウンの17位となっています。

 

 

昨年秋に新設されたグローバルチャート速報。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。9月18日付ではGlobal 200、Global Excl. U.S.共にザ・キッド・ラロイ with ジャスティン・ビーバー「Stay」が制覇。Global 200は通算7週目、Global Excl. U.S.においては5連覇を達成しています。

ザ・キッド・ラロイ with ジャスティン・ビーバー「Stay」はGlobal 200にてストリーミングが前週比5%ダウンの1億1980万、ダウンロードが同5%ダウンの23400を、Global 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.ではストリーミングが前週比3%ダウンの9430万、ダウンロードが同1%ダウンの11600を記録しています。

Global 200においてはストリーミングが5週連続で1億回再生を突破(1億850万→1億2370万→1億2490万→1億2570万→1億1980万)。これは今年初の快挙達成です。

2位にはドレイク feat. フューチャー & ヤング・サグ「Way 2 Sexy」が初登場。ストリーミングは9690万、ダウンロードは8500を記録しています。トップ10にはその他、「Girls Want Girls (feat. リル・ベイビー)」が3位、「Fair Trade (feat. トラヴィス・スコット)」が4位、「Champagne Poetry」が5位、「Knife Talk (feat. 21サヴェージ & プロジェクト・パット)」が6位、「Papi's Home」が8位、「In The Bible (feat. リル・ダーク & ギヴィオン)」が9位、「Love All (feat. ジェイ・Z)」が10位に入り、ドレイクは8曲すべて初登場にて同時トップ10入りを果たしています。ドレイクのGlobal 200でのトップ10入りはこれで13曲となりました。

一方のGlobal Excl. U.S.ではドレイクが3曲同時トップ10入り。「Girls Want Girls (feat. リル・ベイビー)」がストリーミング3500万およびダウンロード1100を獲得し4位に入ったのが最高となり、「Fair Trade (feat. トラヴィス・スコット)」が5位、「Way 2 Sexy (feat. フューチャー & ヤング・サグ)」が9位に登場しています。ドレイクはGlobal Excl. U.S.において「What's Next」の11位がこれまでの最高であり、この3曲が自身初のトップ10入りとなりました。

 

 

次週はドレイクがどこまで踏みとどまることができるかに注目。「Way 2 Sexy (feat. フューチャー & ヤング・サグ)」に人気が集約されることが予想されます。また現地時間の9月12日に開催された【2021 MTVビデオ・ミュージック・アワード】のパフォーマンス曲や受賞作品の動向にも注目しましょう。