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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングスチャートなどを紹介します。

【海外ビルボード】米チャートで「Stay」が6週目の首位、リル・ナズ・Xが3曲同時トップ10入り達成

最新米ビルボードおよびグローバルチャートの速報をお伝えします。

現地時間の9月27日月曜に発表された最新10月2日付米ビルボードソングスチャート(Hot 100)。ザ・キッド・ラロイ with ジャスティン・ビーバー「Stay」が通算6週目の首位を獲得しました。

ザ・キッド・ラロイ with ジャスティン・ビーバー「Stay」はストリーミングが前週比2%ダウンの2670万(同指標4位)、ダウンロードが同14%ダウンの10800(同指標4位)、ラジオが同6%アップの8130万(同指標1位)に。

「Stay」はソロ男性歌手のコラボ曲で史上3位タイとなる6週首位を獲得。ルイス・フォンシ & ダディー・ヤンキー feat. ジャスティン・ビーバー「Despacito」(2017)の16週、ポール・マッカートニースティーヴィー・ワンダー「Evony & Ivory」(1982)の7週に続く形となり、「Stay」はポール・マッカートニーマイケル・ジャクソン「Say Say Say」(1983)と並びました。

 

リル・ナズ・X & ジャック・ハーロウ「Industry Baby」が4ランクアップし2位へ。これはリル・ナズ・Xのアルバム『Montero』が今週2位に初登場したことに因る上昇です。

「Industry Baby」はストリーミングが前週比35%アップの2920万(同指標2位)、ラジオが前週比19%アップの4670万(同指標6位)となり、ラジオ指標においてはビリー・レイ・サイラスを迎えた「Old Town Road」(2019 2位)、「Montero (Call Me By Your Name)」(2021 3位)に続く3曲目のトップ10入り。ジャック・ハーロウにとってラジオ指標でのトップ10入りは初となります。

 

男性ソロ歌手同士によるコラボレーション且つ両者主演扱いの曲がワンツーフィニッシュを果たしたのは米ビルボードソングスチャート63年の歴史の中で初となります。

(なお、前回のブログエントリーまで「Industry Baby」の表記をリル・ナズ・X feat. ジャック・ハーロウと表記していましたが、実際はリル・ナズ・X & ジャック・ハーロウでした。訂正してお詫び申し上げます。)

 

アルバム『Montero』の初登場に伴い、リル・ナズ・Xは今週ソングスチャートに11曲を送り込みました。

4月に米ビルボードソングスチャートを初登場で制した「Montero (Call Me By Your Name)」は13→9位に(ストリーミングは前週比57%アップの1620万となり同指標10位)、そして「That's What I Want」が10位に初登場を果たし、リル・ナズ・Xは3曲同時トップ10入りを達成しています。

「That's What I Want」はストリーミングが2420万を獲得し同指標5位に登場。リル・ナズ・Xにとって5曲目のトップ10入りとなりました(うち初登場でのトップ10入りは3曲目)。

 

リル・ナズ・X関連では、エルトン・ジョンを迎えた「One Of Me」が88位に初登場。エルトン・ジョンは69曲目となるソングスチャート100位以内エントリーを達成しました。今年はデュア・リパとの「Cold Heart (Pnau Remix)」に次ぐ2曲目となり、複数曲の100位以内エントリーは1998年以来となります。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (1位) ザ・キッド・ラロイ with ジャスティン・ビーバー「Stay」

2位 (6位) リル・ナズ・X & ジャック・ハーロウ「Industry Baby」

3位 (2位) ドレイク feat. フューチャー & ヤング・サグ「Way 2 Sexy」

4位 (3位) エド・シーラン「Bad Habits」

5位 (5位) ウォーカー・ヘイズ「Fancy Like」

6位 (7位) オリヴィア・ロドリゴ「Good 4 U」

7位 (8位) ドージャ・キャット feat. シザ「Kiss Me More」 

8位 (4位) ドレイク feat. 21サヴェージ & プロジェクト・パット「Knife Talk

9位 (13位) リル・ナズ・X「Montero (Call Me By Your Name)」

10位 (初登場) リル・ナズ・X「That's What I Want」

ストリーミングの首位はドレイク feat. フューチャー & ヤング・サグ「Way 2 Sexy」(総合3位)で、前週比19%ダウンの3250万を獲得しています。「Way 2 Sexy」はラジオが前週比59%アップの2760万を獲得し、同指標21位に上昇しています。

 

トップ10以外では、テイラー・スウィフト「Wildest Dreams (Taylor's Version)」が37位に初登場。

TikTokで人気となっていた曲の原盤権をテイラー・スウィフトがコントロールできないため、再録版(Taylor's Version)をサプライズリリースしたという経緯については、下記エントリーに記しています。

テイラー・スウィフトは今回のエントリーでトップ40ヒットが81曲となり、ドレイクの143曲、リル・ウェインの87曲に次ぐ歴代3位タイに。テイラーはエルヴィス・プレスリーと並びました。また100位以内エントリーでは138曲目となり、女性歌手では最多記録を更新しています。

 

 

昨年秋に新設されたグローバルチャート速報。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。10月2日付ではGlobal 200、Global Excl. U.S.共にザ・キッド・ラロイ with ジャスティン・ビーバー「Stay」が制覇。Global 200は通算9週目、Global Excl. U.S.では7連覇を達成しています。

ザ・キッド・ラロイ with ジャスティン・ビーバー「Stay」はGlobal 200ではストリーミングが前週とほぼ変わらず1億1560万、ダウンロードが前週比12%ダウンの20600を、Global 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.ではストリーミングが前週比1%アップの9150万、ダウンロードが同10%ダウンの10100を獲得。Global 200においてはストリーミングが7週連続で1億回以上再生されており(1億850万→1億2370万→1億2490万→1億2570万→1億1980万→1億1570万→1億1560万)、最長記録を更新しています。

Global 200ではリル・ナズ・Xがトップ10に3曲ランクイン。アルバム『Montero』効果で、ジャック・ハーロウとの「Industry Baby」が3→2位、「That's What I Want」が4位初登場、そして「Montero (Call Me By Your Name)」が21→9位に上昇しています。ストリーミングは順に9130万(前週比24%アップ)、6310万そして5030万(前週比33%アップ)となっています。

Global 200ではCケイ(CKay)「Love Nwantiti (Ah Ah Ah)」が30→8位に。ナイジェリアの歌手によるこの曲はストリーミングが前週比82%アップの5060万、ダウンロードが同121%アップの2600を獲得。オリジナルは2019年のアルバム『CKay The First』に収録されていますが、”North African”、”East African”および”South African”の各種リミックス、さらにはドイツ語、フランス語、スペイン語およびイタリア語でのバージョンを、それぞれの地域や国の歌手とコラボして投入したことが今回の結果につながりました。

Global Excl. U.S.ではリル・ナズ・X & ジャック・ハーロウ「Industry Baby」が3→2位(ストリーミングは前週比19%アップの6300万を獲得)、Cケイ「Love Nwantiti (Ah Ah Ah)」が21→4位(ストリーミングは前週比80%アップの4290万を記録)となり、またストリーミング3960万を記録したリル・ナズ・X「That's What I Want」が8位に初登場を果たしています。

 

 

最後に。記事翻訳の後に私見を載せる形を採っていきます。

リル・ナズ・Xの3曲同時トップ10入りはれっきとしたヒットと言えるでしょう。先行曲である「Montero (Call Me By Your Name)」およびジャック・ハーロウとの「Industry Baby」がアルバムへの期待度を高め、そしてアルバム『Montero』初登場のタイミングでその2曲が上昇し且つリード曲である「That's What I Want」がトップ10入りした形です。次週「That's What I Want」は急落する可能性がありますが、3曲の動向に注目したいところです。

2週前、9曲同時にソングスチャートのトップ10内に送り込んだドレイクは、今週2曲がトップ10内にランクイン。フューチャーとヤング・サグを迎えた「Way 2 Sexy」はストリーミングがダウンするもののヒップホップが強くないとされるラジオで急伸、ドレイクの人気の高さが示された形です。仮に先行リリースされていたならばより好いチャートアクションを示したでしょうが、ラジオ指標がさらに伸びればロングヒットに至れる可能性は十分です。

来週はコールドプレイ & BTS「My Universe」の初登場が見込まれます。ダウンロード指標を武器に初週トップ10入りする可能性は十分ある一方、その翌週の動向をみて真のヒット曲に至れるかを判断する必要があります。