今週水曜に発表された1月18日付ビルボードジャパンソングスチャートから、今後の(さらなる)ブレイクが期待できる作品が上位進出を窺っていることが見えてきます。
まずは2週連続で4位をキープする優里「ドライフラワー」。前週1月11日付(集計期間:2020年12月28日~2021年1月3日)は年末年始のストリーミング指標ダウンが大きく影響しポイント前週比93.0%となりましたが今週は同110.7%となり、ポイントも1万ポイント目前まで迫っています。
今週のチャートにおいて注目すべきはラジオエアプレイ指標。上記チャート推移(CHART insight)をみると、明るい緑の折れ線グラフで示される同指標は3週ぶりに300位以内に復帰したどころか、最高位となる36位を記録しています。前週は2020年のヒット曲もしくは『NHK紅白歌合戦』で披露された注目曲が、2週前はクリスマスソングが大挙ランクインしていたラジオエアプレイにあって、通常進行に戻った今週は「ドライフラワー」をはじめ注目の新鋭が多く(再)登場しているのです。
ヒゲダン新曲が堂々1位発進、YOASOBIが5曲同時イン、注目勢が2021年活躍の狼煙をあげる【エアモニ】 https://t.co/QwOamHaC6F
— ミュージックマン (@musicman_net) 2021年1月13日
(※上記ミュージックマンの記事におけるランキングは、プランテックによる集計対象局のOA回数に基づくもの。ビルボードジャパンは同じくプランテックのデータに基づきながら、対象ラジオ局の聴取可能人口や聴取率を加味した上でラジオエアプレイ指標を算出しています。)
昨年はTikTokやYouTube発となるヒット曲が大挙登場しながら、それらの曲に共通して強くなかったのがラジオエアプレイとカラオケでした。しかしカラオケでは今週最高位となる4位に到達し、ラジオエアプレイでも遂に上位進出を果たした優里「ドライフラワー」は、最も強い指標のひとつであるストリーミングにおいても速報段階で2位を記録(【先ヨミ・デジタル】BTS「Dynamite」ストリーミング首位走行中 YOASOBIがトップ10に3曲チャートイン | Daily News | Billboard JAPAN(1月15日付)参照)。次週、初の総合チャートトップ3入りを狙います。
Ado「うっせぇわ」は前週もポイント前週割れを起こさず、今週は前週比125.1%と躍進。順位も29→22→13位と大きく伸ばしています。最新1月18日付ビルボードジャパンヒートシーカーズソングスチャートでは姿を消してしまいましたが(チャートはこちら)、これは今週総合チャートで20位以内にランクインしたことでヒートシーカーズソングスチャートにおけるランクイン要件から外れたため。要件についてはビルボードジャパンのホームページに記載されています(→こちら)。
この「うっせぇわ」、今年度からスタートしたユーザー生成コンテンツ(UGC)専用のチャートで遂に首位を獲得しました。下記リンク先は1月18日付となります。
今年度から動画再生およびストリーミング指標のカウント対象となる動画は公式のみとなり、歌ってみたや踊ってみたに代表されるUGCは別途チャートが設けられています。「うっせぇわ」はそのUGC専用チャートが新設された2020年12月7日付で6位に登場すると、5→2→2→2→2位と推移、そして今週首位の座を射止めた形です。とはいえチャートを制した要因のひとつには悲しい出来事があるのですが。
『YouTuber「うごくちゃん」の遺作が、1月8日に公開された。18歳の女性シンガー「Ado(アド)」の楽曲『うっせぇわ』をカバーしたもので、10日正午現在で300万回以上も再生されている』
— Kei (@Kei_radio) 2021年1月14日
最新の #ビルボードポッドキャスト で #Ado「#うっせぇわ」急上昇の要因のひとつとしてこちらを紹介。なるほど… https://t.co/FGk3FPJ9e1
多くの方が溜め込むフラストレーションを「うっせぇわ」に乗せて吐き出す…この曲のヒットの要因には間違いなく”共感”があると言えるでしょう。カラオケ指標も13位まで上昇しトップ10入りを窺っています。あとは未だ300位以内にも入っていないラジオエアプレイで火が付けば、さらなるチャート上昇も十分あり得るでしょう。