イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

2020年私的邦楽ベストソングスを選びました

毎年行っている私的な選曲集、2020年版です。

<2020年私的邦楽ベスト (2020年12月17日作成)>

◯ 作成時のルール

 ・昨年12月から今年11月にかけて発売されたシングル、またはアルバムからのリード曲で、基本的にはミュージックビデオが制作された曲から選出(ミュージックビデオ未制作ながらアルバムのリード曲としてラジオオンエアされた作品を一部含む)

 ・1組の歌手につき主演曲は1曲のみ。客演曲はその限りでない

 ・1枚のCD-R(80分弱)に収まるように編集。歌手名の前の数字はプレイリストを考慮した曲順であり順位ではない

参考として、昨年はこちら。

大半は今年の上半期、もしくは下半期ベストにて選出しています。

 

今年は全体の選曲傾向について記載。

サブスクリプションサービスをApple MusicからSpotifyに切り替えたことで、アプリの軽さに代表される使い勝手の良さも相俟って毎週のように新曲を聴き漁った2020年。これまでの常連に加えて新鋭の歌手を、メジャー/インディに関係なく選ぶことができたと自負しています。しかしながらサブスク主体で聴くようになると、サブスク未解禁の作品について漏れが生じるようにもなり、今回1曲目に選んだ曲はまさに上半期ベストで入れ忘れた曲でした。失念した自分が悪いと言われればそれまでですが、しかしサブスクをメインで(もしくはそれのみで)利用する方にとってはサブスク未解禁の作品は存在しないことになるということを強く感じた次第です。

それにしても、今年は新型コロナウイルス抜きに語ることはできません。ライブやフェスの中止、ライブハウスの相次ぐ閉店、エンタテインメント業界に冷たいと言わざるを得ない行政の対応…社会は閉塞感を増しました。その閉塞感は、誰かを見下すことでしか自己の優位性を保てない人が増えただろうことからも強く感じられ、さらには彼らが徒党を組むなどすることで、いっそうの分断が生み出されたとすら思うのです。この圧迫した空気、そして新型コロナウイルスがいつ蝕むか解らないという不安は、肉体的以上に精神的な意味での苦しみを常に抱かせるものとなってしまいました。

その一方で、いわゆるコロナ禍だからこそ新しい音を紡ぎ出そうとする者は少なくなく、さらにCDリリース等が自粛せざるを得ない状況でTikTokやサブスクが若年層を中心に主要ツールとなったことで、新しい曲や歌手がどんどん脚光を浴びるようになった一年に。希望を謳い、喜びや楽しさが溢れ、共感してもらうことで自己の存在を確認できる等の面において、やや強引かもしれませんが”生”と呼べるポジティブさがみなぎっているように思うのです。

そんな両極に触れることが多かった2020年、特に下半期にはそのような楽曲を多く選んでいます。

・2020年私的邦楽ベスト 

 

01. 鈴木愛理「Break it down」

02. 竹内アンナ「I My Me Myself」

(下記は公式オーディオ)

03. 三浦透子「おちつけ」

(下記は公式オーディオ)

04. Chara+YUKI「楽しい蹴伸び」

05. 平井堅 feat. あいみょん「怪物さん」

06. 藤井風「優しさ」

07. millennium parade「Fly with me」

08. 三浦大知「COLORLESS」

(下記はコレオグラフィービデオ)

09. 宇多田ヒカル「誰にも言わない」

(下記は使用されたCMのメイキング映像)

10. NakamuraEmi「東京タワー」

11. MISIA「さよならも言わないままで」

12. 三浦春馬「Night Diver」

13. Wu Mang「ミラー」

14. Omoinotake「夏の幻」

15. BBHF「君はさせてくれる」

16. Lucky Kilimanjaro「太陽」

17. ROTH BART BARON「極彩 | I G L (S)」

18. 嵐「Whenever You Call」

19. Official髭男dism「Laughter」

悲しみを湛える曲、生きることの喜びを奏でる曲、つながろうとする曲…例年以上に心を揺さぶられる曲が多い印象があります。そして三浦大知「COLORLESS」、Official髭男dism「Laughter」は共に自分自身を貫き前を向くことがテーマ。偶然にも今の社会が、無論自分自身が必要だと感じるものがこの2曲に集約されています。

 

Spotifyのプレイリストはこちら(上記「Break it down」は未解禁のため含まれていません)。 

今年も素晴らしい音楽に出会えたことに感謝します。