米ビルボードソングスチャート、現地時間の10月19日月曜に発表された最新10月24日付ソングスチャート(Hot 100)は24Kゴールデン feat. イアン・ディオール「Mood」が初のナンバーワンに輝きました。
.@24kGoldn and @ianndior's "Mood" hits No. 1 on the #Hot100. 🏆
— billboard (@billboard) 2020年10月19日
Get a full breakdown of this week's top 10 songs: https://t.co/0itgwacsyk pic.twitter.com/PWrOCrH7jp
Hot100通算1112曲目の1位、今年17曲目の首位となった「Mood」。24Kゴールデンにとっては昨年11月に「Valentino」が92位に入って以来2曲目のHot100エントリーにして初の首位、イアン・ディオールにとってはHot100自体初エントリーでのナンバーワンとなりました。この曲がヒットの源流は今回もTikTokとのこと。
ストリーミングは前週比2%ダウンの2030万(同指標4位)、ダウンロードは同2%ダウンの7000(同指標6位)、ラジオエアプレイは同16%アップの6290万(同指標6位)。各指標いずれもトップ3には入っていないものの安定した数値を獲得して総合で制した形。特にラジオエアプレイは直近7週のうち6週間もエアプレイゲイナーを獲得しており、同スパンでのエアプレイゲイナー獲得は2017年5-7月にかけてのダディー・ヤンキー & ルイス・フォンシ feat. ジャスティン・ビーバー「Despacito」以来であることから、ラジオでの伸びがヒットの形成において如何に重要かが解ります。
24Kゴールデンはラッパーでもあるのですが、「Mood」はロック&オルタナティブソングスチャートおよびオルタナティブソングスチャートで8週目の首位を獲得。今週は初めてラップソングスチャートも制していますが、ラップとロックの相性の好さは先日のマシン・ガン・ケリーによるアルバム『Tickets To My Downfall』を想起させます。同作品はアルバムチャートを制しており、もしかしたらラッパーのロックアプローチは今後増えていくのかもしれません。
ちなみに”Mood”やその関連語が付いた首位獲得曲はこれが二度目。59年前、1961年6月19日付でパット・ブーン「Moody River」が首位に輝いて以来となります。
インターネット・マネー & ガナ feat. ドン・トリヴァー & ナヴ「Lemonade」が前週から2ランクアップし10位に。初のトップ10入りを果たしたこの曲はストリーミングが好調ながら、前週比7%ダウンの2170万となっています。それでも同指標では2ランクアップし2位に。ガナにとってはリル・ベイビーとの「Drip Too Hard」が2年前の10月に4位を獲得して以来のトップ10入り、他の3組にとっては初のトップ10ヒットとなります。
ミュージックビデオのサムネイルにあるパックジュースから解るように、現在のヒップホップを牽引するメディア、リリカルレモネードの起業者であるコール・ベネットがミュージックビデオを手掛けています。コールの作品群はジュース・ワールドに代表されるようにヒットに至っているのが特徴ですが、またもトップ10に送り込んだ形です。また10月頭にロディ・リッチを招いた(一方でガナおよびナヴを省いた)リミックスをリリースしたこともチャート上昇の要因と言えるでしょう。ただし曲全体のポイントにおいてより多くを占めたのがオリジナルバージョンであったため、ロディ・リッチはチャート上ではその名が省かれています。
省かれたといえばBTS。ジョーシュ・シックスエイトファイヴ × ジェイソン・デルーロ 「Savage Love (Laxed - Siren Beat)」はBTSリミックスの加算に伴い、とりわけダウンロード指標が上昇したことで前週初の首位を獲得したものの、今週は5ランクダウンの6位へ。ダウン幅は記事未記載ながら、首位からの陥落はおそらくダウンロードの急落に因るものと思われます。そして今週、BTSリミックスよりもこれまでのバージョンのほうが曲全体のポイントに占める割合が高かったことで、最新チャートではBTSの名が外れています。
またBTSは「Dynamite」が今週3ランクダウンし5位に。ダウンロードが前週比53%ダウンの44000で、同指標は制しているものの他指標がこのダウンを補完できなかったことが総合でのランクダウンにつながっていると言えます。K-Popアクトは所有指標が高い一方で接触指標群が強くないこと、所有指標の陥落を接触指標群が補えない限り総合チャートでの急落を招くことが、今回の2曲からあらためて実感させられます。
なお、 9月に米ビルボードが新設した2つのグローバルチャートにおいてはGlobal 200、そしてGlobal 200からアメリカの分を除いたGlobal Excl. U.S.の双方で、10月24日付において「Dynamite」が首位を獲得しています。
.@BTS_twt's "Dynamite" returns to No. 1 on both the Billboard #Global200 and Billboard Global Excl. U.S. charts. 🏆 https://t.co/i0K6to9v9r pic.twitter.com/1EFu5ZepVa
— billboard (@billboard) 2020年10月19日
グローバルチャートはストリーミングとダウンロードで構成。「Dynamite」は両指標ともにダウンしているものの、両チャート共にダウンロードが10%以上ダウンしているのに対しストリーミングは10%未満で抑えられており、ストリーミングで踏みとどまっていることが解ります。
最新のトップ10はこちら。
The #Hot100 top 10 (chart dated Oct. 24, 2020)https://t.co/ePFdmnSp3F pic.twitter.com/TA3L6QEeck
— billboard charts (@billboardcharts) 2020年10月19日
[今週 (前週) 歌手名・曲名]
1位 (4位) 24Kゴールデン feat. イアン・ディオール「Mood」
2位 (3位) カーディ・B feat. メーガン・ザ・スタリオン「WAP」
3位 (5位) ドレイク feat. リル・ダーク「Laugh Now Cry Later」
4位 (6位) ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」
5位 (2位) BTS「Dynamite」
6位 (1位) ジョーシュ・シックスエイトファイヴ × ジェイソン・デルーロ「Savage Love (Laxed - Siren Beat)」
7位 (7位) ダベイビー feat. ロディ・リッチ「Rockstar」
8位 (8位) ギャビー・バレット feat. チャーリー・プース「I Hope」
9位 (11位) ハリー・スタイルズ「Watermelon Sugar」
10位 (12位) インターネット・マネー & ガナ feat. ドン・トリヴァー & ナヴ「Lemonade」
カーディ・B feat. メーガン・ザ・スタリオン「WAP」(総合2位)は通算4週目となるストリーミング制覇ながら、同指標では前週比8%ダウンの2590万となっており首位の数値としてはかなり低くなっています。
ラジオエアプレイを制したのは総合4位のザ・ウィークエンド「Blinding Lights」。通算26週目となる同指標制覇ですがこちらも前週比2%ダウンの7680万。一方で総合でのトップ5入りは通算29週目となり歴代1位記録を更新。またトップ10入りは35週目となり、最長トップ10入り記録を保持しているポスト・マローン「Circles」にあと4週と迫っています。