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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

SixTONES「Imitation Rain」およびSnow Man「D.D.」がロングヒットに至るために必要な指標とは? 2月3日付ビルボードジャパンソングスチャートをチェック

毎週木曜は、前日発表されたビルボードジャパン各種チャートの注目点をソングスチャート中心に紹介します。

 

1月20~26日を集計期間とする2月3日付ビルボードジャパンソングスチャートは2曲が4万ポイントを超えるという熾烈な争い。SixTONES「Imitation Rain」がSnow Man「D.D.」を抑え、デビュー曲で初の首位を獲得しました。

昨日12時台にチャートが更新された直後からビルボードジャパンのホームページが開きにくくなったのですが、おそらくはSixTONESそしてSnow Manのファンが大挙チェックしに訪れたゆえと思われます(ビルボードジャパンのツイートはこちら)。それだけこの2組のどちらが制するかはコアなファンを中心に高い関心を集めていたわけです。ビルボードジャパンを制したことが判明して以降、SixTONESのファンが楽曲提供のYOSHIKIさんへ感謝の意を贈った際のツイートに添えられたハッシュタグ、"#YOSHIKIさんありがとう"がトレンド入りしたことも注目すべきでしょう。

ファンの取組はCD購入のみならずTwitter指標を押し上げる活動にも表れており、2組による6曲は3週連続で同指標6位までを独占。Twitter指標6位のSnow Man「Snow World」が同指標のみを得点源とし3322ポイントを稼いでいることを踏まえるに、その活動はあまりにも強固且つ熱烈だったように思います(昨年以降、同指標がアイドルやK-Pop等の一部ジャンルに人気が集中している傾向が強くなったこともあり、個人的にはウェイトダウンや同指標の撤去(米ビルボードのようにSocial 50チャートとして独立させる等の措置を採ること)を視野に入れるべきとは考えます)。活動の凄さや()内で書いたTwitter指標に対する自分の考えは、SixTONES「Imitation Rain」およびSnow Man「D.D.」が真のヒットに至るかを見極めるべきポイントも含めて昨日のブログエントリーにて記載しています。

 

さて、SixTONES「Imitation Rain」およびSnow Man「D.D.」のCHART insightをみると興味深いことが見えてきます。

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 シングルCDセールス指標を除いても2曲とも1万ポイント程度を稼いだことになり、その1万ポイントのおよそ半分がTwitter指標で賄われています。となると、ファンが競い合い疲れ切った(昨日のブログエントリーで紹介したファンの方の心理を踏まえれば、"疲れ切った"という表現がしっくり来そうですね)1月27日以降はこれら指標群が落ち着くでしょう。一方で未だダウンロードおよびサブスクリプションサービスが未解禁であり、YouTubeに公開されたミュージックビデオがエディットされたものであるため動画再生指標が伸びにくいこと(ミュージックビデオがフルバージョンでなければ動画再生指標が伸びないことについては以前からブログエントリーで記載しています)を踏まえれば、次週は2曲の急落もあり得るかもしれません。さすがに前週首位のSKE48「ソーユートコあるよね?」のような1→34位、ポイント前週比9.2%という状況は考えにくいかもしれませんが、気になるところではあります。

 

さて、この2組の前にジャニーズ事務所からデビューを飾ったのはKing & Princeでした。

ダウンロードおよびサブスクリプションサービス未解禁、ミュージックビデオは1分のティーザーのみという状況ながら、初週62万枚のシングルCDセールスを記録、34324ポイントを獲得し2018年6月4日付ビルボードジャパンソングスチャートを制覇。翌週は総合4位にダウンするもののポイント前週比は21.6%となり、シングルCDセールス加算2週目における総合ポイント前週比はジャニーズ事務所所属歌手の中でも高水準となりました(通常は10~20%の範囲内)。総合チャートで6週トップ10入りを果たしたのも同事務所所属歌手では異例であり、同年の年間ソングスチャートで同事務所所属歌手の楽曲では最高位となる12位を獲得しています。

さてこの「シンデレラガール」、シングルCDセールス加算以降一度として総合300位以内から脱落したことがないのです。

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黒の折れ線グラフが総合順位を示します。シングルCDセールス(黄)、ルックアップ(オレンジ)もまた目立つのですが、特に安定しているのは緑色で表示されたカラオケ指標なのです。
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総合チャートおよびカラオケ指標のみを抽出したのが上記。カラオケ指標は2019年度より登場した指標ゆえ2018年12月10日付からの登場となっていますが、高値安定を誇っています。シングルCDセールス等が未だに強いという特殊な動きをみせる曲ではあるのですが、カラオケという接触指標が強いとロングヒットとなることはこの点から明らかです。

 

ジャニーズ事務所所属歌手においては嵐を除くほとんどがきちんとデジタル解禁がなされておらず(とはいえ嵐の場合も、アルバムのみに収録された曲は未だに解禁されてはいませんが)、ゆえにSixTONESSnow Manもデジタル未解禁な状況を続ける限りは限られた接触指標群でロングヒットにつなげる必要があります。そんな中でSixTONES「Imitation Rain」が最新チャートにおいてカラオケ指標が300位以内に初登場を果たしたのは、ロングヒットの兆しと捉えてよいのかもしれません。無論、デジタルの充実も必要になることは書き添えておきますが、この2曲においてはカラオケ指標についても注目する必要があるでしょう。