イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

昨日の音楽紹介テレビ番組ふたつから思うことを

昨日は邦楽界において大きな意義を持つ番組が2つ、放送されました。

3氏の選んだ結果の詳細をモデルプレスが掲載。

トピックは多数ありますが、個人的にはここで複数選ばれた中村佳穂さんと三浦大知さんに注目。

中村佳穂『AINOU』においては、米津玄師さんが「きっとね!」を絶賛したタイミングでブログで取り上げ、動向を追いかけていましたが、米津さんが取り上げた週を集計期間とするビルボードジャパンソングスチャートでは100位以内に到達せず、そのタイミングでラジオ局への奮起を促すエントリーを書きました。

最新1月20日付の『J-WAVE TOKIO HOT 100』(J-WAVE 日曜13時)では「きっとね!」が37位に再度チャートインを果たしていますが、今回の『関ジャム 完全燃SHOW』を機に、ラジオでの動きがもっともっと加速することを願うばかり。

音楽ジャーナリストの柴那典氏が用いた【Sound of 2019】とは、その年に輝くであろう期待の新人をランク付けしたイギリスBBCの恒例行事。なるほどと納得する一方で、本来こういう役割を果たすのはやはりラジオだと思うのです。良い曲をきちんと発掘し、きちんと伝えるというベーシックな部分をラジオ業界は見つめ直してほしいと切に願います(そしてそれは同時に自身への戒めでもあるのですが)。

 

さて、昨日放送された重要な番組、もう一つは。

番組での曲の解釈に"んっ?"と思うところはあれど、全体的には見応えのある番組だったと思っています。しかしながら『関ジャム 完全燃SHOW』とは大きく異なり、この番組がチャートアクションに十分反映されていないような気がします。先のツイート同様に本日午前7時頃のiTunes Storeトップアルバムチャートにおける安室奈美恵さんの作品を見ると、最上位が『Best Fiction』でありその順位は100位。決して高くはないんですよね。

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これは、旧譜の新録を多数収録したベストアルバム『Finally』(2017)が未だにダウンロード解禁になっていないゆえ。仮に解禁されていたならばどうなっただろう…と思うのです。

弊ブログを訪れる方の動機の最上位には未だにこのエントリーが登場するのです。デジタルダウンロード状況は少し改善されましたが(安室奈美恵『Finally』デジタルダウンロード未配信の状況下における"環境の変化"(2018年5月14日付)参照)、あくまでほんの一部でしかありません。

さらに、引退発表アナウンス直後に自分がラジオ番組『わがままWAVE It's Cool!』(FMアップルウェーブ 日曜17時)で特集した安室奈美恵さん回をブログで取りまとめた際、引用した公式動画(ミュージックビデオ)のフル尺が全て削除されており、短尺版に変わっていたことにも驚きました。ゆえにその取りまとめについても再編集を実施していますが、1分尺ではその魅力のすべてを伝えられないように思うのです。

ミュージックビデオフル尺の削除は、映像盤が同梱されたCDやiTunes Store等で買ってねということかもしれませんしもしかしたら何かしらの"確約"があったのかもしれませんが、昨日のテレビ番組を機に彼女の音楽に触れたくなった、しかし手元に音源がない人がその欲求を即座に満たせないのはアンフレンドリーな気がします。有償ストリーミングサービスにも登場していないゆえ尚の事。そしてこの状況は、安室奈美恵さんが引退したことを踏まえれば半永久的に続くのか…と、強く残念に思います。

 

【Sound of 2019】はその年に輝くであろう期待の新人を紹介するイギリスBBCの恒例行事であり、未来を見据えています。安室奈美恵さんの音楽は未来にも受け継がれていくことは間違いありませんが、引退日に寄せて自分が書いたエントリーで述べた(推測した)ような各種問題や先述したデジタルに明るくない姿勢は他の歌手においても、平成でもって終わらせてほしいと強く願います。