米ビルボードソングスチャートを定点観測。
現地時間の12月4日月曜に発表された、12月16日付最新チャート。ポスト・マローン feat. 21サヴェージ「Rockstar」が8週目の首位を獲得、エド・シーラン「Perfect」が3位に躍進しました。
記事は下記に。
.@PostMalone's "Rockstar," featuring @21Savage, continues to dominate the #Hot100 chart for an eighth week! https://t.co/INdro96Hxe pic.twitter.com/z9miPB7C2K
— billboard (@billboard) 2017年12月4日
そしてトップ10はこちら。
トップ10を見る限りは先週半ばに発表されたグラミー賞ノミネーションによる効果は薄いかもしれません。そんな中で「Rockstar」は首位をキープ。3指標(デジタルダウンロード、ストリーミングおよびラジオエアプレイ)の合計で前週比8%ダウンしているものの、2位のカミラ・カベロ feat. ヤング・サグ「Havana」が同14%も落ち込んでおり、首位を守れた格好です。
3位にはエド・シーラン「Perfect」が2ランクアップでトップ3入り。実は以前、”12月23日付チャートにてビヨンセとのデュエットバージョンが加算される”ことを示唆したのですが(再来週発表の12月23日付米ビルボードチャート、果たして風は吹くか?(12月2日付)より)、訂正をしないといけません。
このビヨンセとのデュエットバージョン、今回の集計期間終了直前の数時間前に公開されたとのこと。それにより、たった数時間であれど「Perfect」デジタルダウンロードにおけるデュエットバージョンの比率が18%に達し、オリジナルとデュエットの両バージョンの合計で同指標1位に(とはいえ前週比1%ダウンではありますが)。オリジナルバージョンの落ち込みをたった数時間の公開で補ったデュエットバージョン、恐るべしですね。次週12月23日付では丸々1週間分のポイントが加算されることから、1位到達もあり得るかもしれません。ラジオエアプレイでは前週比14%もの大幅増で同指標4位に入っています。
8位にはGイージー feat. エイサップ・ロッキー&カーディ・B「No Limit」が3ランクアップでトップ10入り。
Gイージーにとっては、ビービー・レクサをフィーチャーした「Me, Myself & I」(2016 7位)以来、2曲目のトップ10入り。エイサップ・ロッキーにとっては3曲目、カーディ・Bは今週7位にランクインした「Bodak Yellow (Money Moves)」に次ぐ2曲目となります。トップ10入りした...とはいえ、3指標のうち伸びているのはラジオエアプレイのみ(前週比9%上昇)、ストリーミングは同11%ダウン、デジタルダウンロードに至っては同23%もの大幅ダウンとなっています。今週のチャートは全体的に低調と言えるかもしれません。
次週以降の目玉となる作品がいくつか。
・ホールジー「Bad At Love」(14→11位)
ザ・チェインスモーカーズとの「Closer」で12週もの1位を成し遂げたホールジー。主演曲では「Now Or Never」(2017 17位)を抜き自己最高位を更新しています。
・デュア・リパ「New Rules」(18→15位)
この曲を押し上げた要因のひとつはリミックスの存在と言えるでしょう。日本人プロデューサー、Initial Talkが非公式で作ったリミックスが”公式化”され、11月24日にリリースされています。80's感満載で非常に面白い仕上がりです。詳細は下記bmrに掲載されていますのでぜひ。
・Mariah Carey「All I Want For Christmas Is You」(再登場)
3指標で形成されるチャートゆえ、こういう過去の名曲も登場します。2年前は自己最高となる11位を記録したクリスマス定番曲。先週のブログでちらっと触れていますが、米ビルボードのクリスマスソングスチャートが12月9日付で再開され、そちらでも1位に輝いています。
米ビルボードアルバムチャートで『Love Yourself : Her』が7位を記録、アメリカン・ミュージック・アワードにも出演し知名度が上昇したK-Popグループ、BTSによるアルバム収録曲が初登場。ミュージックビデオからも解るように、スティーヴ・アオキがリミックスを施し、「Panda」の全米ナンバーワンヒットで知られるラッパーのデザイナーが参加したバージョンが11月24日にリリースされてのエントリー(ただしデザイナーはミュージックビデオ不参加)。K-Popにおけるこれまでの最高位はPSY「Gangnam Style」(2012 2位)で、同じく彼による「Gentleman」(2013 5位)、「Hangover」(2014 26位)がありますがBTSはPSYに次ぐ上位を記録。アルバムからのシングル化、そこにリミックスを施す手法はまさにアメリカのそれであり、マーケティングも現地に即していることが解ります。
次週は「Perfect」が首位に到達するか、個人的に注目したいところです。