イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

米ビルボードシングルチャート、デザイナーが首位奪取

ビルボードシングルチャートを定点観測。

 

日本時間の火曜早朝に発表された5月7日付最新チャート、リアーナ feat. ドレイク「Work」の10週目の1位を阻んだのはデザイナー「Panda」でした。ビルボードでは速報発表の際、大きな動きがあるときは生配信する法則がある(と考えている)のですが、今回は配信前にデザイナーが生出演とアナウンスされており、もしや?と思っていたところ。それにしてもデザイナーの喜びっぷりといったら!

最新チャートについての詳細は上記をご参照ください(トップ10カウントダウン動画もあります)。

ニューヨーク生まれのデザイナーが首位に立ったことで、これまで41週連続でアメリカ以外の出身者が守り続けていた首位の座を、アメリカ出身者がようやく奪取した形に。ウィズ・カリファ(ノースダコタ州出身)とチャーリー・プース(ニュージャージー州出身)の「See You Again」以降、オーミ(ジャマイカ)、ザ・ウィークエンド(カナダ)、ジャスティン・ビーバー(カナダ)、アデル(イギリス)、ゼイン(イギリス)、リアーナ(バルバドス)&ドレイク(カナダ)…と制し続けており、ともすれば次は「7 Years」のルーカス・グラハム(デンマーク)では、と思っていたのですが、デザイナーの勢いは凄まじかったですね。そしてこのはしゃぎっぷり…曲の持つ怖さとは正反対の好青年という印象です。

 

しかし、喜んでもいられないというか、ドレイクの新曲でウィズキッドとカイラを客演に迎えた「One Dance」の勢いもまた素晴らしく、10ランク上昇し3位に。ドレイク人気の凄さが伺えますね。今月末にニューアルバムをリリースすることから「One Dance」への注目は俄然高まるでしょう。となると次の1位はこの曲となる可能性は高く、「7 Years」は2位どまりかもしれません。

 

 

そして来週のチャート、個人的にはビヨンセとプリンスが台風の目になる予感がします。ビヨンセはニューアルバム『Lemonade』を先週末サプライズリリース。ストリーミングはTIDAL独占ですが今週からiTunes等での販売も開始します。CDリリースは現段階では未定という、前作と似た形での発売ながら前作は首位獲得且つシングル「Drunk In Love」が最高2位の大ヒットとなったこともあり注目です。そしてプリンスは先週末の訃報直後にセールス面で大躍進。

5月7日付の最新チャートは4月15日(金)~21日(木)まで。プリンスの訃報は21日(木)の朝10時頃に一部で速報が発表され、午後1時頃までにはプリンスが亡くなったことが正式に発表されたため、「プリンス・ショック」の影響は半日ほどに留まるが、『The Very Best Of Prince』はおよそ10万枚を売り上げたという。加えて、ストリーミング・サービスなどでの再生回数や単曲ダウンロードなどのポイントを足した総合ではおよそ17万9000枚相当となり、今週の全米チャートで堂々の1位に。プリンスの偉大さを改めて示す形となった。

おそらくは次週(5月14日付)のチャートでもセールス好調は続くでしょう。そして彼の代表曲であり代表”色”でもある「Purple Rain」がシングルチャートを駆け上がるのではないかと予想しています。デザイナーが首位の座を守るのか、ドレイクがかっさらうかそれとも…俄然注目が高まります。