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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ユニバーサル洋楽レンタル"前倒し解禁"後発覚した、"弊害"

ユニバーサルの洋楽作品の国内盤が発売後1年未満でのレンタル"解禁"については以前からお伝えしていますが、その悪い意味での?影響がチラリ。

 

「音楽はタイムマシーン。」をキーワードに、洋楽4大メジャー(EMIミュージック、ソニー・ミュージック、ユニバーサル・ミュージック、ワーナーミュージック)が強力タッグを組み、1955年~1989年の35年間に“日本でヒットした”洋楽シングル344曲を年代順に収録したコンピレーションCD『僕たちの洋楽ヒット DELUXE』を、4月4日、計8タイトル(各CD2枚組)をリリースします。

・CDJournal - 洋楽4大メジャーが手を組み実現した壮大なコンピ『僕たちの洋楽ヒット DELUXE』計8タイトルがリリース!(2012年3月19日付)より

昨年のこの時期にリリースされた、日本独自企画のコンピレーションアルバム『僕たちの洋楽ヒット DELUXE』。8タイトル×各2枚組で合計344曲という膨大なアーカイブが非常に魅力的なこのシリーズが、今月店頭に並んでいるのを確認しました。弘前市内のレンタルCDショップではジャケットが見える形で"面陳列"されている店が複数あるのですが、8タイトルあるうちVol.2とVol.5がなぜか見当たりません。

で、よくよく調べてみたら、8タイトルが揃って解禁されていない、ということが判明。

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 - 僕たちの洋楽ヒット デラックス

 ソニー(Vol.1&6)とワーナー(Vol.3&8)が4月10日、EMI(Vol.4&7 なおリリースはユニバーサルとの合併前)は4月17日、そして見当たらなかったVol.2&5はユニバーサル発と判明。それも、昨年の12月12日には既に解禁されています。

おそらくは、【ユニバーサルの洋楽作品の国内盤が発売後1年未満でのレンタル"解禁"】の影響と思われます。

 

ユニバーサルは現在、洋楽国内盤を1年以内で解禁するスケジュールを月1回、毎月中旬に設定しているものと思われます。その初回、12月12日の主な解禁分は以前弊ブログで記載した通り、ジャスティン・ビーバー、マドンナ、マルーン5…と大物が大挙。おそらくは、年末のリリースラッシュの一方でレンタル用在庫に充てる予算が限られているため、ユニバーサル版の『僕たちの洋楽ヒット DELUXE』は導入見送りになったのではないか…と勝手ながら推測しています。

 

たとえば弘前市内の店舗では、各タイトルが(ジャケットが見える形で)面陳列されており、それがシリーズをコンプリート(してレンタル)したいと思う心理に至らせようとすることが想像出来ます。ゆえに、ユニバーサル版の在庫がないという事実は、レンタル解禁事情を知らないお客さまからすれば不可解でしょうし、在庫がないタイトルがあるシリーズの、他のタイトルを先に借りることを躊躇する心理だって存在するのでは?と考えます。大袈裟かもしれないけれど、欠番有りの形で導入したのは最終的には機会損失に成り得るのでは?とも思うんですよね。

 

 

今回の欠番については、レンタルCDショップ側の配慮不足が最大の要因かもしれません。しかし、ユニバーサルの前倒し解禁に合わせる形で他の大手も追随すればよかったのではないか?と思うのです。実際、ユニバーサルが解禁に踏み切って半年近く経過した現状において、他の大手がレンタル解禁に関して何かしらの検討をしたのか?と強く思うところがあります(実際に検討した上で解禁期間を1年に据え置きと再度決めたならば、結果にかかわらずまだ納得がいきます)。

元来、洋楽作品の国内盤は『実際は1年間レンタル禁止でなくてよい』はずで、ユニバーサルの前倒し解禁は決して違反行為ではありません。ユニバーサルが破ったのは"慣例"です。その"慣例"に、長きに渡り音楽ファン(実際にファンならCDを買うでしょ…とツッコまれる可能性もあるので、"音楽ユーザー"と言い換えた方がいいかもしれませんね)が不可解な思いをしてきたのは事実。ならば、ユニバーサルの前倒し解禁は、(その解禁までのスケジュールに曖昧さが残るものの)他の大手に比べればはるかに音楽ファンに歓迎されるはずです。なのに、今回の『僕たちの洋楽ヒット DELUXE』のレンタル問題に関して言えば、解禁事情を知らない音楽ファンからすればユニバーサルに疑問をいだいてもおかしくなく、前倒し解禁して音楽ファンを喜ばせようとしたであろうユニバーサルの印象が悪くなりかねない…という大きな矛盾が。これでは納得がいきません。

 

他の大手がユニバーサルに追随するか、それを拒否したとしても、洋楽作品国内盤のレンタル解禁に関しての"再検討"を最低限行うことを強く希望します。

 

 

※追記(5/2)

本日、弘前市内のレンタルCDショップのうち、メディアイン城東店にてユニバーサル版のVol.2とVol.5の在庫を確認することができました。以前から陳列されていた(こちらが見逃していた)可能性があり、そうであればこちらの判断が誤っていたと言えます。訂正してお詫びいたします。