イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

米ビルボードソングスチャート、レディー・ガガがスーパーボウル効果でカムバック

ビルボードソングスチャートを定点観測。

日本時間の火曜早朝に発表された、2月25日付最新チャート。先週再度トップに立ったエド・シーラン「Shape Of You」が独走態勢に入った模様、そしてスーパーボウルでのパフォーマンス効果でレディー・ガガが返り咲きました。

記事は下記に。

そしてトップ10はこちら。

通算5週目の首位獲得となった「Shape…」の勢いはとどまるところを知らず。遂に、これまでエドが成し得なかったラジオエアプレイでの首位を獲得しました。これまでは「Thinking Out Loud」および「Photograph」(共に2015)の2位が最高だというのは正直意外でしたが、デジタルダウンロード、ストリーミング(共に今週2位)に比べて火がつきにくいラジオエアプレイにて首位を獲得するということはロングヒットの予感がしますし、今週2位のミーゴス feat, リル・ウージー・ヴァート「Bad and Boujee」がデジタルダウンロード8位、ラジオエアプレイ16位。また首位ながらもストリーミングは前週比6%ダウンであることを踏まえれば、やはり「Shape…」は独走態勢に入ったと言えるでしょう。さらに来月上旬にはニューアルバム『÷ (Divide)』の発売も控えているため早急に勢いが衰えるということはなさそう。むしろ今後ライバルとして台頭しそうなのはラジオエアプレイで5位に到達したゼイン&テイラー・スウィフト「I Don't Wanna Live Forever (Fifty Shades Darker)」(今週3位をキープ)でしょうか。

 

そしてスーパーボウル効果により、レディー・ガガ「Million Reasons」がソングスチャートにカムバック…それどころかカムバック前より遥かに順位を上げ、4位に再登場を果たしています。

アルバム『Joanne』(2016)からのセカンドシングルでカムバック前の最高位は昨年12月24日付の52位。今回は通算12週目のランクイン。

この「Million Reasons」における再浮上での4位という記録は、LL・クール・J feat. ジェニファー・ロペス「Control Myself」(2006年4月29日付)、ディクシー・チックス「Not Ready To Make Nice」(2007年3月3日付)とならぶ史上最高位タイの記録。「Not…」はカムバック前は最高23位でしたが、その年のグラミー賞で同曲が最優秀レコード賞ならびに最優秀楽曲賞を受賞したことにより、「Control…」は同89位でしたが同曲を収録したアルバム『Todd Smith』(2006)発売に伴うデジタルダウンロード急上昇(同部門2位)により…というのが再登場の理由。「Million Reasons」についてはデジタルダウンロードで1位、それも前週比1,334%もの大幅ジャンプアップ(しかも69セント販売というセールも伴っての記録)が特に功を奏したとのこと。これにより、「Applause」が4位を獲得して以来、ガガにとって14曲目のトップ10ヒットとなりました。しかもアルバム『Joanne』も最新2月25日付アルバムチャートで前週の66位から2位に急上昇を果たし(前週比818%も上昇し74,000ユニットを獲得)、スーパーボウルで披露した「Bad Romance」も2010年以来となるチャートインを果たしています(今週50位)。

 

ちなみにそのガガを抑えてアルバムチャートを制したのはラッパー、ビッグ・ショーン『I Decided』。先行曲「Bouce Back」がアルバムリリースによる勢いを受けて前週15位から6位に上昇し、自身3曲目となるトップ10入りを果たしています。

 

トップ10にはその他、ザ・チェインスモーカーズ「Paris」が1ランク上昇し10位にリエントリー。一方でホールジーをフィーチャーし、通算12週の1位を獲得した「Closer」(今週7位)は、未だホットダンス/エレクトロニックソングスチャートで首位を獲得し、今週でほぼ半年分となる26週目のトップに。この記録はアヴィーチー「Wake Me Up」(2013-2014)と最長タイとなっており、来週の動向が気になります。

 

そして来週は、日本時間の昨日開催されたグラミー賞の結果がチャートにも大きく反映される見込みです。特に先週金曜にリリースされ同賞でも披露されたケイティ・ペリー feat. スキップ・マーリー「Chained To The Rhythm」がどの位置で初登場を果たすかに注目、と米ビルボードは伝えています。

スキップ・マーリーはあのボブ・マーリーの孫ということもあって、その点でも注目を集めそうですね。

 

 

さて、グラミー賞私見については明日書けたらなと思っています。

”寒む・そるたー”がピンときたのでつらつらと

自分が住む町は青森県の中でも屈指の、夏暑く冬寒い場所。それに加えて最近は豪雪地帯である青森市弘前市よりも積雪が多く、まるで三重苦、極端な気象のトライアングル地帯となっております。

というわけで、このツイートが響きまくりなのです。

1年前のツイートですが、先週になってタワーレコードSOUL/CLUB/RAP (@TOWER_Soul_Rap)のTwitterアカウントリツイートしておりツボだったわけでして。

 

このサム・ソルターというR&B歌手は1997年にアルバム、『It's On Tonight』をリリース。その後2000年夏に『Little Black Book』をりりース予定だったもののどうやらお蔵入りとなっています(彼のWikipedia(英語版)にてこのアルバムが”cancelled”と表記されていることからお蔵入りと想起出来ます)。井上氏が取り上げた「After 12, Before 6」も、そして次のシングルだった「There You Are」もまた、レーベルオーナーだったベイビーフェイス色の強いいわゆる”美メロ”で心地よいのです。”寒む・そるたー”だけど曲はぬくもりに溢れています。

 

ちなみにサム・ソルターは、プロデューサーチームのGIANT SWINGが2007年にリリースしたリーダー作、『GIANT SWING DELI』(2007)収録曲、「How Low」に客演参加しています。オリエンタルなテイストを持ったこの曲、ボビー・ヴァレンティノ(ボビー・V)のデビュー作『Bobby Valentino』(2005)だったり、古くはポーラ・アブドゥルのシングルを想起させ、癖になるんですよね。

『GIANT SWING DELI』の試聴は下記iTunes Storeにて可能です。

Giant Swing Deli

Giant Swing Deli

  • GIANT SWING
  • R&B/ソウル

 

サム・ソルターの復帰作リリースにも期待したいところですが、個人的にはGIANT SWING(T. Kura&MICHICO夫妻)の久々のリーダー作も待ち侘びています。とはいえ、最近はハウスやEDM仕様の楽曲が多いため(T. Kura氏のホームページ内discographyにて、手掛けた楽曲を確認出来ます)、あくまで自分の好みではあるのですがR&B作というのを期待しております。それこそ、Nao'ymt氏とプロデュースを半分ずつ手掛けた安室奈美恵さんの『PLAY』(2007)のような感じの作品に。

ビルボードジャパン、最新チャートから新データ導入…そしてビルボードジャパンへのお願い

ビルボードジャパンのソングスチャート(JAPAN Hot100)を定点観測。というか、個人的に気になる部分をピックアップしていきます。いつもは木曜に記載するのですが、グラミー賞予想等の兼ね合いで今日にずれ込んだことをお詫びいたします。

 

先週水曜に発表された、2月13日付最新チャートはこちら。詳細については下記のチャートトピックスを参照してください。

各指標毎の順位が解るCHART insightを見ると、「恋」はラジオエアプレイこそ35位と低いものの、その他の指標が全てトップ10入りしておりラジオエアプレイ分を補完。動画再生回数はもとより、【シングルCDセールス+デジタルダウンロード+ストリーミング】の指標で2位というのは立派な成績かと。同日付のシングルCDセールスでは19位と決して高くはないゆえ、デジタルダウンロードが牽引する形なのでしょう。他方、たとえばApple Musicでは「恋」をはじめとする星野源さんの楽曲はストリーミング配信されておらず、このストリーミング部門で強い楽曲が登場し他指標も高いレベルを保ったならば、「恋」の牙城を崩すことが出来るかもしれません。

 

さてビルボードジャパンでは、最新2月13日付のHot100チャートより、Google Play Musicのストリーミング再生数データも加えたと発表しました。

これでストリーミングはApple Music、AWA、LINE MUSICおよびGoogle Play Musicの4つとなり、より精度の高い指標となります(なお、デジタルダウンロードのデータ提供元は上記ニュースをご確認ください)。音楽の聴き方、接し方が多様になった現代のライフスタイルに、ビルボードジャパンが柔軟に応対しようとしていることが解ります。

 

そこで、ビルボードジャパンへのお願いなのですが…それは【シングルCDセールスのみならずデジタルダウンロード、ストリーミングも別途ランキングを用意してほしい】ということ。たとえばジャニーズ事務所所属歌手の作品がデジタルを好まないというのみならず、先述した星野源さんのようなストリーミング配信を行わない人、もしくは以前書いたのですがMr.Childrenのようにデジタルダウンロード自体積極的に行わない人など、歌手や事務所におけるデジタルに対する捉え方は様々です。しかし現状のビルボードジャパンにおいては、Hot100を構成する指標のうちシングルCDセールスだけがランキングとして提示され、他方デジタルダウンロードおよびストリーミングは、CHART insightの中でシングルCDセールスと合算でしか表示されていません。これではどの曲がどの指標に強いか、また穿った見方ではありますがどの歌手がストリーミング等にフレンドリーではないのかが見えてきません。それを明らかにする意味でも、ビルボードジャパンには詳細の提示をお願いしたいところです。

 

ちなみに海外でもストリーミング等に未対応の動きはあります。たとえばテイラー・スウィフトは大ヒットアルバム『1989』(2014)をストリーミングメディアから引き上げました(尤もそれには音楽業界を変えたテイラー・スウィフトの挑戦 | Forbes JAPAN(2015年7月3日付)という理由があったのですが)。またアデルも『25』(2015)において、セールスとストリーミングの解禁時期をずらす戦略を採っています(記録づくしのアデル、「25」をSpotifyやApple Musicなど定額制音楽配信でついに解禁する - BLOGOS(2016年6月25日付)より)。あるいはチャンス・ザ・ラッパーのようにパッケージ販売を行わずストリーミングのみとする方もいて、歌手によって措置は異なっています(これらの大半はアルバムの話ですが)。しかし米ビルボードでは、ソングスチャートにおいて全指標(デジタルダウンロード+ストリーミング(YouTube等も含む)+ラジオエアプレイ)がそれぞれ分けてランキングとして表示されているため、歌手の戦略も見え、また曲の強み(と弱点)が判って面白いんですよね。チャートマニア的な見方かもしれませんが、ビルボードジャパンには是非とも考慮していただきたいものです。よろしくお願いいたします。

フランク・オーシャン、カニエ・ウェスト…グラミー賞ボイコット組を憂う

日本時間の2月13日(月曜)に開催される、第59回グラミー賞。その授賞式に、複数部門でノミネートされているカニエ・ウェストジャスティン・ビーバーが出席しない模様だ、と伝えられています。

1月31日の記事ゆえ情勢は変わるかもしれませんが、カニエとジャスティンについては、要は昨年リリースの作品で好事家の高い評価を受けたフランク・オーシャン『blonde』が評価されていないというのが原因とのこと。

しかし『フランク自身が選考の候補作品として提出しなかった』と記事にあるように、フランクが自らグラミー賞にノミネートされないようにしたわけで、カニエ等が言う"評価されない"という以前の問題なんですよね。尤もそれを知っててカニエ等が吠えたなら、それはそれで大人気ないなと思うのですが。

 

そしてフランクの態度…個人的な意見と前置きして書くならば、彼こそ"子どもか!"と。強く叱咤したいものです。

記事内に登場する『コリン・キャパニック的な機会』については最初に引用した記事、およびオバマ大統領、国歌斉唱を拒否したコリン・キャパニックを擁護「彼の真摯さを疑っていない」 - THE HUFFINGTON POST(2016年9月6日付)などを参照してください。

 

彼が不満を漏らす、グラミー賞の最優秀アルバム賞についてはたしかに保守的な面があるというのは自分も考えているところではあります。過去の受賞(およびノミネーションのリストはWikipediaに掲載)を見るとセールスが伴わなくとも、また大物であれば受賞しやすい傾向にあるといえるでしょうし、昨年は逆にセールスが勝ったテイラー・スウィフトが受賞した一方2作連続で最優秀アルバム賞にノミネートされ現状の黒人差別について訴えるケンドリック・ラマーが受賞を逃したこともまた、フランクのグラミー賞(およびその主催者)に対する不満を高めた一因だと言えるでしょう。

 

とはいえ二点。自分が書かせていただくならば、ひとつはこの不参加が非常に勿体無いということ。好事家のみならず、たとえば米メディアのTIME誌でも『blonde』が高く評価されています。

おそらくはノミネートは間違いなかったであろう作品にもかかわらずグラミー賞にノミネートさせるのを認めなかった彼のやり方についての記憶が人々の心から薄れても、受賞およびノミネーションリストは(先述したWikipediaのように)後世に残るわけですから、その意味では2017年のグラミー賞においてフランク・オーシャンは”存在しなかった”ことになると言っても過言ではないでしょう。その点において勿体無いことを彼が敢えて行っているのです。ノミネートされただけでも注目度や浸透度は大分高まったはずなのに。

 

そしてもうひとつは、彼が持ち合わせているであろう"驕り"。ノミネーション対象から自ら外れるということはそれだけ獲れる自信があったのではないかと。仮にノミネートされ、それでも受賞を逃したらそれはそれで不満や文句をたれていたのではないか(ノミネートすらされなかったとしても同様に)…ということが比較的容易に想像出来、その点でいえば彼にとって『blonde』は半ば受賞が当たり前と思っていたのかもしれません。無論これも穿った見方ではあるのですが、そういう驕り高ぶった精神を持った者にグラミー賞(および主催者)の非難をしていただきたくはないものです。

 

受賞を逃したものの、昨年のケンドリック・ラマーのパフォーマンスがどれだけ凄かったかを踏まえれば、フランクには自身の手でケンドリックと同じように、"自分と同じような境遇の人間がどれだけ優れているか"(MTVの記事内の文章を拝借して表現しました)を真正面から見せつけて欲しかったと強く思うのです。

公式動画はありませんのでほんの一部の映像を用いた米ローリングストーン誌の記事を。"グラミー賞を奪う(人々の心をつかむ)"というタイトルはまさしくその通りですね。

 

 

批判の方法は様々ありますが、関与しないのなら何でも言えるとは思います。でもその分責任は伴わなくて済むわけで、そのやり方は無責任で卑怯だよなあと。ならば正攻法で立ち向かうほうが自らの主張を伝えられるし、その上で最終的に賞を勝ち取ったほうが遥かに格好いいと思うのですが如何でしょう。

個人的には今回の件でフランクにも、(実際に出席しないのであれば)カニエにも残念な印象を抱いてしまいました。

RABラジオでの見学者の出演、午前と午後での扱いに差があり過ぎる件とその改善案

毎週金曜はラジオの話。

 

 

我が地元、ラジオとテレビの兼営局である青森放送には、主に毎週火曜に見学者が訪れます。見学者はテレビスタジオなどを回るほか、ラジオの生ワイド番組に出演し、特に小学生(主に5年生)はその場で小学校の宣伝を行います。録音されたものが後日実際にCMとして流れ、見学者の紹介として用いられています。

 

さて、青森放送のラジオ(以下、RABラジオ)には平日午前に『今日も!あさぷり』(月-金曜9時)が、午後は『GO!GO!らじ丸』(月-金曜11時55分)があるのですが、見学者が出演するタイミングにおいておもいっきり差があるのです。これは明らかに不公平だと思わざるを得ないので、本日取り上げさせていただきます。

特に引っ掛かったのは、今週火曜(2月7日)放送の『…あさぷり』での尺の短さ。放送は10時59分までですが、通常は番組内コーナー『テレフォン人生相談』明けの10時50分から《天気→番組に寄せられたメッセージおよびリクエストの紹介→今月のエンディングテーマ曲紹介→今日のプレゼント当選者発表(商品の紹介文言付)》…とこれだけでもボリュームあり過ぎであり聴いていてお腹いっぱいなのですが、そこに見学者が登場となると、メッセージ紹介とリクエストは省かれたとしても4~5分程度しか尺がなく、さらに天候が悪化すれば気象情報の紹介も挿入され、更に時間が失くなってしまうのです。で、2月7日の放送では…なんと10時50分にインフォマーシャルが4分超挿入された上で、その後東京大学の方が見学者として登場していました。それもひとりは外国人の方ゆえ、冬の青森の印象等聴き出したいことがたくさんあるにもかかわらず3~4分で終了。プレゼント当選者発表時は商品を提供してくれたスポンサーの紹介文言を絶対読まないといけない決まり故か省略せず挿入し、あまりにアップアップの状態でエンディングまで駆け抜けていったのです。ちなみにこの日はエンディングテーマの紹介も、また10時50分のジングル(CM明けに挿入される音楽)もありませんでしたが、キツキツになるだろうことを予め解っていたことは容易に想像出来ます。

これが午後の『…らじ丸』では番組内コーナー明けの13時20分から、およそ10分間ゆっくりゆったりと見学者とのやり取りが聴かれます(この日の放送は聴くこと出来ませんでしたが、通常は10分ほど用意されているはずです)。先述したように(この日の午前の放送にはなかった)小学校の宣伝(CM収録)があるのですが、少なからず緊張するだろう子どもたちと収録前にトークを展開し、子どもたちの緊張をほぐすといういわばアイドリングの役目も長尺にはあるわけです。が、『…あさぷり』でこのアイドリングが出来ないというのは、後に収録されたCMの質に少なからず反映されるかもしれず、また見学(ラジオ出演)時間自体にも差が生じるため不公平と言わざるを得ません。これで仮に午前の部と午後の部で、青森放送が同じ料金を徴収しているのだとしたら問題だなあと思うのです(料金システムはよくわからないためこれ以上は言及しませんが)。

 

 

正直、『…あさぷり』も『…らじ丸』もラジオショッピングやインフォマーシャルが多すぎるきらいはあり、それらを削るべきとは思うのですが、そもそも番組の尺自体が『…あさぷり』は2時間、『…らじ丸』は4時間5分と大きく異なるため、最悪の場合『…あさぷり』に見学の方を入れないという方法もあるでしょう。が、おそらく青森放送サイドでは好調であるであろう見学者を減らしたくはない方針ではないかと推測します。そこで以下の2点、ラジオ好きの者として提案させていただきます。

 

 

① 『…あさぷり』内、『テレフォン人生相談』の時間を早める

テレフォン人生相談』は10時30分からの20分枠となっており、これが良くも悪くも『…あさぷり』の流れを分断します。ならばせめて5分だけでも早めることは出来ないかと思うのです。

とはいえそうなれば、毎日10時20分頃からお送りしているラジオショッピングの枠移動か終了を検討する必要が出てきますが、個人的には(ラジオショッピング業者からの利益があるとはいえ、先述したように)ラジオショッピング自体が多過ぎる気がするのです。その時間にチャンネルを変えた人が少なからず(局が予想する以上に)いらっしゃるのではないか等を調査して、他局に切り替えるリスナーが多い等が判ったならば番組内で取り上げるラジオショッピング枠自体を絞るのが好いと思います。これは『…あさぷり』に限らず他の生ワイド番組に共通することです。そうすれば10時25分から『テレフォン人生相談』をお送りでき、『…あさぷり』本編には10時45分に戻って来られるため、見学者とのやり取りやメッセージテーマの紹介、リクエストについても大分尺を獲ることが出来るはずです。

 

② 『…あさぷり』の放送時間を11時30分までに延長する

番組内『テレフォン人生相談』の枠を移動せずともこの手段があるかと。元来『…あさぷり』は8時30分からの番組でしたが、『朝ワイ!ダッシュ』(月-金曜7時)の開始と共に30分縮小し、今に至ります。となると、番組内でメッセージテーマが発表されたとしても届く分が減る、もしくは届いたとしても先述したように10時50分以降では紹介される本数がごく一部に限られます。そのメッセージを活かす意味でも、また見学者にゆったりしていただくためにも、放送時間の延長という方法はアリかもしれません。たとえば番組を延長したならば、11時のニュース直後に10分程度見学者のための時間を用意出来るのではないでしょうか。

その場合、11時台に連続するミニ番組数本の一部を『…らじ丸』に内包させるか、そこまで支持を集めていない番組などは思い切って終了させることも必要かと思われます。なお、11時台の番組については下記リンク先の番組表をご確認ください。

RABラジオ番組表

ただし、『…あさぷり』と『…らじ丸』が同じスタジオを使用しているため、20分以上は空け、転換出来るようにしないといけません。20分~25分での転換が難しいならば、現在の『…らじ丸』開始3分のアバントーク(オープニングトークの意)を無くして12時スタートにさせても好いでしょう。必ずしも正午ちょうどにニュースを流す必要はなく、土曜および日曜の生ワイド番組におけるスタート直後の流れの如く、オープニングトーク数分からのニュースという流れで大丈夫かと思われますので、『…らじ丸』を12時スタートとしてもさほど支障はないかと思うのですが如何でしょう。

 

 

というわけで、何様と言われるのを覚悟で、以上の内容を提案させていただきます。ラジオショッピングや(スポンサーのある)ミニ番組がなくなれば収入が減るという問題があるかもしれませんが、仮にそれを強く訴えてきたならば、リスナーの一員として"局の方針が、リスナーよりもスポンサーを大事にする姿勢になり過ぎてやいないか"と問いただしたくなります。見学者にもっとラジオを好きになってもらうためには、よりリスナー、そして将来のリスナー候補となる小学生に対する配慮、優しさが必須ではないでしょうか。

第59回グラミー賞、主要4部門を予想してみる

いよいよ日本時間の来週月曜、アメリカ最大の音楽賞、第59回グラミー賞が発表されます。というわけで、昨年同様今年も極々個人的ながら主要4部門(最優秀レコード賞・最優秀楽曲賞・最優秀アルバム賞・最優秀新人賞)を予想してみます。

昨年の予想はこちら。

そして結果と総括。

最優秀アルバム賞を除く3部門で的中出来たのですが、ケンドリック・ラマーを破ってテイラー・スウィフトが最優秀アルバム賞を受賞…というのは、予想出来なくはなかったものの、一昨年から昨年にかけて一気に社会への提言という色が薄れたことが影響しているのだろうと。テイラーの受賞にケチをつけるつもりは毛頭ありませんが、個人的には(予想云々ではなく)本当に残念だったと思います。

 

さて今回は、【ドナルド・トランプ大統領に対する批判がどこまで反映されるか】に注目が集まるのでは?という声が聞かれるのですが、その点においては"そこまで強くは反映されないのでは?"という見方を提示させていただきます。というのも、今回の投票が大統領就任前に締め切られているのです。スケジュールは音楽評論家、吉岡正晴氏の記事に詳しく掲載されています。

とはいえ、ドナルド・トランプ大統領が起こしそうなことはあらかじめ想起出来ていた(し実際に実行し続けていることで混乱が生じている)ことを踏まえれば、ドナルド・トランプ政権に対する懐疑の目、およびそれを前面に示した楽曲やトランプ大統領が解決するどころか見放すばかりであろう"多様性の尊厳"を訴える作品が選ばれる可能性は十分あるでしょう。

 

では、それら前置きを踏まえ、主要4部門を予想してみます。なお、今回参照するデータは下記に。

米ビルボードソングスチャート 2016年年間トップ100

米ビルボードアルバムチャート 2016年年間トップ200

 (いずれも上記より前年のチャートに移動可能)

BBC、究極の2015年ベスト・アルバム・ランキングを発表 | V.A.(洋楽) | BARKS音楽ニュース(2015年12月24日付)

2016年ベスト・アルバム・ランキングの総ランキング発表 | V.A.(洋楽) | BARKS音楽ニュース(2016年12月22日付)

  (上記ニュースに登場するランキングは英BBCによるもの、『影響力がある25のメディアのリストを集計し“Poll of Polls(ランキングのランキング)”』として公開しています(『』内は2016年のニュースより。25のメディア名も掲載されています。)

 

まずはこちらから。なお、作品の下に表記するデータは、米ビルボードチャート、および英BBCのPoll of Polls(以下PoP)です。

●最優秀アルバム賞 (Album Of The Year)

・アデル『25』

  (2016年アルバムチャート年間1位 / 2015年PoPチャート年間12位)

ビヨンセ『Lemonade』

  (2016年アルバムチャート年間4位 / 2016年PoPチャート年間1位)

ジャスティン・ビーバー『Purpose』

  (2016年アルバムチャート年間3位)

・ドレイク『Views』

  (2016年アルバムチャート年間2位)

・スタージル・シンプソン『A Sailor's Guide To Earth』

  (2016年アルバムチャート年間200位未満)

昨年のこの部門を受賞したテイラー・スウィフト『1989』は2014年のアルバムチャート年間3位、翌2015年1位と特大ヒットとなり、いわばセールス最上位がグラミー賞を制したとも言えるのですが、その流れを受けてか今年はチャート上位4作品が順当にノミネートされた印象があります。他方、スタージル・シンプソンはカントリーやアメリカンロック畑で活躍する、いわば"ミスターアメリカ"的な存在(プロフィールはこちら)。カントリーやアメリカンロックはまさしくドナルド・トランプ氏を支持する"保守"が好むとされる音楽であり(大統領選でも特にカントリー音楽が根付く地方では共和党支持が多かったとのこと)、セールス的に(週間チャート最高3位ながら)そこまでの結果を残していない方がノミネートされていることに、トランプ大統領支持者の表の流入が考えられ、ゆえに予想しにくい状況になっています。

で、それ以外の4強についてはどうか…ちょっと穿った見方ですが書くならば、アデルは前作『21』の大ヒットの流れを引き継ぎ今作もヒット、ビヨンセは突如リリースというサプライズ、ジャスティン・ビーバーはアルバムからの先行3曲(+ジャック・Uへの客演)が矢継ぎ早にヒットしアルバムを牽引、ドレイクは純粋なセールス以上にストリーミングポイントが牽引…というのがそれぞれのヒットの要因だと考えます。そのうちはっきりと政治や社会に対するメッセージを打ち出しているのはビヨンセくらいでしょうか。

セールス面ではアデルの圧勝といえますがそうなるとアデルは『21』に続き2作連続での受賞となります。が、アルバム収録曲でソングスチャートを制したのが「Hello」1曲のみであること(その点において、テイラー・スウィフトは3曲をトップに送り込んでいます)、ジャスティン・ビーバーとドレイクはリリース年のPoPランキングに登場しないことを踏まえれば、ビヨンセが受賞することが最も相応しいのではないかと考えます。反トランプ政権への票が彼女を後押しすることもあり得るでしょう…が、政治色が反映されるならばスタージル・シンプソンの存在はやはり怖いですね。とは言いつつ、やはり本命はビヨンセ『Lemonade』で。

 

●最優秀レコード賞 (Record Of The Year)

・アデル「Hello」

  (2016年ソングスチャート年間7位 / 2015年同年間35位)

ビヨンセ「Formation」

  (2016年ソングスチャート年間100位未満)

・ルーカス・グラハム「7 Years」

  (2016年ソングスチャート年間12位)

・リアーナ feat. ドレイク「Work」

  (2016年ソングスチャート年間4位)

・トゥエンティ・ワン・パイロッツ「Stressed Out」

  (2016年ソングスチャート年間5位)

面白いのは、昨年の年間チャートでワンツーフィニッシュを果たしたジャスティン・ビーバー(1位「Love Yourself」および2位「Sorry」)、3位のドレイク「One Dance」が入っていないということ。両者とも最優秀アルバム賞ノミネート作収録曲なのですが。

さて今回は混戦と思しき中で、やはりビヨンセを推します。正直この作品がノミネートされることは先述したスタージル・シンプソンの如き疑問もあるのですが、チャート以上にこの曲は昨年のスーパーボウル、ハーフタイムショーにおけるインパクトを踏まえれば(後の"スーパーボウルに警察批判を持ち込むな"という論争を起こしたという意味においても)、チャート順位以上の価値を持つ曲なのだと思います。とはいえ、この曲が選ばれた際はそれはそれで"チャートと乖離している"という論争も起きかねない気がしますが。

 

●最優秀楽曲賞

ビヨンセ「Formation」

  (2016年ソングスチャート年間100位未満)

・アデル「Hello」

  (2016年ソングスチャート年間7位 / 2015年同年間35位)

・マイク・ポスナー「I Took A Pill In Ibiza

  (2016年ソングスチャート年間15位)

ジャスティン・ビーバー「Love Yourself」

  (2016年ソングスチャート年間1位)

・ルーカス・グラハム「7 Years」

  (2016年ソングスチャート年間12位)

社会への浸透度とは別に、楽曲そのものの良さで競われるこの部門。参考の一つとして新たに加えたいデータを下記に掲載します。

『TIME』誌が選ぶ2016年のベスト&ワースト・ソング・トップ10 | V.A.(洋楽) | BARKS音楽ニュース(2016年12月1日付)

最優秀楽曲賞の大賞楽曲はこの『TIME』誌のランキングよりも社会的浸透度が高い楽曲のほう(米ビルボードソングスチャートの年間ランキング)だと言えるでしょうが、ノミネート作のうち『TIME』誌でベストに挙げられたのはビヨンセ(1位)のみ。逆にワーストにはマイク・ポスナー(6位)、ルーカス・グラハム(10位)の2作がランクインしてしまっています。

となるとビヨンセ…でしょうが、今回は非常に難しいといえます。なにせ「Love Yourself」と「7 Years」はロングヒット。ロングヒットはまさに良い曲ゆえ人気が絶えないという証だと思うのです。しかも昨年、この部門では同じくロングヒットしたエド・シーラン「Thinking Out Loud」(週間最高2位ながら年間でも2位を記録)が受賞。そのエドが3月リリースの新作に入れようとしたものの譲ることにして、手を加えて売り出され大ヒットしたのがジャスティン・ビーバー「Love Yourself」…ということを考えればジャスティンにも十分なチャンスはありえます。といいつつ、インパクト等を踏まえればビヨンセに絞れるかと。2010年に同部門で一度獲得しているのですが、その曲「Single Ladies (Put A Ring On It)」はいい意味で変態性の高いビートやサビにもかかわらず受賞したわけで、今回も攻めの楽曲とはいえ受賞は十分可能性あるかと。

 

●最優秀新人賞

・ケルシー・バレリーニ (Kelsea Ballerini)

  (アルバム『The First Time』 2016年米アルバムチャート年間117位)

・ザ・チェインスモーカーズ (The Chainsmokers)

  (アルバム『Bouquet (EP)』 2016年米アルバムチャート年間75位

   2016年米ビルボードアーティスト100チャート年間13位)

・チャンス・ザ・ラッパー (Chance The Rapper)

  (アルバム『Coloring Book』

   2016年米アルバムチャート年間72位 / 2016年PoPチャート年間4位

   2016年米ビルボードアーティスト100チャート年間98位)

・マレン・モリス (Maren Morris)

  (アルバム『Hero』 2016年米アルバムチャート年間145位)

・アンダーソン・パーク (Anderson .Paak)

  (アルバム『Malibu』 2016年PoPチャート年間13位)

ここでは新たに、米ビルボードの【アーティスト100】という指標を紹介します。

Top Artists - Year-End 2016 | Billboard

 その年を代表する歌手の指標とでもいうのでしょうか、昨年の1位はアデルでしたが、ランクインしている歌手を上記に掲載してみました。となると圧倒的にザ・チェインスモーカーズが頭数個分抜け出している…のですが、彼らは対抗と考え、個人的にはチャンス・ザ・ラッパーを推すことにします。というのも"レーベルとの契約を持たない" "ストリーミング以外での有償リリースを行わない"という異例の歌手でありながら作品がことごとくヒットし、ついにはグラミー賞における最優秀新人賞のポリシーを変更させるに至ったわけです(来年のグラミー賞からストリーミング限定作品も候補対象に | bmr(2016年6月17日付)より)。となると、グラミー賞はある種、彼のために門戸を開けたと言っても過言ではなく、今年の賞が彼に与えられることはほぼ間違いないでしょう。

ただ…あくまで個人的にはですが、フィジカル、それもCDという形で手に入れたい自分のような人間には複雑な心境です。ネット環境がない方はCDというメディアでないと容易に聴けないわけで、その方々への配慮は果たしてあるのかな、と。とはいえ、よくよく考えたらCD購入時にもオンラインショッピングが当たり前になってきている以上、ネット環境がないというのは極めて稀なのかもしれませんが。

 

 

というわけで、個人的な今回のグラミー賞主要4部門予想は、最優秀新人賞がチャンス・ザ・ラッパー、それ以外がビヨンセだと予想します。ビヨンセについては現代社会…ドナルド・トランプ大統領が加速させてきている差別意識への対抗として立ち上がった(今年度主要部門ノミネート分における)唯一の作品とも言えるでしょうから、是非とも受賞してほしい…という願いを込めています。

 

 

さて、今年もタワーレコードInterFM897において予想クイズが行われていますので、そちらにも是非参加してみてください。

締め切りがそれぞれ異なりますのでご注意ください。

 

そしてひとつ気になるのは…昨年までとは異なり、今年はInterFM897でのradikoプレミアム(エリアフリー)配信が行われず、またタイムフリーにも非対応とのこと。ちょっとこれは悲し過ぎますね…Twitterで理由を伺ったものの現段階で返答はなく、ちょっと冷たいなあと思ってしまいます。

アルバムチャートが全米を制したミーゴスが放つ、有名人を冠した曲

昨日速報をお伝えした2月18日付、米ビルボードソングスチャート。最新作『Culture』で同週のアルバムチャートを制したミーゴスの楽曲が100位中7曲エントリーを果たしており、人気や注目の高さを物語っています。

そんな中で気になったのが、58位にエントリーした「Kelly Price」。

ラヴィス・スコットをフィーチャーしたこの曲ですが、R&B好きにはそのタイトルに”!?”となること請け合い。というのもタイトルに用いられているケリー・プライスとは、R&B界で四半世紀以上活躍し、来年メジャーデビュー20周年を迎える女性歌手なのです。彼女の代表曲にしてホットR&B/ヒップホップソングスチャートを制したデビュー曲(のリミックス)をまずは紹介します。

記憶が正しければ、彼女に対しその実力を認めていながらも見た目のことでデビューを渋っていたレコード会社に対し、デビューさせるよう尽力(一喝?)したのがアイズレー・ブラザーズのロナルド・アイズレー。リミックスではロナルドと、当時彼の作品を手掛けていたR・ケリーが参加しています。

で、オリジナルはより切実に、歌詞の世界である親友に男を取られた心の叫びが炸裂しています。

で、ミーゴスがこのケリー・プライスをタイトルにした意味が、実は彼女の熱唱にあるそう。

なんで『Kelly Price』っていうタイトルか?って言いますと、「俺は女の子・ギャルちゃんをケリー・プライスみたいに叫ばせて(スクリームさせて)やる。それぐらい気持ちよくさせてやる!」っていう内容の歌でして。

渡辺志保 Migosアルバム『CULTURE』と『Kelly Price』を語る - miyearnZZ Labo(1月31日付)より

個人的にはこの書き起こしを読んで『Culture』が気になって仕方なくなったのですがそれは置いといて、要はオリジナル版「Friend Of Mine」や下記の楽曲のような彼女の歌声の如き興奮をもたらすことが出来るんだぜ、というミーゴスの漲りソングなんですね。

3つ目の「Love Sets You Free」は大勢の男に囲まれているので一見ケリーが男をはべらせているように見えるかもしれませんが、この曲はヒップホップレーベルのデフ・ジャム内に(当時)存在したR&B部門のレーベル、デフ・ソウル所属の歌手によるゴスペル(的)ソング。ゆえにこの曲をスクリームの例に挙げるのはためらいもありましたが…とはいえ、大勢の男性歌手のデュエット相手を独りで務める彼女の歌ヂカラはこの曲だけをとってもよく解るかと思います。

 

有名人の名を冠した曲は、たとえばゴリラズ「Clint Eastwood」など色々とありますが、その中に新たに加わった「Kelly Price」。現在もR&Bとゴスペル双方のカテゴリーで聖俗を行き来しながら活躍する彼女に、今一度注目が集まるならば嬉しいですね。