イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

青森の祭り関連曲集 (2023年夏版)

自分が住む青森県では今週様々な夏祭りが開催されます。新型コロナウイルスが5類に移行したことで(とはいえ実際は油断できないのですが)、全国そして青森においても本格的な祭りシーズンが戻ってきています。

そして青森の祭り、特に青森ねぶたや弘前ねぷたにちなんだ曲が増えています。このブログでは以前から紹介していますが、新曲も含め今一度まとめてみます。

 

KREVAラッセーラ」(2023)

弘前市生まれのKREVAさんによる最新配信シングルは「ラッセーラ」。タイトルは青森ねぶたの掛け声であり(青森県史の質問箱02|青森県庁ウェブサイト Aomori Prefectural Government参照。なお”ねぶた”と”ねぷた”の違い等も掲載)、囃子も相まってねぶたの音そのものをサンプリングしたといえるような臨場感に溢れています。KREVAさんは本日開催の青森ねぶた祭り前夜祭に出演、3日にはねぶた祭りに参加します。

 

・藤井風「まつり」(2022)

アルバム『LOVE ALL SERVE ALL』のリード曲。サビ直前に”ラッセーラ”が登場していますが、この曲については『アフター6ジャンクション』(TBSラジオ)でRHYMESTER宇多丸さんとライターの大石始さんによるやり取り(下記参照)を是非お読みください。『音楽面だけじゃなくて、その精神面も含めた祭り文化の様々な意味のアップデート』『完全にGファンクなのに、完全に日本の音楽だ!』に納得です。

 

RHYMESTER feat. PUNPEE「SOMINSAI」(2015)

アルバム『Bitter, Sweet & Beautiful』に収録された、PUNPEEさんによるプロデュース&客演参加曲。タイトルとなった蘇民祭岩手県の祭りですが、ライブのMCにて青森ねぶた祭りにおける男女のやり取りもインスパイア源になったと語っていました。過去のエントリーを下記に再掲します。

 

椎名林檎「長く短い祭」(2015)

コカ・コーラの2015年サマーキャンペーンCMソングとなったこの曲のシングルジャケットにはねぶたが大きく登場していますが、これは当時実際に存在したねぶたの前で撮影された模様。賞を獲得したり引き取り先が決まった以外のねぶたは祭り終了後に取り壊され、受賞作品も一年飾られた後にまたなくなるのが宿命であり、その儚さもまた”長く短い”を体現しているように思います。過去のエントリーを以下に再掲。

 

ノーボトム!「サンバ・ジャ・ネイヨ・ネブタ・ダヨ」(2004)

古坂大魔王さんがプロデュースしたピコ太郎さんがブレイクする前に行っていた音楽活動のひとつが、自身も参加するユニット”ノーボトム!”。ベリーニの大ヒット曲「Samba de Janeiro」(1997)を思わせながらやや強引にねぶたのリズムに移行するのですが、サンバとテクノとねぶた囃子が見事にマッチしています。過去のエントリーを再掲しますが、iTunes Storeにも音源はなし。元がCCCDゆえ、再販を希望します。

 

・Awich feat. kZm「NEBUTA」(2018)

現在「Bad B*tch 美学 Remix」がヒット中のAwichさんによるメジャーデビュー前の作品。プロデュースを手掛けたフランスのサム・チーバもこの祭り(”やばいカルチャー”だとしてAwichさん側から送られた映像)に魅了され、ねぶた囃子(和太鼓も含む)を敷いたビートを制作(下記参照)。ミュージックビデオは青森県で撮影されており、今日紹介した作品も踏まえれば”青森と祭りとラップ”は相性が好いのではと強く感じるのです。

 

吉幾三立佞武多」(2001)

日本のラップの始祖のひとつとされる「俺ら東京さ行ぐだ」(1984)で知られる吉幾三さんは五所川原(旧金木町)出身。30年近く前に復活した五所川原立佞武多(最大のものは高さ20m強を誇る)をテーマにしたこの曲では立佞武多のフレーズ”ヤッテマレ!”がサビで連呼され、高揚感を煽ります。公式ミュージックビデオはないのですが、立佞武多出陣前にパフォーマンスされた映像が複数、YouTubeにてアップされています。

 

 

一部はねぶた/ねぷたと歌詞の面で直接関係のない作品もありますが、青森や東北の祭りに刺激を受けインスパイアされた曲が多いこと、ねぶたがヒップホップと相性が好いだろうことも今回あらためて実感した次第です。今回紹介しなかった曲も含めSpotifyのプレイリストを用意しましたので、是非チェックしてください。

本格的な祭りシーズンが戻ってきました。参加される皆さんが体調管理に気を付けつつ臨むこと、祭りが無事に終了することを願っています。