イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

歌詞よりメロディ派の人間にとってSpotifyの歌詞表示機能は有り難いということ、そして日本人歌手の活用を願うということ

自分はメロディ派の人間です…といきなりの宣言でアレですが、これは『たまむすび』(TBSラジオ 月-金曜13時)の月曜コーナーにおける『歌詞が頭に入ってこない!自分と同じような人いますか?』というリスナーの方からの調査依頼についての自分の立ち位置。

ゲストとして登場したRHYMESTER宇多丸さん(実は月曜パートナーのカンニング竹山さんがRHYMESTERの大ファンだったことがこの調査依頼で判明)のロジカルな解説、そして木曜パートナーの土屋礼央さんがラジオネーム”元有楽町”としてさらにロジカルなメールを投稿していました。個人的には元有楽町というラジオネームを聞いた段階でもしや土屋さんではと察したのですが…なぜ察したかはこちらをご参照ください。

 

自分は完全にメロディ派で、歌詞は後から知ることが大半なのですが、一方で歌詞と全く異なる使われ方をしている曲には激しい違和感を覚えます。レーガン氏が大統領選でブルース・スプリングスティーン「Born In The U.S.A.」を使用した問題もそうでしたが、あの”エンダーイ”が未だに誤用される状況もまた違和感だったりします。

 

さて、自分は普段新曲主体にSpotifyで曲をチェックしていますが、時折日本語の曲にいい意味でギョッとさせられます。たとえば先月リリースの曲で強く気に入っているSUKISHA feat. ぜったくん「Sweet Secret」ではこれからだというふたりの甘い瞬間が歌われているのですが、そこに”フォロワー100万人”や”チャンネル登録”という愛や情事とは遠い言葉が(おそらくは比較対象として)出てくるのが面白いんですよね。

このいい意味での引っ掛かりを確認できるのがSpotifyの歌詞表示機能であり、「Sweet Secret」ではきちんと用いられています。歌詞を振り返ったり、曲を聴きながら歌詞を味わうことで、曲の良さがさらに増幅されるのです。

 

しかしながらSpotifyの歌詞表示機能について、特に新曲においては日本人歌手の多くが用いていない印象があります。新曲リリースの数日後に掲載されたり、もしくは掲載されてもカラオケのように唄われている箇所をなぞらないというならまだしも(それはそれで問題ですが)、歌詞自体載せないというケースが大半なのです。ゆえに、メロディ派の自分は歌詞掲載していただけただけでもその曲や歌手の印象が向上します。

一方で洋楽の場合は歌詞掲載が多いとは言えないものの、映像ループ機能を活用している曲が多い印象があります。この映像ループもまた、日本人歌手で用いる方は非常に少ないですね。

歌詞の代わりにストーリーという機能を用いてこの曲の背景等を紹介することもあります。たとえば昨日リリースされたBLACKPINKのファーストフルアルバム『The Album』から、カーディ・Bをフィーチャーした「Bet You Wanna」が世界中の新曲プレイリスト【New Music Friday】の巻頭を飾っていますが、再生するとメンバー4名のかわいらしい&クールな表情がループすると共に、この曲の説明がなされています。


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ワールドワイドでのリリースゆえ、説明をより丁寧に行いたいという思いもあるのかもしれませんが、実は彼女たちの地元である韓国では未だSpotifyは進出していないのです。にもかかわらずBLACKPINKやBTS、また先のループ機能で例示したイェジ等はリリースタイミングで既にこれら機能を充実させているのですから素晴らしいですね。

 

 

メロディが大きく先行して頭に入る自分にとって歌詞表示は非常に有り難い存在であり、曲を聴きながらすぐさまいい意味での違和感に気づけます。そしてループ機能やストーリー表示は、メロディや歌詞どちらを重視するかに関係なく曲を聴く方の目を喜ばせてくれます。今回『たまむすび』における調査報告を聞いて、特に日本人歌手はリリース当初の段階からせめて歌詞表示だけでも徹底させてほしい、そうすれば多数派とされるメロディ派(メロディ先行)の人間にありがたがられるのではないかと考えた次第。このSpotify各種機能の利用率の低さ、日本人歌手が自らの好さをより広く伝えられないという点でとても勿体ないと感じています。