イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

サブスクリプションサービス未解禁歌手やその作品は”存在しなかった”ことになる

ここでは毎週、ビルボードジャパンの最新ソングスチャートから注目ポイントを紹介していますが、毎週のチャートはSpotifyおよびApple Musicという2つのサブスクリプションサービスでプレイリスト化されています。非常に便利です。

しかし、サブスクリプションサービス未解禁の歌手、もしくは解禁はすれど新曲は未配信という姿勢の歌手の存在により、実は多くの不足がみられます。最新2月17日付でみると。

プレイリストから間もなく、Spotifyをキャプチャしたものを下記に。

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後に、ビルボードジャパンが当該プレイリストに三浦大知「I'm Here」を追加したことを確認しましたが、それでも18曲もの抜けがあるという状況です。この抜けは、サブスクリプションサービスのユーザーにとって”存在しなかった”ことになるのです。

”存在しなかった”という言葉はRealSoundに原稿書いたことと、中島みゆきがストリーミングに音源解禁したこと - WASTE OF POPS 80s-90sにて用いられています(厳密には『存在していないこと』『存在しない世界線』と表記)。CDプレイヤーやドライブ搭載のパソコンの所有者が減り、CDを買わない方が増えたであろう現在、サブスクリプションサービスを音楽聴取の主軸にする方には、米津玄師さんやSixTONESSnow Man等の作品はほぼ届かないということなのです。

 

逆に、きちんと解禁しているから届くという好例が。

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(登場からの90週と、最新週までの90週に分けて掲載しています。)

エド・シーラン「Shape Of You」は2017年はじめの作品ながら、2017年1月23日付でビルボードジャパンソングスチャート100位以内に登場して以降、今日に至るまで一度も陥落していません。米ビルボードとは異なり一定週数以上チャートインしている曲がある順位を下回ればチャートから除外するというリカレントルールが設定されていないビルボードジャパンソングスチャートゆえ長期エントリーが成立するとも言えますし、チャート構成比で最大を占めるストリーミング指標の元であるサブスクリプションサービス(の再生回数)が実はそこまで入れ替わりが激しいわけではないことも影響していますが、しかしここまで長くエントリーしていられるのはなぜか、自分なりに考えたことがあります。

上記エントリーにてロングヒットの理由を4点記載しましたが、そのうちのひとつがストリーミングのプレイリストに多数引用されていること。後日、この曲ではないものの星野源さんが作成したプレイリストの収録曲がヒットにつながり、プレイリストの重要性をさらに感じられる出来事も発生しました。

著名人ではないとしとも、ビルボードジャパンが毎週作成するヒット曲をコンパイルしたもの等のプレイリストの存在は、サブスクリプションサービスには加入したもののどれから聴けばよいのかと悩む方にとっては導入部としてありがたい存在であり、そこから深堀りしたくなる曲や歌手も出てくるはずです。サブスクリプションサービス未解禁の歌手や曲はその導入部にすら立つことが出来ないということを、今週あらためて実感した次第です。

 

ちなみに米ビルボードでもソングスチャートのプレイリストを作成。1曲漏れがあったのには驚きましたが、それでも99曲を網羅しています。日米の音楽業界の差がここからもよく解ります。