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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

「イエスタデイ」→『Traveler』→「ビンテージ」…Official髭男dismの発表タイミングはKing Gnuを彷彿させる件

Official髭男dismの快進撃が止まりません。アルバム『Traveler』がスピッツやBABYMETAL、渋谷すばるさん等強力なラインナップを抑えて10月21日付ビルボードジャパンアルバムチャートを制し、昨日はラジオ業界の中でも注目度の高い『J-WAVE TOKIO HOT 100』(J-WAVE 日曜13時)チャートで「イエスタデイ」が頂点に輝きました。

「イエスタデイ」は映画『HELLO WORLD』主題歌として9月11日に配信リリース。アルバム『Traveler』からのリード曲としての位置付けにもなり、アルバムセールス(からは1曲)がカウント対象となるJ-WAVEを制したわけです。シングルCDとしてのリリースはなかったものの、10月21日付ビルボードジャパンソングスチャートでは最高位となる3位に上昇しています。

Official髭男dismは10月9日にリリースされた『Traveler』から、新たに「ビンテージ」のミュージックビデオを10月15日に公開しました。

FODで配信されるバラエティ番組、『あいのり: African Journey』主題歌となったこの曲ですが、アルバム後にミュージックビデオを配信するというスタイルは、Official髭男dism同様に今年ブレイクを果たしたKing Gnuを彷彿とさせます。

最新曲「傘」のリリースゆえでしょうか、最近弊ブログで人気のエントリーがこちら。アルバム『Sympa』(2019)直後に未収録の新曲「白日」を発表、その後発表したミュージックビデオがアルバム収録の「The hole」であり、「白日」および「The hole」の投入によりアルバム共々チャートを再浮上且つKing Gnuの認知度上昇につながったと結論付けています。

Official髭男dismについてもそれと似たことが言えるかもしれません。「イエスタデイ」でアルバムへの機運を高め、同曲をアルバム『Traveler』からのリード曲に据えたことでJ-WAVEチャートを制しラジオ聴取者のバンドファンを増加、そしてアルバムリリース後「ビンテージ」のミュージックビデオ公開によりアルバムの勢いを持続させるという流れ。アルバムを出して終わりではなくシングルカット的な手法を採り入れることはアメリカのそれと似ている気がしており、歌手の認知度上昇のみならず彼らの芸術表現の最高形であるオリジナルアルバムの地位向上にも繋がり得るこの手法を高く評価したいところ。たとえば日本レコード大賞等、日本の賞レースにおいてアルバムへの光の当たり方があまりに弱いと思う故、尚の事です。