あいみょんさんの勢いが止まりません。最新3月11日付のビルボードジャパンソングスチャートでは3位の「マリーゴールド」を筆頭に、トップ10に2曲、100位以内には9曲を送り込んでいます。また。
最新3月11日付 @Billboard_JAPAN ソングスチャート。各指標トップ100が発表されました。ストリーミングソングスチャート https://t.co/sK9UmpAjOU では #あいみょん さんが17曲、#ONEOKROCK が14曲で2組で3割強を寡占状態 #ビルボードジャパン最新チャート速報
— Kei / BreastKonaka (@Kei_radio) March 6, 2019
あいみょんは3週連続で、ストリーミングソングスチャートトップ100に17曲もの楽曲をランクインさせる快挙を達成。最初に17曲同時ランクインを果たしたのは、アルバム『瞬間的シックスセンス』がアルバムチャートに初めてランクインした2月25日付。アルバムも最新3月11日付チャートで6位と順調に推移しています。アルバムと曲の相乗効果、特にストリーミング同時解禁が良い方向に作用していることは以前述べましたが、その流れは継続しています。
さて、アルバム『瞬間的シックスセンス』からのからの先行シングルは3曲ありますが、今回注目するのは5枚目のシングル「マリーゴールド」。昨年8月8日にシングルCDとしてリリースしていますが(ダウンロードおよびストリーミングは3週前に解禁)、この曲の動きから彼女の大ブレイクへのステップが判るものと考えます。
※各指標について
・ポイント:総合ポイント
・ポイント前週比:前週および当週共に50位以内にランクインした場合のみ計算(50位未満は総合ポイントが表示されない)
・上記の理由により50位未満、総合ポイントで比較不能時は※で表示
・各指標について
(詳細はビルボードジャパンの自問自答 | Special | Billboard JAPANをご参照ください)
CD:シングルCDセールス
DL:デジタルダウンロード
ST:ストリーミング
RA:ラジオエアプレイ
LU:ルックアップ
TW:Twitter
MV:動画再生
KA:カラオケ
・各指標毎順位における[-]はランク圏外、[ ](ブランク)はランクインせず。これらはCHART insight | Billboard JAPANから曲名をクリックすると確認可能
(CD発売:2018年8月8日 ダウンロード・ストリーミング:2018年7月18日)
日付 順位 ポイント 前週比 CD DL ST RA LU TW MV KA 2018/6/18 ※ 2018/6/25 - ※ - 2018/7/2 #DIV/0! 2018/7/9 #DIV/0! 2018/7/16 - #DIV/0! 10 - 2018/7/23 85 ※ #VALUE! 6 - 2018/7/30 22 1619 #VALUE! 15 25 10 84 2018/8/6 25 1718 106.1% 32 12 5 - 2018/8/13 28 1608 93.6% 41 18 4 77 2018/8/20 5 3787 235.5% 32 6 8 1 23 49 2018/8/27 8 3131 82.7% 47 7 4 3 27 54 2018/9/3 13 2921 93.3% 100 14 2 5 24 - 34 2018/9/10 14 2793 95.6% 98 26 4 6 20 - 25 2018/9/17 14 2459 88.0% 83 16 4 19 19 - 19 2018/9/24 23 2019 82.1% - 28 4 - 19 - 21 2018/10/1 19 2092 103.6% - 29 4 68 23 - 34 2018/10/8 17 2049 97.9% - 25 3 76 25 94 14 2018/10/15 19 1707 83.3% - 33 4 - 27 - 57 2018/10/22 18 1692 99.1% - 33 5 - 25 - 31 2018/10/29 22 1665 98.4% - 43 4 - 26 - 23 2018/11/5 22 1663 99.9% - 40 5 31 - 19 2018/11/12 25 1588 95.5% - 49 4 28 - 35 2018/11/19 29 1654 104.2% - 52 5 29 - 40 2018/11/26 19 2374 143.5% - 26 5 24 - 16 2018/12/3 16 2289 96.4% - 26 4 25 - 12 2018/12/10 20 2191 95.7% - 37 5 40 - 13 35 2018/12/17 18 2228 101.7% - 49 4 - 31 - 19 35 2018/12/24 18 2390 107.3% - 32 3 - 31 - 17 40 2018/12/31 13 3351 140.2% - 13 2 - 20 73 12 31 2019/1/7 7 4642 138.5% 90 7 2 54 17 94 8 22 2019/1/14 3 7709 166.1% 24 4 1 12 14 49 4 15 2019/1/21 3 6573 85.3% 42 5 1 40 14 8 3 8 2019/1/28 4 5712 86.9% 53 7 1 45 10 41 3 5 2019/2/4 4 5258 92.1% 73 6 1 - 11 70 3 5 2019/2/11 4 4990 94.9% 90 9 1 73 15 94 4 3 2019/2/18 5 5392 108.1% 86 4 1 35 15 63 4 2 2019/2/25 5 6580 122.0% 80 4 1 16 13 35 3 2 2019/3/4 3 8882 135.0% 75 4 1 58 15 47 1 2 2019/3/11 3 7880 88.7% - 6 1 57 14 49 1 2 (※カラオケ指標は2019年度からの導入となり、2018年12月10日付よりカウントされています。)
上記表の中で、日付を太字で表示した計6週が、この曲ならびにあいみょんさん自身のターニングポイントではないかと考えています。
あいみょんさんのブレイクのきっかけは昨年2月16日に『ミュージックステーション』(テレビ朝日 金曜20時)に初登場、「君はロックを聴かない」を披露したことだと言われています。放送日を含む集計期間(同年2月26日付)で「君はロックを聴かない」が63位、翌3月2日付では44位にランクアップ。4月25日には「満月の夜なら」をシングルCDとしてリリース(先行配信あり)し、こちらはシングルCDセールス初加算となる昨年5月7日付で総合11位に上昇しましたが、記憶が正しければ彼女にとって初のトップ10入りとなったのは「マリーゴールド」だったはず。『ミュージックステーション』による認知度上昇に加え、数多くの音楽フェス出演によりトップ10入りを果たした昨年8月20日付が、「マリーゴールド」最初のターニングポイントと言えます。
2度目は昨年11月26日付。前週より10ランク浮上するとともに、7週ぶりに2000点台を回復していますが、これは同週に「今夜このまま」がシングルCDセールス初加算に伴い4位に浮上したことに因るもの。「今夜このまま」も3週前に先行配信を実施し、7→11→9位と高く推移していたのですが、シングルCDセールス効果は小さくなかったものと考えます。新しい曲が過去曲を押し上げた形です。
3度目は今年1月7~14日付。前週の13位から7位、3位と急上昇し、シングルCD初加算週の最高位だった5位を上回りました。1月14日付の集計期間は昨年大晦日からの1週間であり、間違いなく『NHK紅白歌合戦』(NHK総合他)での同曲歌唱効果。他の年末の大型音楽番組でも同曲が披露されたことで、彼女はこの曲を『瞬間的シックスセンス』からのリード曲という位置付けにしたのかもしれません。いわゆる"紅白"効果は米津玄師「Lemon」等でも表れたことは弊ブログでも述べてきましたが、あいみょん「マリーゴールド」においては1月14日付で7709ポイントとなり、1度目のターニングポイントの倍以上となるポイントを獲得しました。
そして4度目は2月25日~3月4日付。無論アルバムリリースに伴う上昇ですが、注目はアルバム初登場の翌週のポイントが前週比135.0%と躍進していること。同日付では「今夜このまま」も前週比116.4%と上昇していますが、飛躍度合いでは「マリーゴールド」が格段に高いのです。これはおそらく2月18日開催の武道館ライブが影響しているでしょう。
この日のライブは翌日の情報番組等で紹介され、武道館ライブ開催日を集計期間初日とする3月4日付のビルボードジャパンストリーミングソングスチャートでは「マリーゴールド」が初の400万回再生を突破しています。アルバムの評判の高さ、初登場の高いチャートアクションの認知のみならず武道館ライブもまた、400万回超の原動力と言えるでしょう。3月4日付では過去最高となる8882ポイントを獲得しています。
これら4つのターニングポイント…シングルCDリリース、次作による再注目、紅白、そしてアルバムと武道館ライブの各効果が如実に反映されたのが「マリーゴールド」と言えます。アルバムリリースに伴う、先行シングルでアルバム収録曲の再浮上は近年のアメリカの動きと同じですが、あいみょんさんの場合は武道館ライブがアルバムリリース直後に設定されたこと、月曜開催ゆえその評判を集計期間フルに活用出来たことがチャートアクションで功を奏した形と言えます。武道館ライブについては、あいみょんさんが以前ラジオで"急遽決定した"ようなことをおっしゃっていたはずですが、このタイミングでの武道館ライブ開催がレコード会社もしくは芸能事務所側の判断だとしたならば、このマーケティング力は見事だと言わざるを得ません。