イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

あいみょんがJ-WAVEチャートで新記録達成、その原動力はストリーミングにあり?

先週リリースされたあいみょんさんのセカンドフルアルバム、『瞬間的シックスセンス』の絶賛評をよく耳にします。このアルバムからの収録曲が大挙ランクイン、日本を代表するラジオ局のチャートで新記録が生まれました。

『J-WAVE TOKIO HOT 100』(J-WAVE 日曜13時)、2月17日付チャートには「ら、のはなし」の他、「マリーゴールド」(21位)、「GOOD NIGHT BABY」(33位)、「今夜このまま」(35位)、「あした世界が終わるとしても」(37位)、「ひかりもの」(67位)の6曲が登場。「ひかりもの」は初登場、他はすべて18ランク以上大幅ランクアップと勢い凄まじく、同一アルバムから6曲エントリーという新記録を達成しました。ちなみにこれまでの最高となる5曲を記録していたのは平井堅ブラック・アイド・ピーズファレル・ウィリアムスマイケル・ジャクソン桑田佳祐、コールドプレイそしてアリアナ・グランデ(以上敬称略)と錚々たる面々。そんな彼らを上回った原動力はいくつかありますが、やはりストリーミングが大きかったのではと感じています。

 

『J-WAVE TOKIO HOT 100』では昨秋から、ストリーミングをチャートの一指標として加えています。

あいみょんさんはストリーミング指標も加算対象となるビルボードジャパンでも強さを発揮し、最新2月18日付ソングスチャートでは100位以内に6曲がエントリー。こちらは過去曲も多いのですが、同日付のビルボードジャパンストリーミングソングスチャートでは8曲もランクインした上、「マリーゴールド」「今夜このまま」「君はロックを聴かない」がトップ3を独占するという快挙を達成。"ストリーミングの歌姫"的なキャッチコピーをどこかで耳にしたことがありましたが、まさに彼女はストリーミングを味方にした歌手といえます。

ちなみに昨年の『NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか)では、現在ビルボードジャパンで最上位を記録中の「マリーゴールド」を披露していましたが、そのビルボードジャパンソングスチャートを分析すると、シングルCDセールス指標は加算初週の2018年8月20日付で32位を記録した後急降下(紅白効果で今年1月14日付で24位に復活)。しかしシングルCDセールス指標加算初週に8位だったストリーミング指標はこれ以降一度も8位を下回ることなく、紅白以降は6週連続で同指標首位を記録。総合でも紅白以降はトップ5に常に在籍しており、またCDリリースから紅白までの間はどんなに低くとも29位という位置…つまり、「マリーゴールド」はいつ爆発してもおかしくない状態にあり、それが紅白で火が付いたと言えるでしょう。

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(上記は全指標を示したもの、下記は総合(黒)、シングルCDセールス(黄)、ストリーミング(青)のみを抽出したもの。シングルCDセールス指標が加算された2018年8月20日付はグラフの9週、紅白効果が出た今年1月14日付は30週に該当。ストリーミングが高値安定であったことが解ります。)

 

ストリーミングの高さによりあいみょんさんにはリスナーのニーズがあるとラジオが察し、彼女の曲をより多くかけるようになったのかもしれません。無論あいみょんさんの書く曲の素晴らしさ、agehaspringsやorigami PRODUCTIONS等現在の邦楽に欠かせない、センス溢れる方々が制作に関与していること、タイアップが続々というレコード会社等の戦略も功を奏したものと考えます。ゆえにJ-WAVEチャートで新記録に至ったのでは?というのが自分の見方です。

 

今作、『瞬間的シックスセンス』も発売と同日にストリーミング解禁しており、それもまた好印象ですね。