最新12月8日付の米ビルボードソングスチャートではトラヴィス・スコットが初のナンバーワンを獲得しましたが、前週29位に再登場したマライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You (邦題:恋人たちのクリスマス)」が14位まで上昇し、早くもトップ10入りを窺っている状況です。
そんな最新チャートでは他にもクリスマスソングが大挙再登場。クリスマスに向け、チャートが一気に動き出しています。
・21位 アンディ・ウィリアムス「It's The Most Wonderful Time Of The Year」
・23位 ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」
・26位 バール・アイヴス「A Holly Jolly Christmas」
・33位 ボビー・ヘルムズ「Jingle Bell Rock」
・39位 ナット・キング・コール「The Christmas Song (Merry Christmas To You)」
・43位 ワム!「Last Christmas」
33位以下は日本でもまだ馴染みがあるでしょうが、逆にそこから上は日本での認知度が高くないような。しかしながら、昨年のクリスマスシーズン最後となる 1月3日付のクリスマスソングスチャート(Holiday 100)の上位8強(7位のホセ・フェリシアーノ「Feliz Navidad:を除く)が順当にランクインした形であり、アメリカではこれらが定番曲と言えるでしょう。
面白いのは最新週に再登場したうち、アンディ・ウィリアムスおよびバール・アイヴスが最高位を更新したこと。そして昨年よりも再登場が早いというのも気になります。昨年は12月23日付ソングスチャートにてアンディ、バールの他ブレンダ・リー、ナット・キング・コールが再登場したのですが(マライアはそれ以前に再登場済)、昨年12月23日付の集計対象期間はデジタル2指標(デジタルダウンロードおよびストリーミング)が同年12月1~7日、ラジオエアプレイが12月4~10日。他方今年12月8日付チャートの集計対象期間はデジタル2指標が11月23~29日、ラジオエアプレイが11月26日~12月2日。つまり今年は1週間前倒しでクリスマスソングが大量にランクインを果たしているのです。
前倒しの理由は正直解りかねます。メディア等でクリスマス需要が喚起されたのかもしれませんが、もしかしたらストリーミングの浸透、使用者の増加が前倒しを呼んだのではないか…そう考え、最新12月8日付のチャートを構成する各指標毎のチャートをチェックすると、デジタルダウンロード上位50曲中クリスマスソング3曲(最上位はマライア・キャリーの9位)、ラジオエアプレイ上位50曲中5曲(最上位は同じくマライアの41位)がランクインしていたのに対し、ストリーミングは上位50曲中9曲もランクイン。トップはマライアの8位ですがアンディ・ウィリアムスも9位に登場しており、やはりストリーミングが牽引していることが解ります。
(※なお、ストリーミングのうち、定額制音楽配信(オンデマンドストリーミング)に限ったチャートでは50曲中10曲がクリスマスソング。となるとストリーミング指標のうちYouTubeが強くないこともまた判明します。そう考えれば、レコード会社が今になってでも、きちんとしたミュージックビデオを制作すれば伸びる可能性があるかもしれませんね。)
今年のクリスマスシーズン、マライアのみならず複数曲が総合チャートでトップ10入りする気がします。