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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

(追記あり) ポスト・マローン首位返り咲き、クリスマスソング一掃でマライア・キャリーは"有終の美"…1月11日付米ソングスチャートをチェック

ビルボードのソングスチャートをチェック。現地時間の1月5日月曜に発表された、1月11日付最新ソングスチャート。集計期間がクリスマス以降となりマライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」をはじめとするクリスマスソングが一掃、新たな首位の座にはポスト・マローン「Circles」が返り咲きました。

ポスト・マローン「Circles」は昨年11月30日および12月7日付で首位を獲得しながら、ザ・ウィークエンド「Heartless」(1週)およびマライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」(3週)にその座を明け渡し、今回が5週ぶりの帰還。中4週を経ての首位返り咲きは2014年秋、テイラー・スウィフト「Shake It Off」が初登場から2週連続で首位に立ちながら、メーガン・トレイナー「All About That Bass」に8週間その座を明け渡した後にカムバックを果たして以来の長期ブランクとなります。なお、首位返り咲きまでの最長期間記録はチャビー・チェッカー「The Twist」の1960年9月~1962年1月となります。

「Circles」はラジオエアプレイで3週目の首位を記録、前週比3%アップで同曲初の1億超えとなる1億210万を達成しました。ダウンロードは前週比43%アップの23000(同指標2位)、ストリーミングは同16%アップの2420万(同指標7位)。ストリーミングは前週38位でしたがクリスマスソング一掃につき急上昇した形です。なお米ビルボードの記事では大見出しで、クリスマスソングが"溶けてなくなった(melt away)"と表現しています。

2位にはマルーン5「Memories」が7ランクアップで同曲初のトップ3入り。これによりマルーン5は2000年代、2010年代そして2020年代に2位以上の曲を獲得し、グループではローリング・ストーンズに次ぐ史上2組目の快挙を達成しました。なおローリング・ストーンズは1960年代に6曲が2位以上(うち5曲が1位)、1970年代に3曲が1位、そして1980年代に「Start Me Up」(1981)が2位を記録(ちなみに「Start Me Up」を阻んだのはクリストファー・クロス「Arthur's Theme (Best That You Can Do) (邦題:ニューヨーク・シティ・セレナーデ)」そしてダリル・ホール&ジョン・オーツ「Private Eyes」なのですから、不運と言えるかもしれませんね)。一方、マルーン5は2000年代、2010年代共に首位獲得曲があることから、2020年代に1位を獲得すればグループとして唯一の3年代首位獲得歌手となります。

「Memories」はダウンロードで前週比37%アップの25000を獲得し同指標3週目の首位、ラジオエアプレイは同5%アップの9500万(同指標3位)、そしてストリーミングは同15%アップの1770万(同22位)となっています。

ロディ・リッチ「The Box」が10ランクアップし3位となり、自身初のトップ10入りを達成。さらにマスタードに客演参加した「Ballin'」も今週最高位となる12位に到達しました。ストリーミングは前週比15%アップの4260万で同指標初の首位に立ちましたが、ダウンロードが前週比29%アップの6000(同31位)、ラジオエアプレイが同177%アップの360万(同50位未満)と2指標が低いゆえ、総合力で上回る2曲に敗れたと言えます。とはいえ、「The Box」を収録した『Please Excuse Me For Being Antisocial』は昨年12月21日付米ビルボードアルバムチャートで首位を獲得し、最新1月11日付では2位と好調をキープしており、弱点となる2指標にもアルバムの勢いが波及しそうです。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (5位) ポスト・マローン「Circles」

2位 (9位) マルーン5「Memories」

3位 (13位) ロディ・リッチ「The Box」

4位 (8位) ルイス・キャパルディ「Someone You Loved」

5位 (6位) アリゾナ・ザーヴァス「Roxanne」

6位 (10位) リゾ「Good As Hell」

7位 (14位) トーンズ・アンド・アイ「Dance Monkey」

8位 (38位) トラヴィス・スコット「Highest In The Room」

9位 (17位) ダン+シェイ&ジャスティン・ビーバー「10,000 Hours」

10位 (18位) セレーナ・ゴメス「Lose You To Love Me」

30ランクもの大幅アップでトップ10に返り咲いたトラヴィス・スコット「Highest In The Room」は、トラヴィスが主催するレーベルのコンピレーションアルバム『Jackboys』に収録された、ロザリア&リル・ベイビーを客演に迎えたバージョンが合算されことで再浮上。『Jackboys』は今週のアルバムチャートを制しています。

他方、前週トップ10に5曲登場したクリスマスソングはすべて100位圏外に。昨年12月21日付でザ・ウィークエンド「Heartless」が1→17位となり首位獲得翌週の大幅ダウン記録を更新したのですが、マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」がその記録を更新してしまいました。無論これは季節柄やむを得ないことではあります。

「All I Want For Christmas Is You」は前週が最後のエントリーになったと米ビルボードは報じています。というのも、一定週数以上チャートインしている曲がある順位を下回ればチャートから除外するというリカレントルールが米ビルボードソングスチャートに存在、20週以上在籍した曲が50位を下回ればチャートに復活できないのです。「All I Want For Christmas Is You」は合計37週在籍した後に100位未満となったため、今後米ビルボードソングスチャートに登場することはなくなりました。それゆえ、「All I Want For Christmas Is You」は前週、有終の美を飾ったと言えます。

 

 

※追記 (11月24日6時11分)

マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」が11月28日付米ビルボードソングスチャートで29位にリエントリーを果たしました。米ビルボードは同曲へのリカレントルールを適用しなかったことになります。よって”有終の美”という表現は誤りでした。訂正し、お詫び申し上げます。

(追記ここまで)

 

 

さて来週は、「All I Want For Christmas Is You」でマライア・キャリーと共演したこともあるジャスティン・ビーバーの新曲「Yummy」(1月3日リリース)がどの位置に登場するか、注目しましょう。