リリースした楽曲が多く、長きに渡って活動している歌手のベストアルバムにおいては、複数枚で構成されようと1作品のみではまとめきれずに再度ベストアルバムを出すことがあります。元のベストアルバムを"表"、そして再度出されたものを"裏"とするならば、裏ベストも大ヒットに至ることであらためてその歌手の凄さが示されることになります。
今月リリースされた、松任谷由実さんのデビュー45周年記念ベストアルバム『ユーミンからの、恋のうた。』が好調に推移しており、ビルボードジャパンのアルバムチャートでは前週(4月23日付)初登場1位、今週(4月30日付)では2位となりました。しかも今週は、表のベストアルバムである『日本の恋と、ユーミンと。』も順位を上げ、10位に到達しています。
【ビルボード】SHINeeのベスト・アルバムが総合首位 ユーミンとミセスが続く https://t.co/cMw6mmbAyk pic.twitter.com/EU3LPxvck4
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2018年4月25日
裏ベストには「雨の街を」「セシルの週末」「心ほどいて」「満月のフォーチュン」等人気曲が収録されていますが、世間が代表曲だとする曲群は表ベストにほぼ網羅。しかしながら最新のリマスタリングが施される等、嬉しい配慮がなされています。
それにしても面白いのは、この表と裏ベストでは初週売上に大きな差が生じているというところ。ビルボードジャパンには表ベストのデータが掲載されていない(見当たらない)ため、オリコンで比較してみると。
こちらが表。
そしてこちらが裏。
初週が表33.6万枚で裏10.8万枚...およそ3対1で推移しているのです。そしてこの比率と同様なのがDREAMS COME TRUE。
初週が表34.4万枚で裏10.9万枚。松任谷由実さんとほぼ同じ数値なのも驚きですが、こちらもやはり比率は3対1となっているのです。なお、表ベストについては後に、両者ともミリオン近くに達しています("近く"と表記したのは、出荷ベースでミリオンと数えている記事が散見されたゆえ)。裏ベストがどこまで伸びるか、注目したいところです。
一私見と前置きして書くならば、全曲持っていることに越したことはないのですが県域放送局でもない限り難しいことゆえ、表ベストを持っていれば大半のニーズは満たせるかもというのがラジオに携わる者としての見方です。しかし、先述した松任谷由実さんの裏ベストの楽曲同様、DREAMS COME TRUEにおいても特に裏ベストディスク3の中村正人さん選曲による黒さを伴った楽曲群が秀逸で、やはり裏ベストは持っていて絶対損はないはず。そして裏ベストは松任谷由実さん、DREAMS COME TRUE共に自身による選曲という思いが込められたものゆえ、表ベストを手に入れた方に安易にスルーしてほしくはないなあと思っています。