今日のラジオ特番、実に興味深いですね。
【特番のお知らせ】
— TBSラジオ FM90.5&AM954 (@TBSR_PR) 2018年3月7日
TBSラジオ震災特別番組「そのときにかける曲」
2011年3月11日の夜、地震の被害情報など速報を伝え続ける中、TBSラジオの放送で最初に曲をかけました。当時の選曲の意図など掘り下げていきます。
▼3月11日(日)19:00放送https://t.co/c3zqYB6q6k#大根仁 #山本真吾 #tbsradio
東日本大震災直後、落ち着いて(といってもまだまだ心に余裕はありませんでしたが)聴いた最初の番組は震災翌日の『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』(TBSラジオ 土曜22時)でした。この日最初に流れたRHYMESTER「そしてまた歌い出す」(アルバム『POP LIFE』(2011)収録。アルバムリリースは震災の9日前でした)は、今の自分をも勇気づけてくれる一曲です。当日の放送後記は下記リンク先に。
特番の告知で思い出したことがあります。それはビルボードジャパンのソングスチャート。2011年3月28日付のチャートは、3月14日月曜から1週間分のシングルCDセールスやラジオエアプレイ(オンエア回数)等で構成されています。震災直後ではありませんが、徐々に通常番組(特番編成ではなく通常番組の中で震災報道を厚めにする方向)に移行する中、どのような音楽が多く支持されたか、はっきり示されているのです。
同日付チャートの中から、とりわけ大きな動きを示した曲を抜粋すると。
・DREAMS COME TRUE「何度でも」(2005 初登場6位)
※『震災直後にラジオで最も多くオンエアされた曲』とのこと(ドリカム、震災被災地の長期支援を目的にベスト盤を発売 | BARKS(2011年5月11日付)より)。
・ゆず「Hey和」(2011 再登場11位)
・ドリーミング「アンパンマンのマーチ」(1988 初登場16位)
・平原綾香「Jupiter」(2003 再登場18位)
・絢香「みんな空の下」(2009 再登場17位)
21位以下を見るとジョン・レノン、マイケル・ジャクソン、松任谷由実、GLAY、AI、山下達郎、シンディ・ローパー(以上敬称略)...等が登場。そのどれもが"癒やしてくれる" "励ましてくれる" "独りじゃないと教えてくれる" "勇気づけてくれる"曲であり、前週と大きく様変わりしています。「何度でも」がラジオエアプレイ邦楽最上位であること、同週をカウント対象としたオリコン週間シングルランキングとの大きな違いを踏まえれば、この週ほどラジオが人々の不安な心を癒やし、和らげ、励ましそして勇気づけてくれることに貢献したといっても過言ではないでしょう。ビルボードジャパンのソングスチャートにおいてラジオエアプレイの構成比率の比率は決して高くないはずですが、YouTubeの再生回数がまだ指標に組み込まれていなかったこと(2015年6月開始)を踏まえればラジオの影響は大きかったはずで、ラジオ局や番組にはこのような曲へのリクエストが多く寄せられ、または局側が自ずと選曲し発していった...ビルボードジャパンのソングスチャートはその証明といえるでしょう。
今日の特番では、局側の自発的な選曲について、当時担当していた方が話してくださるということ。自分も震災2日後にラジオの生放送を担当した身として、当時のことを思い出しつつ、特番を聴こうと思います。