イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

放送局のレベルは緊急時にあらわになる

レベルという表現には賛否あるかもしれませんが、まさしく表題の通りです。

 

昨日東北地方を中心に広範囲で発生した地震。特に大きかった2つのうち、13:46頃に発生した地震への対応について、ラジオ局で大きな差がありました。自分は当時弘前市を車で移動中でしたので大きな揺れには気づきませんでしたが(同じ青森県内でも津軽地方と南部地方では大きな差があります)、RABラジオの”瞬時の変化”で地震の大きさを知りました。その後、ザッピングしながら聴いてみて分かったことを、漏れがあるかもしれませんが以下に記載します。

●RABラジオ

 ローカル生放送『GO!GO!らじ丸』トークパート時に地震発生

 →スタジオの様子、地震時の行動を即座にアナウンス。

  各所に電話をつなぎ(リスナーからも情報を収集)、状況を報告。

  筋野・青山両アナウンサーの2名体制(鉄マンさんは登場せず)。

  15時まで特別編成にて対応し、CMは差し替えしBGMへ。

  ジャパネットたかたラジオショッピングは休み。

 

NHKラジオ第一

 国会中継中に地震発生

 →地震速報に差し替え。14時過ぎまで集中して放送後国会中継へ戻る

 

FMアップルウェーブ(青森県弘前市コミュニティFM)

 ローカル生放送『ゴゴナビ!!』放送中に地震発生

 (トークパート中かは不明)

 →比較的早い段階で地震速報を放送。13時台は地震速報多め。

  14時からは通常放送に戻る

 

エフエム青森

 JFN系生放送『face』OA中(トークパート時かは不明)、地震発生

 →下記の自身のツイートの通り。

  なお、13時55分からは『過払い金スッキリ法律相談』がOA。

今回の地震東日本大震災の余震であるとのことで、4年近く経過したにもかかわらず未だに余震が起こることへの怖さを実感しています。と同時に、大震災を経てラジオ局の震災等緊急時の体制が【強化されたか、放置されたか】も如実に伝わったかのようです。

 

エフエム青森で今回唯一良かった点は、『face』14時台最初の曲の際に曲をBGM扱いにして鈴木アナウンサーが地震情報を差し込んだ点。しかしそれでも、決して小さくはない地震に対しての情報送出が地震のおよそ20分後というのは遅すぎます。13時台最後の5分番組を止めてエフエム青森から地震情報を発信したほうがよかったのではないでしょうか。それで営業利益が手に入れられなくなるとしても、です。

 

そしてこれはエフエム青森だけの問題ではないでしょう。以下は自身のツイートより。

『face』での”呑気っぷり”(と感じられた空気感)には正直悲しくなってしまいました。地震情報が届いてこないことへのヤキモキ感を更に増幅させる杉崎美香さんのトークの軽さ。普段聴いている分には楽しくて朗らかな方だろうと好印象なのですが、軽妙さはヤキモキ感によって”軽薄さ”に変わってしまいかねません。無論受け手の感じ方の問題と言われればそれまででしょうが、そういう認識はスタッフも演者も共有して、伝える分は迅速にしっかり伝えるという体制をとっていただきたいものです。

無論、『face』が全国放送ゆえに地震の被害がない地域の放送局も多く、それゆえ先述したエフエム青森の差し込みのように個別に対応して欲しいという思いがあるのかもしれません。そうだとしたら、JFNの本部と各放送局での連携やコンセンサスがとれているのかが大きな疑問です。また地方局は地方局で、本当にリスナーのためを思った瞬時の行動が出来ていないことも露呈しました(13時台の曲中に、もしくは5分番組を止めて情報送出することが出来なかった点において)。厳しい物言いですが、緊急時にはJFN系列は頼りにならないことが分かってしまった感すらあります。本当にしっかりしていただきたい。

 

 

他方、RABラジオの緊急体制が一時間以上続いたこと(それによってCMの差し替えおよびジャパネットたかたラジオショッピングが中止)に、ともすれば、『震度5強”程度”で大げさな…』という声が出てくるかもしれません。しかしここまで徹底した放送は、次の万一の際(それこそ東日本大震災レベルの大災害)に頼りになることを呈示しているともいえるわけで、好感が持てました。仮に先程の不満を持っている方がいたならば、その時だけチャンネルを切り替えればいいのではないかと思います。CMやラジオショッピング中止という営業利益を捨てるだけのの”覚悟”を見せたことに、局が”誰のために存在するか”を示したように思います(その”誰のために”の意味においては、5分番組をそのまま流したエフエム青森に対して、ここで以前述べた疑問が再燃してしまっています)。

 

 

東日本大震災が発生したのが金曜日。発生直後の放送体制は、RABラジオなどが発生直後から24時間体制で情報送出に努めていたのに対し(津軽地方のFMアップルウェーブも、日曜17時まで24時間体制で情報送出を敢行。通常放送に戻った最初の放送が自分が担当している番組で、それまで情報送出を続けてきた局の地元密着の姿勢に、放送の”使命”を実感しました)、エフエム青森は金曜日の15時台に録音番組を2つ立て続けに流し、16時からはじまる生放送の番組までの間、青森県の被害状況等の情報が見えなかった記憶があります。

そこから今日に至るまで、緊急時の体制を如何に整えてきたか、もしくは整えてこなかったかが、昨日一日で手に取るように分かりました。今一度、昨日を教訓にして、特にエフエム青森ならびにJFNには再考をお願いしたいところです。