今週知った、とんでもないリミックス。
・美川憲一「駄目な時ゃダメよ (House Mix)」
なんでしょうこの中毒性。そしてサンプリング(クレジットはおそらくないかもしれないけど、後述する)曲との違和感のなさ! 原曲とほぼ(全く?)BPMを変化させることなくここまでグルーヴ感が出るとは…天晴です。
グルーヴィ化の最大の要因は、シンセで用いられている"ジプシー・ウーマン"(風味)であることは間違いないはず。
・Crystal Waters「Gypsy Woman (She's Homeless)」(1991)
原曲は1991年リリースのシングル。ビルボードシングルチャート最高8位、同ダンス・クラブ・プレイチャートでは1位を獲得(同曲の米版Wikipediaより)。全編に敷かれたシンセのウワモノと、♪ラダディ~ランロ~というフレーズ(よくよく聴けば音程がずれてたりも)のふたつの要素が中毒性を俄然高めていますね。
それをまさか演歌で当てはめるとは思いませんでしたが、あまりにも見事に合致。美川憲一さんと"ジプシー・ウーマン"という組み合わせの妙(?)も相俟って、このリミックスを知ってから既に10回以上は聴いてます。
ちなみにリミックスを担当したのは上野圭市氏。リミックスや作・編曲を多数手がけています(氏のWikipediaを参照)が、安室奈美恵さんが先日のドームライヴの大ラスで歌った「Say the word」のアレンジも(原一博氏との共同で)手がけてるのですね。彼女にとって"小室氏以降"の第一弾シングルでありターニングポイントとなった大事な曲。音楽業界全体にとって大きなポイントに成るであろう曲を手がけた方によるリミックス…と書くと、リミックスの風格が一気に増したかのような感覚を抱きます。
ちなみに自分は以前、別の機会に"ジプシー・ウーマン"を強く意識したことが。それはゴスペルデュオ、メアリー・メアリー(Mary Mary)による「Walking」で、そこでも”ジプシー・ウーマン”が敷かれていました。
・Mary Mary「Walking」(2010)
アルバム『Something Big』(2011)収録。ビルボードゴスペルチャート最高3位、そして同ホット・ダンス・クラブ・プレイチャート5位を記録。シンセと同じ音階をメロディラインにして力強く歌い上げることで不思議な心地良さが生まれます。こういうネタの活かし方ってあるんだなあ、とウォーリン・キャンベル(Warryn Campbell)のプロデュースに感嘆したり。
先日も紹介したサンプリングデータベースサイト【WhoSampled】では、"ジプシー・ウーマン"をサンプリングした作品が19曲紹介されています。T.I.やピットブル(Pitbull)に用いられたり、SATOSHI TOMIIEがリミックスで用いたりと引用も様々。今後"ジプシー・ウーマン"をサンプリングしたどんな変わり種作品が登場するか楽しみですが、やはり美川憲一さんのインパクトはあまりに(いい意味で)突飛すぎるかもですね。