イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

プロ野球中継終了から22時までの”つなぎ番組”が適当になってやいないか

今週水曜夜に弘前公園の夜桜を観に行ったことについては弘前公園の夜桜を、麗しきデュエット曲と共に(4月27日付)で記載しました。その際、目的地へ向かう車内で聴いたのがRABラジオ『RABミュージックCube』。火曜から金曜に放送されるプロ野球中継が早く終わった際、22時までのつなぎ番組として長く続いているのですが、4月26日21時49分頃に流れた曲の紹介内容に、正直耳を疑いました。

ジェームス・テイラーの情緒豊かな詞と、ボブ・マーリーのレゲエと、スティングのジャズの経験が融合して作られたこの曲は、1983年7月9日から、8週間1位をキープ。ビルボードの年間ナンバーワンシングルになりました。1位の座をキープした長さでは、ビートルズの「Hey Jude」の9週間に次いで2位。ビージーズの「恋のナイトフィーバー」と並んでいるのです。それでは聴いてください。ポリスで「見つめていたい Every Breath You Take」。

・4月26日放送『RABミュージックCube』より。radikoタイムフリーで5月3日まで聴取可能

ポリス「Every Breath You Take」が8週間1位を獲得したことは間違いありませんが、それ以前にこの曲より長く1位を獲得した曲がわずか1曲しかないというのは誤り、オリビア・ニュートン・ジョン「Physical」(1981)、デビー・ブーン「You Light Up My Life」(1977)は共に10週間1位を獲得しています。

もしかしたら「Every Breath You Take」が8週間"連続"で首位をキープし、一方「Physical」や「You Light Up My Life」は不連続的ゆえに割愛されたのでは?と思い、米ビルボードのチャートアーカイブを調べてみたのですが、双方とも連続で1位を獲得していました。ちなみにアーカイブについては特段サイトが用意されているわけではなく、ソングスチャート(The Hot 100)にある"ARCHIVE SEARCH"に年月日を入力することで確認出来ます。非常に解りやすいですね。なお、上記ビルボードの記事ではエド・シーラン「Shape Of You」の記録も掲載されているゆえ、今後長期1位を獲得した曲があれば上書きされていくものと思われます。

 

 

情報の誤りはいつ何時も発生するものであり、それにいちいち目くじらを立てるのはおかしいとは思います。しかし問題は、この曲の紹介が”幾度となく使われている可能性がある”ということなのです。実は一度、この番組についての問題を指摘し、刷新番組の企画案を提示しています。

当初『RABミュージックCube』の問題点として指摘したのは、番組に使用される曲や喋りの使い回し(によるマンネリ感や)、アナウンサーの声がいつのものか不明という問題(ポジティブな見方をすれば、誰の声か当てるという楽しさはあるかもしれません)でした。が、今回のような誤った曲紹介がそのまま使い続けているのであれば、誤情報がどんどん広まっていくわけです。それについての問題意識がないのか、曲に対する扱いが雑ではないのか、そして番組そのものに情熱が注がれなさすぎるのではないか...と思ってしまうのです。

 

自分が提示した新番組案に関してはそれが完璧とはいえないでしょうし、当然ながら人員や経費が必要ゆえ、”言うはタダ”と揶揄されるかもしれません。また、人によっては、どの曲が何週1位を獲ったかだなんて関係ないと言う人もいらっしゃるでしょう。ですが、今回の間違いで『RABミュージックCube』の”脆さ”等がはっきりした以上、やはり刷新は必要ではないかと感じています。格安な価格でもいいですしワンマンでもいいのならば自分が名乗り出たいくらいですがそこまでいかなくとも、現在の体制において【曲紹介原稿の入念なチェック→現在のアナウンサー陣での録音→番組使用音源の刷新】を早急に行っていただきたいと願いますし、それで大分印象は変わるはずです。ポリスを紹介したアナウンサーがどなたなのかすら解らないほど過去の録音と思しきことを踏まえれば尚の事です。

"コサキン"がスルーされてしまったTBSラジオ『ぼんやり審議会』に望むこと

毎週金曜はラジオの話。

 

先週(4月17日~23日)が首都圏ラジオ局の聴取率調査週間。"スペシャルウイーク"と称して大々的な特集が各局、各番組で組まれました。その中でも特に盛り上がっていたのは【コサキン復活】ではなかったでしょうか。その放送に感化されて、下記エントリーを掲載しました。

このコサキン復活を含め、星野源さんがラジオの存在を広く世に示す機会が数多くあったことから、ブログエントリーの最後に『他局でもいいので取り上げていただき、そこからヒントを探っていただけたならば』と書きました。実はこのときには既に4月23日放送の『ぼんやり審議会』(TBSラジオ)の生放送があることを承知していて、さらに同番組で【ラジオ業界の現状と今後】というテーマが設けられるとのことでしたので、局に関係なく意見が飛び交ってくれれば、特に今回のコサキン復活について…という期待を込めての記載でした。

(リンク先の音声(radikoタイムフリー)は今月30日まで聴取可能です。)

 

自分はリアルタイムで聴くことが出来ず、後にタイムフリーでチェックしたのですが…正直言って、非常に残念でした。しまおまほさんからコサキンについての話題が出ていながら、お茶を濁された感が強く残ってしまったのです。番組では、バナナマンがラジオでコントを披露したことを踏まえ、コサキンもコントをやってたよねという流れになったのですが。

(しまお) ああ、コサキンねえ…コサキンは…

(三条) そうですね、ええええ。

(吉田) 他局の。

(しまお) 他局に…はい。

(一同) (苦笑)

(しまお) なんかすいません。

(蓮見) でも全然、お気遣いなく。

(しまお) いや、気は遣ってないんですけど。

(一同) (笑)

(吉田) 解ってます。

(一同) (笑)

 ・当日の放送より(radikoタイムフリーで聴取可能)

これ以上の話は出ませんでしたが、これって、局の編成部員でこの番組の常連である三条毅史氏への過度な遠慮のように見受けられましたがいかがでしょう。TBSの蓮見アナウンサーもフォローしていたのでよりその印象が強まります。そして笑い声において"(笑)"と"(苦笑)"とを分けて記載しましたが、"(苦笑)"は本当に文字通りの苦笑いだったことが如実に伝わってきました。さらにはおかしな空気から発せられる間まで。

この日の放送ではプチ鹿島氏が、『Session-22』に以前、森友学園籠池氏がインタビュー出演した際の音声について、声は正直であるというようなことを言っていたのですが、書き起こし時の放送で感じた声ならびに空気や間には局や三条氏への遠慮が垣間見られ、たしかに声は嘘付けないよなあと痛感。これがいわゆる大人の対応なのかもしれませんが、あきらかに表面を取り繕う"オトナ"な印象が見られて、とにかく残念だったのです。

 

 

コサキンの番組がTBSラジオから離れた経緯や、その際に同局の著名なパーソナリティが特に営業に向けて激昂したなどの噂は伝わってきます。が、あくまで噂レベルゆえそれについては深く言及するつもりはありません。問題はこの日の放送で言っていたことと、コサキンの話をタブーとすることに果てしない矛盾があったことにあります。その矛盾とは。

 

 

① 他局と同様に、TBSラジオでも他局の常連を招いている

たとえば『伊集院光とらじおと』(TBSラジオ 月-木曜8時30分)。4月20日の放送には吉田照美さんがゲストで登場。文化放送で長年、平日帯の生ワイドを担当されていた方です。

また、先述したコサキン出演の『星野源オールナイトニッポン』(ニッポン放送 火曜25時)の真裏、『火曜JUNK 爆笑問題カーボーイ』(TBSラジオ 火曜25時)には直前の番組を担当するアルコ&ピースがゲストで登場。アルコ&ピースは途中中断もありながら、2012年から2016年にかけてニッポン放送の番組を担当しており、こちらもある種"局の垣根を越えて"の放送といえるかもしれません。

両番組とも『ぼんやり審議会』では触れられているわけで、それゆえ"TBSラジオが他局の常連出演者と共演することについてはOKなのに、なんで逆は言ってはいけないのか"と疑問を抱くのは自然なことではないでしょうか。

 

② ラジオは本音を言えるメディアであると話している

番組の後半、しまおまほさんはラジオが若者の間で聴かれなくなった現状の一因として彼らが『テレビがメインでラジオでは手を抜くんではないかというイメージを持ってる』という意見を述べ、吉田豪さんがすかさず『逆なのに』と相槌を打っています(radikoタイムフリーで4月30日まで確認出来ます)。ラジオのほうが本音を言えると言及するのであれば、やはりコサキンのくだりを濁すその対応は真逆と感じざるを得ません。

 

③ ラジオの将来のためにはラジオ業界全体がタッグを組まないといけないのではという結論が見えていたはず

番組後半において、特に若い人がラジオに接していない、もしくは接し方すら解らないという調査結果、ならびに半ば強制的にラジオを聴かせる実験を行うと実験終了後も多くの方が生活にラジオを聴いてくださるというデータを紹介していました。これらを踏まえてたとえば、"ラジオ聴きながらYouTubeを見る、その両方が1台のスマホで可能"という周知や、より壮大な実験の開催などを行う必要があるはずだと実感しました。その際、単局での実行には限界があるはずで、ならば局が垣根を越えてタッグを組む必要があるはずです。しかしながら、番組中にはTBSラジオだけを持ち上げる空気が幾度となく感じられ(たとえば、好きな歌手が他のラジオ局に出演する際に聴くという子どもを持つ親からのメッセージ紹介後、その子どもが聴く局の中にTBSラジオがなかったからか、TBSラジオも好いし同局ならばまんべんなくフォローしているんですよという声が上がっていました。ちょっとだけ過度なフォローアップに感じられましたが考えすぎでしょうか)、実はラジオの将来を憂うゆえのテーマとしておきながら実は、2月の聴取率が前々回に比べて0.4%も落ち込んだTBSラジオについてのみ聴取率を上げたいと思っているのでは…という穿った見方すら生じるほど。その見方が仮に正しいならば、他局のスペシャルウイークの動向を取り上げるわけにはいきませんよね。この考えはかなりの邪推に基づくものではありますが。

 

 

今回の『ぼんやり審議会』ではコサキンの話が半ばタブーになってしまったことも残念ですし、その点を通して"本音と建前"がはっきり見えてしまったことが悲しいですね。無論、社会に出る者には少なからず建前は必要ですが(その点については自分が真逆の人間であるゆえ激しく痛感している次第)、とはいえ先述した3点を踏まえれば少なくともコサキンについてもタブーにしてはいけなかったはずです。いや、もしかしたらしまおさんはコサキンNGワードだと解っていて敢えて三条氏にぶつけ、その上でそれ以上の話の展開を断念したのかもしれませんが。ならば、次回『ぼんやり審議会』があるのであれば、その際は三条氏を排していただき、より本音で語り合える場所であってほしいと思います。しまおさんをはじめ皆が本音を言い難いと思うならば、ネットなどで寄せられた声を、どんな厳しい意見であろうと拾い上げることも大事でしょう。その際は進行役についても、例えば堀井美香アナウンサーや外山惠理アナウンサーのようなより本音が言えるタイプの方を用意することをお勧めします。

弘前公園の夜桜を、麗しきデュエット曲と共に

このアナウンスがあった火曜は終日雨、それどころか春の嵐の如き雷雨に。昨日も夜遅くまで雨だったのですが日付が変わる前までには止むという予報を信じ、仕事終わりに弘前公園へ。23時までのライトアップが終わる直前、様々な場所を巡ってきました。

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雨がポツポツと降る時もあったもののなんとか持ち堪えてくれた22時台。桜は一部散り始めたものの残ってくれています。週末にはたくさんの来場者が見込まれることもあり、せめて天気が穏やかであってほしいと願うばかりです。

 

 

公園を巡る間、頭の中で鳴り響いていた曲はデイリーとジル・スコットによる「Until The Pain Is Gone」。米ビルボード最新5月6日付、アダルトR&Bチャートで17位に上昇しています。

ミュージックビデオにはジル・スコットは出演せず。デイリーはデビューした2014年のライブで、彼女の名曲「He Loves Me」を美しくカバーしており、もしかしたらジル・スコットはデイリーにとっての憧れの人なのではないかと。

「Until The Pain Is Gone」、ミュージックビデオでの雨の景色もあって雨の曲だと勝手ながら思っていました。チャートを寝ぼけ眼で見て"Pain"を"Rain"と勘違いしたためで恥ずかしい限りなのですが、逆にその勘違いによって、昨日の桜雨を彩るBGMになってくれました。勘違いに感謝したいところです。

"キキ"から10年以上経過…キエラ・シアードが先導する最新ゴスペルヒット

ビルボードをひとつかみ。

最新5月6日付のホットゴスペルソングスチャートで3位にランクインしているのがGEI feat. キエラ・シアード「Hang On」。既に31週目となるランクインゆえ最新曲とはいえませんが、今も赤丸がついたこの曲、何度も上昇と下降を繰り返しながら、幾度目かとなる3位に到達。上位2強をうかがっています。

この曲が収録されたGEIのアルバム、『GEI Live』は昨年9月末のリリース。詳細はbmrに詳しく掲載されています。

「Hang On」でフィーチャーされたキエラ・シアード(以前弊ブログでは"キエラ・シェアード"と記載していましたが、今後は"シアード"にあらためます)は、日本では"キキ(KiKi)"の名称でデビューし、「Let Go」等がラジオを中心にヒットした…といえば覚えている方もいらっしゃるのでは。

日本ではキエラ・シアードを"キキ"とだけ称するところもあったり、またはR&Bライクなゴスペルでありながらゴスペルであると謳わなかったこともあり、その売り出し方にゴスペルを歌っていた自分は疑問を抱いた記憶が。それゆえか、売り出し方や人気等が一過性で終わった印象があります(他にもジェイソン・チャンピオン「Always」もそうでしたね。こちらもたしか同じEMI(当時)だったはず)。しかしながら彼女はその後もアルバムをリリースし続けており、日本でもその動向を追いかけている方は少なからずいらっしゃることでしょう。ちなみに彼女名義の最新アルバム『Graceland』についても下記bmrに詳しく掲載されているので是非。なお、日本でリリースされた作品群は現地でも"KiKi"という名が付けられていましたが、サードアルバム『Bold Right Life』以降はその部分が割愛。"KiKi"からの脱却なのかもしれませんがその真相は不明です。

 

継続的に活動し、ゴスペル界で地位を築きつつあるキエラ・シアード。今回ファミリーレーベルからリリースされた『GEI Live』において、GEIの名を轟かせるべく一肌脱いだという格好といえます。ミドルテンポで癖になる曲ですし、クワイアでもソロでもカバーするにはもってこいの楽曲ゆえ、日本のゴスペル界でもカバー等に重宝されるかもしれません。

また、『GEI Live』で1曲を除きソングライト&プロデュースに関わっているデリック・スタークスは注目の存在といえるかも。「Hang On」のミュージックビデオの冒頭、"Everybody clap your hands"と呼びかけているのがデリック。彼のパワフルさ、熱量もまたこの曲のパワーの源かもしれません。

米ソングスチャート、ケンドリック・ラマー制覇&アルバム全曲トップ100入り

ビルボードソングスチャートを定点観測。

現地時間の4月24日月曜(日本時間の火曜早朝)に発表された、5月6日付最新チャート。エド・シーラン「Shape Of You」が遂に12週間の首位から陥落。代わってトップに立ったのは、アルバム『DAMN.』が今年最高のポイントを叩き出し同日付アルバムチャートを制したケンドリック・ラマーによる「Humble.」でした。

記事は下記に。

そしてトップ10はこちら。

とにかくケンドリック・ラマー強し!の今週。アルバム『DAMN.』はセールスおよび単曲ダウンロードのアルバム換算、ストリーミングポイントのアルバム換算により今年最高となる603,000ユニットを獲得して首位に到達。とりわけストリーミングが牽引する形となり先行曲「Humble.」が今週1位を獲得したわけですが、その他アルバム『DAMN.』収録の全14曲がソングスチャート100位以内にランクインしました。

最も下に位置した「Duckworth.」でも63位というのですから、如何に勢いがあるかが解ろうというもの。トップ10内には「DNA.」が4位に初登場を果たしています。

 

ミュージックビデオが制作された上記2曲はそれぞれ、「Humble.」が6740万回、「DNA.」が5100万回という高い再生回数を獲得。ビデオが作られないものでも14位に初登場を果たしたリアーナ客演による「Loyalty.」が3220万回という数値を叩き出しており、如何にストリーミングで強いかが理解出来ます。またミュージックビデオを立て続けに公開したことでアルバムセールスを牽引する効果も持ち合わせており、今回のアルバムリリースの流れにおける巧みな戦略も解ります。なお、「Humble.」のストリーミング再生回数は歴代2位の記録となりますが、歴代1位のバウアー「Harlem Shake」が2013年3月2日付にて1億300万回という数値を上げているのですから、よほどのことがない限り今後バウアーを超える曲は生まれないのではないかと。

 

大事なのは次週以降、「Humble.」が首位の座に留まり続けるかどうかだと思われます。ストリーミング以外の指標をみてみると、デジタルダウンロードは前週比3%ダウンの56,000、ラジオエアプレイは同26%アップの2800万回。ラジオエアプレイには伸びしろがあると言えるでしょう。そのラジオエアプレイの牽引により通算12週(連続11週)もの間首位の座を維持したエド・シーラン「Shape Of You」は今週、総合チャートで陥落したと同時にラジオエアプレイでも遂に下降に転じました。とはいえその下降幅は1%。他指標でもストリーミングで5%ダウン、デジタルダウンロードでは前週比変わらずとなっていることを踏まえれば、中1週での首位再浮上も十分有り得そうです。そして首位の座をじわりじわりと狙っていたブルーノ・マーズ「That's What I Like」は「Humble.」に飛び越される形で3位にダウンしましたが、ラジオエアプレイでは1億6000万回に到達し、デジタルダウンロードでも前週比9%の上昇。勢いが未だ衰えていないことから次週は三つ巴となりそうな予感がします。

 

その他、今週のトップ10内初登場作品をチェック。

EDMプロデューサーのゼッドとシンガーのアレッシア・カーラによる「Stay」が7ランクアップで7位に到達。2組にとって共に3曲目となるトップ10入りを果たしました。この上昇はiTunesStoreでの69セント販売、および4月18日に上記ビデオが公開されたことによるデジタルダウンロード・ストリーミングの牽引が大きく貢献したゆえ。

そして今回、アレッシア・カーラがトップ10に入ったことで"途絶えた"記録が。実は先週のトップ10、女性歌手が一組も入っていなかったのです。これは実に33年ぶりとなる大記録。アレッシア・カーラの登場はその記録にある種終止符を打った形になりました。

上記にはその33年前、1984年2月11日付のトップ10が掲載。カルチャー・クラブ「Karma Chameleon (カーマは気まぐれ)」が制したチャートでは確かに女性歌手はいません。それ以来となる記録なだけに、それだけ現在のチャートは男性が元気なのかもしれませんね。

 

最新チャート、トップ10初登場組に話を戻すと、ラテン歌手のルイス・フォンシとレゲトン歌手のダディー・ヤンキーによる「Despacito」が前週の48位から大きくジャンプアップして9位に登場しました。このジャンプアップの要因は最近日本でも露出度が高い、ジャスティン・ビーバーが新たに参加したバージョンが公開されたゆえ。

デジタルダウンロードが前週比510%もの上昇を果たしたというのですから、まさにジャスティン様様といったところでしょうか。ちなみに"ゆっくりと"を意味するこの曲名はスペイン語ですが、スペイン語による曲のトップ10入りはあの全世界を席巻した「Macarena (Bayside Boys Remix)」以来実に21年ぶりとなります。

 

このようにチャートが毎週のように混沌となりながらも、ランクインし続けているのがザ・チェインスモーカーズ。「Paris」はトップ10から脱落しましたが、コールドプレイとの「Something Just Like This」は3ランク落としながらも今週8位にランクイン。順位は落としたものの、ラジオエアプレイで前週比22%も上昇し遂に1億回再生に達したことで、ザ・チェインスモーカーズにとって通算51週連続のトップ10入りを果たし、連続トップ10入り記録でドレイクに並び歴代2位となりました。今後この曲が伸びていけば歴代トップの座も見えてくるかもしれませんが、歴代トップとなるケイティ・ペリーの記録はなんと69週…壁はまだまだ高いようです。

弘前公園の桜写真問題にみる、"パクツイ"への私見

地元民なのに…危うく引っ掛かるところでした。

元々は(まとめサイト先にも掲載されている)nullさんという方の写真が、とある者によって"パクツイ"されていました。自分も一瞬井の頭公園と信じて見惚れてしまいましたが、実際は我が地元、弘前公園のもの。冷静な判断がネットには求められるよなと痛感しています。

nullさんの大人な対応が実に素晴らしいなと。

元の写真はまとめサイト経由で確認出来ます。そしてそのnullさんが撮影したところとほぼ同じ場所から昨夜、撮影してみました。

https://www.instagram.com/p/BTOvZkJlp3I/

自分の場合はスマートフォンの写真アプリ使用で、そのアプリも初期設定のままなのですが、それでも5~8分咲きの桜が美しく、幻想的な雰囲気を醸し出していました。今週半ばには外濠が、公園内は週末頃が満開になる予感がします。是非弘前公園に足を運んでいただきたいと思います。また昨日のラジオ、『わがままWAVE It's Cool!』でも紹介したのですが、弘前市藤崎町を結ぶ国道7号が昨年から"つかの桜街道"と命名され、公園より一足先に見頃を迎える桜が現在ほぼ満開。夜間はぼんぼり程度の明るさでライトアップされていますのでこちらもお勧めします。

 

 

最後に。こういう"パクツイ"に関してはその動機が様々あるかもしれませんが、今回写真を盗んだ者はその動機を『面白いのいっぱい釣れるから』と記載、しばらく"パクツイ"を消さずにいました(この件についてのまとめサイトこちらに)。この動機をみるに明らかな悪意が見受けられるため、詐欺的な動機を持ち合わせた者についてはきちんと裁かれる必要があると感じます。実際の詐欺事件や今回のようなネットにおける悪意はその裁かれ方(罰則等)がとても不十分だと考えており、このエントリーが一石を投じるきっかけになればと思うのですが、如何でしょうか。勿論、ネットを利用する私達の冷静な判断もまた必要ですが。

番組キリ番の日、そして"ダチーチーチ"にみるニッチとラジオの関係

弘前市コミュニティFMFMアップルウェーブ。その開局の年から放送している番組の一つが、自分がスタッフの一員を担当している『わがままWAVE It’s Cool!』(日曜17時)です。さてこの番組、本日4月23日が放送888回目といういわゆるキリ番を迎えることになりました。スタッフを勝手ながら代表して、皆さんに感謝申し上げます。自分は2007年からの参加ですが、最近では裏方の楽しさも学び、また弘前大学ラジオサークルの個性豊かな面々とのめぐり合わせにもまた楽しく、貴重な経験をさせていただいています。

さて、今日の音楽特集(今週のオススメ)は、そのキリ番にちなんで【8】。歌手名や曲名に8、もしくは88や808もOKという振り幅広めのテーマにしていますが、今回曲を探すうちにこんな音源を見つけました。これがいわゆる”ダチーチーチ”満載でアガること必至!

2001年にここまでソウルフルな(音質的にも70年代ソウルを思わせる)、そしてダチーチーチ満載な作品を持ってくるとはなんてセンスあるんだ!と実感です。

 

さて、"ダチーチーチ"とは何かというと…今年1月の『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』(TBSラジオ 土曜22時)で特集された、ドラムによるフレーズのひとつ。演奏方法、その起源ならびに番組でのOA曲などは下記ブログにてまとめられていますので勝手ながら取り上げさせていただきます。

番組中、"ダチーチーチが出たら\ウェーイ/ってしましょうという"呼びかけがあり、自分も身体が勝手に反応してしまいました。しかも、プレゼンターのオカモト"MOBY"タクヤさんが所属するSCOOBIE DOの新曲にも"ダチーチーチ"が用いられていて、しかもこれまでのイメージとは少し異なる雰囲気にニヤリとさせられます。

 

"ダチーチーチ"を取り上げるだなんてニッチすぎる…と言ってしまえばそれまでなのですが、こういうのを取り上げてくれることこそラジオの醍醐味なんですよね。そしてニッチな楽しみ、面白さを少しでも多くの方が受け入れ、その中から熱狂的に好きになってくれる方が生まれたならばそれこそ発し手にとって最高の喜びかもしれないなと。その点については、最近公開されたばかりの宇多丸さんの番組に関するインタビューが刺さりました。

——タマフルに出たいという人も多いと思うのですが、どうすればいいんでしょうか。

やっぱり、一個でいいから狂気じみた熱量をもって、伝えたい何かがあることじゃないですか。伝えたいという気持ちがあればいい。

逆に、いくら知識があっても、伝えたい熱が薄い人は、うちの番組には合わないかもしれない。熱を持つ対象はなんだっていいんですけど。

話題性より大事なのは狂気的な熱量...ライムスター宇多丸が語る「タマフル」の10年 - BuzzFeed News(4月21日付)より

前に国会論戦を取り上げた『荻上チキ Session-22』(TBSラジオ 月-金曜22時)においてつぶやいたことがあったのですが、ラジオは音のみで伝えるメディアゆえ、声の機微でその人の本気度や、嘘をついていないかなどが如実に伝わるしまた判るんですよね。ニッチだとかは関係なくまたそれを気にすることなく、誰かに伝えたいという思いは本当に大事ですし、それは間違いなく伝播していきます。それこそがラジオをより輝かせる大きな原動力ではないでしょうか。

 

 

自分が関わっている『わがままWAVE It’s Cool!』では音楽特集が番組の軸となり、またテーマには括りがありますが、そんな中で今日はどんな珍曲をかけるかをメインの選曲担当であるササキさん共々考えています。少なくとも東北一珍曲をかける番組という自負を勝手ながら抱いていますので、今後とも是非ご愛聴のほど、よろしくお願いいたします。