イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【海外ビルボード】テディ・スウィムズ「Lose Control」が米初制覇、グローバルはベンソン・ブーンが返り咲き

現地時間の3月25日月曜に発表された、最新3月30日付米ビルボードソングチャート(集計期間:3月15~21日)。前週初登場で首位に立ったアリアナ・グランデ「We Can't Be Friends (Wait For Your Love)」は3位に後退、テディ・スウィムズ「Lose Control」が初の首位を獲得しました。

ビルボードソングチャート65年の歴史において1,167曲目の首位を獲得したテディ・スウィムズ「Lose Control」は、ストリーミングが前週比2%ダウンの2320万(同指標4位)、ダウンロードが同34%ダウンの8,000(同指標6位)、ラジオが同9%アップの5910万(同指標3位)を記録しています。

「Lose Control」は今回の集計期間中、ティエストによるリミックスが3月19日、ラジオエディットバージョンが3月21日に新たにリリース。オリジナルバージョンに加えてこれまでリリースされたアカペラ、インストゥルメンタル、ピアノ、ストリングスの各バージョン、スローダウンやスピードアップの各ミックス、"BBC Radio 1 Live Lounge Session"レコーディングバージョン、フリーク・フリーリーとの"Nashville’s Ryman Auditorium"ライブバージョン、およびゴダードによるリミックスに、今回リリースされたリミックスおよびラジオエディットが加算された形です。

 

ジョージア州コンヤーズ出身のテディ・スウィムズは、マイケル・ジャクソン「Rock With You」のカバーが2019年にバイラルヒットし、同年のクリスマスイブにワーナーレコードと契約を締結。その後、共同ソングライターとして参加したトーマス・レット「Angels Don't Always Have Wings」が昨年9月、カントリーエアプレイチャートを制しています(首位滞在は1週)。

「Lose Control」はテディ・スウィムズ初のフルアルバム、『I've Tried Everything But Therapy (Part I)』に収録。同作は3月16日付米ビルボードアルバムチャートで最高位となる25位に到達しています。

 

「Lose Control」は男性ソロ歌手としては最長となる、登場32週目での首位獲得となりました。

<米ビルボードソングチャート 首位獲得までの登場週数>

・59週 グラス・アニマルズ「Heat Waves」 2022年3月12日付

・54週 ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」 2023年12月9日付

・35週 マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」 2019年12月21日付

・33週 ロス・デル・リオ「Macarena (Bayside Boys Mix)」 1996年8月3日付

・32週 テディ・スウィムズ「Lose Control」 2024年3月30日付

・31週 ザ・ウィークエンド & アリアナ・グランデ「Die For You」 2023年3月11日付

・31週 ローンスター「Amazed」 2000年3月4日付

・30週 ジョン・レジェンド「All Of Me」 2014年5月17日付

 

テディ・スウィムズは「Lose Control」により、歌手としてのみならずソングライターとしても初の首位を獲得。共同で手掛けたジュリアン・ブネッタ、インファマスおよびミッキー・エッコはいずれも初の首位、そしてジョシュ・コールマン(ジョシュア・コールマン)にとってはケシャ「We R Who We R」(2010 1週)、ケイティ・ペリー feat. カニエ・ウェストE.T.」(2011 5週)に続く首位獲得となります。

 

ベンソン・ブーン「Beautiful Things」が3→2位となり最高位を更新。テディ・スウィムズ「Lose Control」共々ワーナー・レコード発であり、ワーナー・レコードからリリースされた曲がワンツーフィニッシュを果たしたのは2013年4月6日付以来となります(マックルモア & ライアン・ルイス feat. ワンツ「Thrift Shop」が通算5週目の首位となり、バウアー「Harlem Shake」が登場6週目にして首位から2位に)。ワーナー・レコードは「Harlem Shake」初登場時から6週続けて、この2曲でワンツーフィニッシュを続けていました。

 

「Lose Control」は、曲名に"lose"が付く作品として4曲目の首位獲得となりました。

<米ビルボードソングチャート "lose"が付く曲の首位獲得一覧>

グロリア・エステファン「Don't Wanna Lose You」 (1989年9月16日付 1週)

エミネム「Lose Yourself」 2002年11月9日付以降 12週)

・セレーナ・ゴメス「Lose You To Love Me」 (2019年11月9日付 1週)

・テディ・スウィムズ「Lose Control」 (2024年3月30日付 1週)

なお、"lost"が付く曲では、ザ・ライチャス・ブラザーズ「You've Lost That Lovin' Feelin'」(1965)、リサ・リサ & カルト・ジャム「Lost In Emotion」(1987)およびデビー・ギブソン「Lost In Your Eyes」(1989)の3曲が首位を獲得しています。一方で、"win"や"won"が付く曲は未だ首位に到達していません。

 

カーディ・B「Enough (Miami)」が9位に初登場。集計期間初日にリリースされた同曲は、ストリーミング1450万、ダウンロード37,000およびラジオ880万を記録。ダウンロード指標では自身7曲目となる首位を獲得しています。

「Enough (Miami)」はカーディ・Bにとって、2021年3月に初登場で(通算5曲目の)首位を獲得した「Up」以来となる12曲目のトップ10ヒットとなりました。

なお、"Miami"が付く曲のトップ10ヒットは、ヤン・ハマー「Miami Vice Theme」(1985 1週首位)に次ぐ2曲目となります。

 

前週初登場で首位を獲得したアリアナ・グランデ「We Can't Be Friends (Wait For Your Love)」は3位に後退。ストリーミングは前週比19%ダウンの2630万となり、同指標2週目の首位に。またラジオは前週比168%アップの1240万となり、トップエアプレイゲイナーを獲得しています。

ジャック・ハーロウ「Lovin On Me」は5→4位に上昇。ラジオは前週比2%ダウンの7390万を記録し、同指標10週目の首位を獲得しています。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (2位) テディ・スウィムズ「Lose Control」

2位 (3位) ベンソン・ブーン「Beautiful Things」

3位 (1位) アリアナ・グランデ「We Can't Be Friends (Wait For Your Love)」

4位 (5位) ジャック・ハーロウ「Lovin On Me」

5位 (4位) イェー(カニエ・ウェスト) & タイ・ダラー・サイン feat. リッチ・ザ・キッド & プレイボーイ・カルティ「Carnival」

(※ "プレイボーイ・カーティ"と表記するメディアも)

6位 (6位) ビヨンセ「Texas Hold 'Em」

7位 (9位) ザック・ブライアン feat. ケイシー・マスグレイヴス「I Remember Everything」

8位 (8位) テイト・マクレー「Greedy」

9位 (初登場) カーディ・B「Enough (Miami)」

10位 (13位) テイラー・スウィフト「Cruel Summer」

 

 

ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。3月30日付ではGlobal 200、およびGlobal 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.の双方にて、ベンソン・ブーン「Beautiful Things」が通算5週目となる首位に返り咲いています。

ベンソン・ブーン「Beautiful Things」はGlobal 200においてストリーミングが前週比6%アップの8760万、ダウンロードが同4%アップの18,000を、Global Excl. U.S.ではストリーミングが前週比9%アップの6420万、ダウンロードが同8%アップの7,000を、それぞれ記録しています。

BTSのVによる「FRI(END)S」がGlobal 200で5位、Global Excl. U.S.では3位に初登場。Global 200ではストリーミング5610万およびダウンロード72,000、Global Excl. U.S.ではストリーミング5070万、ダウンロード52,000を記録しています。

BTSのメンバーによるソロ作品のトップ10ヒットは以下の通り。Global 200では11曲(BTSとしては11曲、そのうち7曲が首位に)、Global Excl. U.S.では15曲(BTSとしては11曲、そのうち7曲が首位に)がトップ10入りを果たしています。

BTSメンバーのソロ曲 Global 200におけるトップ10ヒット>

・PSY feat. SUGA「That That」(2022年5月 5位)

チャーリー・プース feat. JUNG KOOK「Left And Right」(2022年7月 5位)

・JIN「The Astronaut」(2022年11月 10位)

・ジョングク「Dreamers (Music From The FIFA World Cup Qatar 2022)」(2022年12月 9位)

・JIMIN「Set Me Free Pt.2」(2023年4月 8位)

・JIMIN「Like Crazy」(2023年4月 2位)

・ジョングク feat. ラトー「Seven」(2023年7月 7週1位)

・V「Slow Dancing」(2023年9月 4位)

・ジョングク feat. ジャック・ハーロウ「3D」(2023年10月 1週1位)

・ジョングク「Standing Next To You」(2023年11月 1週1位)

・V「FRI(END)S」(2024年3月 5位)

BTSメンバーのソロ曲 Global Excl. U.S.におけるトップ10ヒット>

・ジョングク「Stay Alive」(2022年2月 8位)

・PSY feat. SUGA「That That」(2022年5月 2位)

チャーリー・プース feat. JUNG KOOK「Left And Right」(2022年7月 2位)

・JIN「The Astronaut」(2022年11月 6位)

・ジョングク「Dreamers (Music From The FIFA World Cup Qatar 2022)」(2022年12月 4位)

・TAEYANG feat. JIMIN「Vibe」(2023年1月 9位)

・JIMIN「Set Me Free Pt.2」(2023年4月 5位)

・JIMIN「Like Crazy」(2023年4月 2位)

・ジョングク feat. ラトー「Seven」(2023年7月 9週1位)

・V「Love Me Again」(2023年8月 6位)

・V「Rainy Days」(2023年8月 8位)

・V「Slow Dancing」(2023年9月 4位)

・ジョングク feat. ジャック・ハーロウ「3D」(2023年10月 1週1位)

・ジョングク「Standing Next To You」(2023年11月 2週1位)

・V「FRI(END)S」(2024年3月 3位)

 

ゼイネップ・バストゥク(Zeynep Bastık)による「Lan」がGlobal Excl. U.S.で10位に初登場。ストリーミングは3250万を記録しています。トルコの歌手、俳優でダンサーのゼイネップにとってGlobal Excl. U.S.初のトップ10ヒットとなり、また同曲はトルコのソングチャートにて2週目の首位を獲得しています。